
ボイラーの水漏れはなぜ起こる?原因と対処方法を正しく判断するための知識
給湯器
更新日 : 2026年01月30日

富士水道センター編集部
ボイラーの水漏れは、配管の劣化や内部部品の故障、凍結など様々な原因で発生します。
少量の水漏れでも放置すると機器の故障や火災のリスクがあるため、早期の対応が重要です。
この記事では、ボイラーの水漏れが起きた際の確認ポイント、自己対応の可否、業者依頼の判断基準について解説します。
適切な知識を持つことで、安全かつ効率的にトラブルへ対処できます。
目次
ボイラーの水漏れはなぜ起こる?

ボイラーの水漏れには複数の原因があり、状況によって対処方法が異なります。
原因を正しく理解することで、適切な判断ができます。
配管や接続部の劣化による水漏れ
ボイラー本体と配管をつなぐ接続部は、経年劣化によってパッキンやシール材が硬化し、水漏れが発生します。
給水管や給湯管の接続部から水が滲み出ている場合は、この劣化が原因と考えられます。
金属製の配管では錆が進行して穴が開くこともあり、特に使用年数が10年を超えている場合は注意が必要です。
接続部の緩みであれば締め直しで改善することもありますが、パッキン交換や配管交換が必要なケースもあります。
定期的に接続部を確認し、水滴や湿り気がないかチェックしてください。
内部部品の故障が引き起こす水漏れ
ボイラー内部の熱交換器や圧力逃し弁、膨張タンクなどの部品が故障すると、本体から水が漏れます。
熱交換器に亀裂が入ると、内部の水が外に染み出して本体下部が濡れてしまうのです。
圧力逃し弁が正常に作動しない場合も、内圧の調整ができず水が漏れ出すことがあります。
これらの内部部品の故障は外から判断しにくいため、本体から水が出ている場合は専門業者による診断が必要です。
内部故障を放置すると、機器全体の破損につながるため早急な対応が求められます。
凍結や破損による一時的な水漏れ
冬季に配管内の水が凍結して膨張すると、配管や接続部が破損して水漏れが起きます。
気温が上がって氷が溶けた時点で水漏れが発覚するケースが多く、凍結防止対策が不十分な場合に発生します。
配管に凍結防止ヒーターを設置していない、保温材が劣化しているといった状態で起こりやすい事例です。
凍結による破損は一度起きると配管交換が必要になるため、予防するようにしましょう。
冬季は外気温が氷点下になる前に、配管の保温状態を確認してください。
ドレン排水と水漏れの見分け方
ボイラーは正常運転時にもドレン排水として少量の水を排出することがあります。
ドレン排水は燃焼時に発生する結露水を外部へ排出するもので、故障ではありません。
ドレン配管から定期的に水が出る場合は正常ですが、本体や接続部から常に水が滴る場合は水漏れです。
水が出るタイミングや量、場所を観察することで、正常なドレン排水か異常な水漏れかを判断しましょう。
判断がつかない場合は、業者へ相談して確認してもらうことをおすすめします。
ボイラー水漏れが起きたとき最初に何を確認すればいい?

ボイラーから水漏れを発見した場合、慌てずに状況を確認することが重要です。
適切な対応により、被害を最小限に抑えられます。
水漏れ箇所を目視で特定する
まずボイラー本体の周囲をよく観察し、どこから水が出ているかを特定してください。
配管の接続部、本体下部、給水バルブ周辺など、濡れている箇所を確認します。
床に水たまりができている場合は、その真上の部分を重点的にチェックしてください。
水漏れ箇所が特定できれば、業者へ連絡する際に正確な情報を伝えられます。
タオルで拭き取りながら確認することで、水が出続けているか一時的なものかも判断できます。
使用を続けてよい状態か判断する
水漏れの量が極めて少量で、接続部の緩みが原因と思われる場合は、締め直して様子を見てみましょう。
ただし、本体内部から水が出ている、水漏れが止まらない、異音や異臭がある場合は使用を中止してください。
使用を続けると機器の故障が悪化したり、火災や一酸化炭素中毒のリスクがあります。
判断に迷う場合は、安全のため使用を停止して業者へ相談してください。
元栓や電源を止めるべきケース
水漏れが激しい、本体から煙や焦げ臭いにおいがする、異常な音がする場合は、すぐに給水元栓と電源を止めてください。
給水元栓を閉めることで、それ以上水が供給されず被害の拡大を防げます。
電源を切ることで、電気系統のトラブルや火災のリスクを低減できます。
緊急時には慌てず、元栓と電源の位置を事前に確認しておくことが重要です。
元栓を閉めた後は、業者の到着まで使用を控えてください。
ボイラーの水漏れは自分で対処してもいい?

