
悪質な水道業者の一覧はある?見分けるポイントや依頼してしまった場合の対処法を解説

富士水道センター編集部
水道のトラブルが起こったとき、「早く修理しなければ」と焦って依頼先を決めていませんか?非常に残念なことではありますが、水道業者の中には悪質な業者が紛れているので、依頼する業者を適当に決めるとトラブルの元になります。
悪質な水道業者は、不必要な工事をすすめたり、高額な料金を請求してきたりするため、依頼するのは危険です。この記事では、悪質な水道業者の一覧があるのか、悪質な業者・信頼できる業者を見分けるポイントはあるかをご紹介します。
目次
悪質な水道業者とは?
悪質な水道業者とは、部分的な修理や交換を行わず、高額な修理方法のみを提案してくる業者のことです。水道のトラブルを早く直したいと焦るばかりに、冷静な判断ができない人を狙って、高額な修理代を請求してきます。
水道修理には明確な料金規定が存在しないため、高額請求で利益を得ようとする悪質業者が一定数存在します。水道局も悪質な水道業者に注意するよう呼びかけているものの、いまだ被害が出ている状況です。
【参考】東京都水道局
悪質な水道業者に依頼してしまうと、金銭的・精神的にダメージを受けます。また、良心的な業者と比べて修理の品質が低く、故障が再発するリスクもあります。
悪質な水道業者に依頼するメリットは一切ないので、悪質な業者に依頼することがないよう気を付けましょう。
悪質業者の一覧はない
結論からいうと、悪質な水道業者の一覧はありません。悪質な水道業者は、頻繁に会社名・サービス名称を変更し、同じような手口を繰り返す関係上、リストの作成が難しいためです。
水道修理で悪質な業者を選ばないためには、自分で判断するほかありません。難しく感じるかもしれませんが、水道修理の知識を持ち、冷静に判断すれば高確率で見分けられます。
もっとも大切なのは、急を要する水道のトラブルでも、焦らず対応することです。
【依頼・見積もり】悪質な水道業者を見極めるヒント
悪質な水道業者にみられる行動として、以下の5つが挙げられます。
- 見積書を開示しない
- しきりにパーツや器具の交換をすすめてくる
- 依頼先と来た業者の名前が違う
- 社員証を見せない
- スタッフの態度・対応が悪い
見積書を開示しない
悪質な水道業者は、料金の合計や細かい費目が書かれた見積書を開示しません。最初から見積書を作らないか、作成した場合でも開示料金を求めてくるケースが大半です。
見積書を作成しないのは、後から高額な請求を行うための下準備です。どのような修理・交換に、何円かかったかをまとめた見積書がなければ、高額な料金でも支払わざるを得なくなります。
消費者には見積書を無料で作成してもらう権利があるので、必ず見積書を受け取ってください。見積もりがない場合は、悪徳業者と判断して修理を断りましょう。
しきりにパーツや器具の交換をすすめてくる
悪質な業者は、部分的な修理で直る故障にもかかわらず、大規模な交換工事しか提案しないケースがあります。小規模な修理よりも大規模な交換のほうが、高い料金を請求できるうえ、自分たちが持ってきた製品を売りつけられるためです。
パーツや器具の交換でしか対応できないと言われた場合は、納得がいくまで理由を説明してもらいましょう。また、交換するパーツや器具の価格・品質を確認するのも大切です。
説明を断られたり、提案した内容以外の修理を行わない業者は、悪質な業者の可能性があります。
依頼先と来た業者の名前が違う
悪質な業者は、サービス名を頻繁に変えたり、複数のサービス名称を使い分けています。口コミやクレームが増えて事業が立ち行かなくなった場合、即座に廃業して名称を変え、同じ商売を続けるためです。