ボイラーの水漏れには、自分で対処できる範囲と業者対応が必要な範囲があります。
適切な判断により、安全に対処できます。
ナットの緩みなど軽微なケース
配管の接続部にあるナットやボルトが緩んでいるだけであれば、工具で締め直すことで改善する場合があります。
スパナやモンキーレンチを使い、適度な力で右に回して締めてください。
締めすぎると配管を破損する恐れがあるため、慎重に作業してください。
締め直し後に水漏れが止まれば、そのまま使用を続けても問題ありませんが、念のため数日間は様子を見てください。
応急処置で一時的に止められる状態
配管の小さな亀裂や接続部の隙間には、防水テープや配管補修用のパテで一時的に補修できる場合があります。
ただし、これはあくまで応急処置であり、根本的な解決にはなりません。
応急処置後は早めに業者へ連絡し、正式な修理を依頼してください。
応急処置中も水漏れの状態を観察し、悪化する兆候があればすぐに使用を中止してください。
自己対応が危険になる条件
ボイラー本体内部から水が漏れている、ガス臭がする、電気系統に水がかかっている場合は自己対応を避けてください。
本体を分解する作業や、ガス配管に関わる作業は資格が必要で、誤った対処は事故につながります。
電気とガスが関わる機器のため、安全面を最優先に考え、不安がある場合は必ず業者へ依頼してください。
自己対応できる範囲を超えた作業は、メーカー保証が無効になるリスクもあります。
業者対応が必要なボイラーからの水漏れの判断基準は?

以下の症状がある場合は、自己対応せず専門業者へ依頼してください。
早期に業者に依頼することで、被害と費用を抑えられます。
本体内部から水が出ている場合
ボイラー本体の外装から水が染み出している場合は、内部の熱交換器や配管が破損している可能性があります。
内部部品の交換や修理には専門知識と工具が必要で、分解作業を伴います。
本体内部の故障は放置すると機器全体が使えなくなるため、早急に業者へ連絡してください。
修理か交換かは使用年数や故障箇所によって判断されます。
水漏れと同時に異音や異臭が出る状態
水漏れに加えて「ピー」という高い音、「ゴー」という異常燃焼音、ガス臭や焦げ臭いにおいがする場合は危険です。
これらの症状は内部の重大な故障や不完全燃焼を示しており、一酸化炭素中毒や火災のリスクがあります。
すぐに使用を中止し、給水元栓とガス栓、電源を全て止めて業者へ緊急連絡してください。
換気を行い、室内にガスが充満しないよう注意してください。
使用年数から見た修理と交換の分岐点
ボイラーの耐用年数は一般的に10年から15年程度です。
使用年数が10年未満で軽微な故障であれば、修理で対応する方が経済的です。
10年以上使用している場合や、複数箇所に劣化が見られる場合は、交換を検討してください。
修理費用が新品価格の半額を超える場合も、交換の方が長期的にはコストを抑えられます。
業者に診断を依頼し、修理と交換の見積もりを比較して判断してください。
ボイラー水漏れの修理費用と期間はどのくらい?

修理内容によって費用と期間は大きく変わります。
事前に目安を知っておくことで、業者選びや判断がしやすくなります。
修理内容別のおおよその費用感
配管接続部のパッキン交換であれば、円から15,000円程度が相場です。
配管の部分交換は80,000円から180,000円、圧力逃し弁などの部品交換は73000円から180,000円程度かかります。
熱交換器の交換や本体内部の大規模修理は、100,000円以上になることもあります。
状況によって金額は大きく変わるので、見積りをきちんと確認したうえで作業してもらいましょう。
修理と交換で対応時間はどう変わるか
軽微な修理であれば、当日中に完了することが多く、作業時間は1時間から2時間程度です。
部品取り寄せが必要な場合は、数日から1週間程度かかることがあります
本体交換の場合は、機種の在庫状況にもよりますが、1日から3日程度で完了するケースが一般的です。
冬季など需要が高い時期は、対応に時間がかかる場合があるため早めに連絡してください。
費用が高額になりやすいケース
本体内部の複数箇所が故障している、特殊な部品が必要、設置環境が複雑で作業が困難な場合は費用が高くなります。
古い機種で部品の生産が終了している場合は、本体交換しか選択肢がないことも。
夜間や休日の緊急対応では、割増料金が発生するため通常より高額になります。
複数の業者から見積もりを取り、作業内容と費用を比較することをおすすめします。
ボイラー水漏れ修理で業者選びは何を確認すれば安心できる?