依頼した業者と異なる名前の業者が訪問してきた際は、依頼した業者と名前が同じか確認しましょう。トラブルに発展しても、連絡がつかず修理費用を取り返せないリスクがあります。依頼や問い合わせを行う前に、法人名称を確認するのも大切です。
社員証を見せない
水道修理に限らず、家庭に訪問する場合、最初に身分を明かすのがマナーです。しかし、悪質な業者は、身分を明かさず修理に移ろうとする傾向にあります。このような手口を使うのは、トラブルに発展した際に、責任から逃げるためです。
修理に来た業者には、必ず社員証や名刺を見せてもらいましょう。サービス名や会社の名前を答えられるかもチェックし、いずれにも応じない場合は、インターホン越しに修理を断ってください。
ただし、マンションの管理会社と提携している水道業者に限っては、名刺を提示しないことがあります。このような場合は、管理会社に確認を取りましょう。
スタッフの態度・対応が悪い
悪質な水道業者のスタッフは、教育が行き届いておらず、態度・対応が悪いケースがあります。社会人としてわきまえるべきマナーすら守れていない場合は、悪質な業者であることを疑いましょう。チェックするべきポイントは、以下の通りです。
- 身だしなみが整っていない
- 挨拶をしない
- コミュニケーションをとれない
スタッフの対応や態度が不適切だと感じたら、後日連絡すると伝えて、その場から帰ってもらいましょう。もちろん、再度の訪問に応じてはいけません。
【検索】悪質な水道業者を見分けるポイント
業者探しで悪質な業者を見分けるには、以下のポイントに注目しましょう。
- 費用が安すぎる
- 飛び込み営業がある
- 法人名や所在地が明記されていない
- 保証制度を設けていない
費用が安すぎる
悪質な業者は、「100円から修理を請け負う」といった売り文句で客引きを行い、実際には高額な料金を請求するケースがあります。「格安費用で修理を請け負う」という内容の宣伝は、信用しないことが賢明です。
水道修理には、修理代・部品代以外にも、人件費・交通費などの細かな費用が発生します。そのため、100円で修理を請け負うことは、常識的に考えて不可能です。格安を売り文句にしている業者には、依頼しないようにしましょう。
飛び込み営業がある
悪質な水道業者の特徴として、飛び込み営業をしてくることが挙げられます。アポなしで自宅を訪問し、「トラブルが多発している」「水道局から依頼を受けた」などと偽って、修理をさせようとするのが手口です。
そもそも、水道修理はトラブルが起こってから依頼するものであり、性質上飛び込み営業はできません。飛び込み営業に来る業者は、悪質な水道業者の可能性が高いため、選定の対象から外しましょう。
法人名や所在地が明記されていない
悪質な水道業者のホームページには、法人名や所在地が明記されていないケースもあります。このような場合、営業所自体が存在しないか、違法な営業をしている可能性があるため、依頼を避けましょう。
多くの場合、法人名や所在地は「会社概要」のページに記載されています。依頼する前に必ず業者のホームページを確認し、トラブルが起こった場合に備えましょう。不安な場合は、電話番号やメールアドレスも記録してください。
保証制度を設けていない
悪質な水道業者は、基本的に修理が失敗した際の保証制度を設けていません。保証制度とは、修理が失敗した・同じ故障が再発した場合に、修理費用を補償したり無料で再修理してくれる制度のことです。
悪質な業者は修理の技術が低い傾向にあるため、保証制度を設けていないケースが多くあります。仮に技術不足が原因で修理が失敗しても、悪質な業者が責任を取ってくれる可能性は皆無です。そのため、保証制度がない業者への依頼はおすすめしません。
【対処法】悪質な水道業者に依頼してしまったときは?
もし、修理を依頼した業者が悪質だと気づいても、慌ててはいけません。以下2つの対処法を実践すれば、修理の依頼を断れます。
- クーリング・オフ制度を利用する
- 消費者センターに相談する
クーリングオフ制度を利用する
クーリング・オフ制度とは、契約してから一定期間内に解約を申し出れば、無条件で契約を解除できる制度です。契約してから8日以内なら、クーリング・オフ制度で解約できる可能性があります。
修理内容や請求が適切ではなく、悪質な業者だと判断されれば、契約解除が可能です。クーリング・オフ制度を利用できるか自分で判断できない場合は、自治体の担当部署に問い合わせてみましょう。
また、業者が契約解除に応じない場合は、消費者センターに相談してください。
なお、適切に契約を交わし、適切な料金で修理が完了した場合は、クーリング・オフ制度を利用した契約解除はできません。
消費者センターに相談する
クーリング・オフ制度が適用できない場合や、高額請求をされて業者とトラブルになった場合は、消費者センターに相談してみましょう。消費者センターに連絡すれば、所属する専門家が、悪質な業者に対する適切な対処法を教えてくれます。
消費者センターへの連絡には、消費者ホットライン(188)が便利です。全国の消費者センターが年中無休・無料で運営しているため、困ったときはすぐに相談できます。
ただし、いったん料金を支払うと取り返すのは難しいため、必ず料金を支払う前に連絡してください。また、相談する際に以下のものを証拠として提出できれば、契約を取り消せる可能性が高まります。
- 契約書
- 見積書
- 領収書
消費者センターは消費者の個人情報を厳守してくれるので、個人情報の掲載された書類を渡しても安心です。
信頼できる水道業者を見極めるポイント
悪質な業者を避け、信頼できる業者を探すポイントは、以下の5つです。
- 水道局指定工事店の許可を受けている
- 見積もりが明確・詳細である
- 口コミ・評判を掲載している
- 工事の実績が豊富にある
- キャンセル時の規定がある
水道局指定工事店の許可を受けている
水道局指定工事店とは、水道局から認可を受けて活動する修理業者のことです。指定工事店の許可を得るには、以下の指定要件を満たす必要があります。
- 営業所ごとに特定の資格保持者がいる
- 給水・排水設備工事に必要な機材を所持している
- 欠格要件に該当しない
指定工事店に依頼すれば、専門の資格を持った業者が、適切な機材を用いて修理してくれます。また、欠格要件により不当な料金請求や不適切な修理も禁止されているため、高額請求を心配する必要もありません。
見積もりが明確・詳細である
作業前に見積もりを提示してくれたり、かかる費用を丁寧に説明してくれたりする業者は、信頼性が高いです。工事で発生する費用を事前に教えてくれるため、後々の金銭トラブルを避けられます。
ただし、提示された料金はあくまで目安なので、費目・合計金額を必ず確認してください。また、料金を前払いするのが不安であれば、後払いで対応してくれる業者を探しましょう。
口コミ・評判を掲載している
自社の技術に自信のある業者や、誠実な対応を心がけている業者は、実際に修理サービスを受けた人の口コミ・評判を公開しています。業者のホームページに「お客様の声」といった趣旨の項目がある場合は、依頼前にチェックしてみましょう。
口コミや評判を見る際は、よい内容・悪い内容の両方を掲載しているかに注目してください。悪い口コミを掲載している場合は、改善に向けて何かしらの努力をしていると予想されます。
工事の実績が豊富にある
工事の実績が豊富な業者は、技術の高さをアピールするため、過去の工事実績を公開しているケースが多いです。ホームページから年間対応件数や、対応事例などを確認して、故障箇所を適切に修理してくれるか判断しましょう。
また、会社の歴史や提携企業も、業者の信頼性をはかる基準です。古くから事業を続けていたり、大手の企業と提携していたりする業者は、安定した経営基盤と信頼関係を築いていると考えられます。
キャンセル時の規定がある
出してもらった見積もりに納得できない場合、契約を解除できるかは、依頼前に確認しておきましょう。キャンセル料が発生する業者もあるため、無料でキャンセルできる業者を選ぶのがおすすめです。
ただし、キャンセル料が有料だからといって、悪質な業者と決めつけてはいけません。キャンセル料が必要な場合は、理由を事前に説明してもらいましょう。
<まとめ>ポイントを押さえて悪徳業者を見分けよう
悪質な水道業者に依頼してしまうと、ずさんな修理をされたり、不当な高額請求をされたりします。しかも、悪質な水道業者は名称を頻繁に変えるため、一覧が存在しません。
悪質な水道業者を避け、信頼できる水道業者に依頼するには、ある程度の知識も必要です。業者選びのポイントを押さえながら、信頼できる水道業者を探してみてください
記事の監修者

島尻 博富士水道センター
水道工事や各種水回りの修理に従事して35年間。大規模修繕工事の計画~実施までの対応も可能。保有国家資格(給水装置工事主任技術者、一級管工事施工管理技士、一級建築配管技能士)。2023年1月25日放送 テレ朝スーパーJチャンネルで強烈寒波の報道に出演。