ボイラーが故障したときには、業者に相談するのがおすすめです。
しかし、ボイラーを修理する業者のなかには悪質な業者もあります。
適切な業者を選らぶためにも、ここで紹介するポイントを参考にしてみてください。
参考:東京都水道局『悪質な水道修理業者にご注意を!!』
水道局指定工事店かを必ず確認する
水道局指定工事店とは、各自治体から給水装置工事を適正に行えると認定を受けた事業者です。
指定を受けるためには、国家資格を持つ技術者の在籍や、施工体制に関する基準を満たす必要があります。
そのため、給水管や接続部を含む水漏れ修理も適切に対応できるでしょう。
指定を受けていない業者の場合、応急対応に留まり、再発する恐れがあります。
自治体名と指定番号は公式サイトで確認できるため、依頼前に照合してください。
修理内容と費用の内訳を事前に説明できるか見る
信頼できる業者は、水漏れの原因箇所、必要な作業内容、交換部品について具体的に説明します。
あわせて、部品代、作業費、出張費を分けた見積書を提示します。
一式表記のみの見積書では、費用の妥当性を判断できません。
説明が曖昧なまま契約すると、不要な作業が含まれる可能性があります。
質問に対して明確に回答できるかを確認したうえで判断してください。
現地確認後に追加作業の条件を明示しているか判断する
ボイラーの水漏れ修理では、分解後に内部劣化が判明する場合があります。
その際に、追加作業が発生する条件と費用の上限を事前に説明する業者は信頼できます。
対象となる部位や、どの段階で判断するかを明確に示しているかが重要です。
事前説明がない場合、作業後に想定外の請求を受ける可能性があります。
口頭だけでなく、書面や見積書に記載があるかを必ず確認してください。
ボイラーの水漏れを予防する方法はある?

日常的な予防策により、水漏れのリスクを大幅に減らせます。
定期的なメンテナンスと正しい使用方法が重要です。
定期点検で防げるトラブル内容
年に1回の定期点検を実施することで、配管や接続部の劣化を早期に発見できます。
点検では、パッキンの状態、配管の錆や亀裂、内部部品の動作確認などが行われます。
異常が見つかった段階で部品交換や調整を行うことで、突然の故障や水漏れを防げます。
法定点検が義務付けられている業務用ボイラーだけでなく、家庭用でも定期点検を受けることをおすすめします。
凍結防止で実施すべき具体行動
冬季は外気温が氷点下になる前に、配管に保温材を巻いて凍結を防いでください。
凍結防止ヒーターを配管に設置することで、夜間の凍結リスクを大幅に減らせます。
長期間使用しない場合は、水抜き作業を行って配管内の水を完全に排出してください。
寒波が予想される日は、少量の水を流し続けることで凍結を防ぐこともできます。
日常使用で注意すべきポイント
給湯温度を極端に高く設定すると、内部部品への負担が大きくなり故障リスクが高まります。
急激な温度変化を避け、適切な温度設定で使用してください。
異音や異臭、給湯温度の異常など、いつもと違う症状に気づいたら早めに点検を依頼してください。
ボイラー周辺に物を置かず、点検や修理がしやすい環境を保つことも重要です。
よくある質問

ボイラーの下が濡れているだけでも故障と判断する?
本体や配管から常に水が滴っている場合は故障です。
ドレン排水が正常に排出されている可能性もあるため、水が出るタイミングを確認してください。
少量の水漏れなら使用を続けても問題ない?
少量でも水漏れを放置すると悪化します。
内部故障の兆候である可能性もあるため、早めに業者へ相談してください。
冬場に多い水漏れの原因は何?
配管の凍結による破損が最も多い原因です。
保温対策や凍結防止ヒーターの設置で予防できます。
修理までの間にやってはいけない行動は?
本体を分解する、無理に水を止めようとする、ガス配管に触れるといった行動は避けてください。
安全のため、業者の到着を待ってください。
火災や事故につながる可能性はある?
電気系統に水がかかると漏電や火災のリスクがあります。
ガス漏れや不完全燃焼が起きると一酸化炭素中毒の危険もあるため、異常を感じたらすぐに使用を中止してください。
まとめ
ボイラーの水漏れは、配管の劣化や内部部品の故障、凍結などが主な原因です。
水漏れを発見したら、まず漏れ箇所を特定し、使用を続けてよいか判断してください。
軽微な接続部の緩みであれば自己対応できる場合もありますが、本体内部からの水漏れや異音・異臭がある場合は業者へ依頼してください。
定期点検と凍結防止対策により、水漏れのリスクを大幅に減らせます。
適切な予防と早期対応により、安全にボイラーを使用し続けられます。
記事の監修者

島尻 博富士水道センター
水道工事や各種水回りの修理に従事して35年間。大規模修繕工事の計画~実施までの対応も可能。保有国家資格(給水装置工事主任技術者、一級管工事施工管理技士、一級建築配管技能士)。2023年1月25日放送 テレ朝スーパーJチャンネルで強烈寒波の報道に出演。













