
トイレが故障したときの原因と対処法|水漏れ・流れない・電源が入らない場合の対処まとめ
トイレ
更新日 : 2025年11月05日

富士水道センター編集部
「ウォシュレットから水が出ない……」「水の流れが悪くなってきている……」とトイレの故障に悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
トイレの故障をそのまま放置していると、予想外の費用がかかり「もっと早く直しておけばよかった」と後悔することになります。
とはいえ、何が原因で故障しているのかわからず、対処方法がわからない方も多いはずです。
本記事では、トイレが故障したときに知っておきたい症状別の対処方法についてわかりやすく解説しています。
トイレが故障したときに適切な対処を行いたい場合は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
トイレの故障が疑われたときに確認すべき4つのポイントとは?

トイレの故障が疑われたときに確認すべき4つのポイントは、以下のとおりです。
- 電気の供給がされているか
- 水の流れは止まっていないか
- 故障場所は自身で交換できる部品か
- 修理・調整できるか
各ポイントについてそれぞれ解説します。
電気の供給がされているか
トイレが故障したときには、電気の供給がされているかはじめに確認しましょう。
TOTOのサポートページにも示されているように、トイレの故障原因には電気供給の問題があります。以下は考えられる原因の例です。
- 停電はしていないか
- ブレーカーは落ちていないか
- コンセントからプラグが外れていないか
- 漏電遮断機が作動していないか
- コンセントに差しているプラグの切表示ランプが点いていないか
- 本体表示部の運転ランプは点灯しているか
以上の内容をチェックして、トイレ本体に電気が供給されているか確かめてみてください。
もし、上記の方法で電気の供給ができるようになったときは、トイレの故障ではなく、一時的な不具合かもしれません。
しかし、電気の供給がされているにもかかわらず、トイレの機能が正常に動作しないときは他の原因が考えられます。
電気の供給が復旧しない場合、メーカーに問い合わせたり、水道業者に依頼したり別の対処方法を試す必要があるでしょう。
水の流れは止まっていないか
トイレの水の流れが止まっていると、便器に汚物が残ったり、洗浄ができなかったりといったトラブルが発生します。
TOTOのサポートページに水が止まる原因についての記載があるので、以下の状態になっていないかチェックしてみてください。
|
確認項目 |
確認方法 |
|---|---|
|
断水していないか |
他の蛇口から水が出ないか確認する |
|
止水栓は閉じていないか |
ゴハンドルやボールタップを左に回して開いているか確認する |
|
配管が凍結していないか |
蛇口をひねって水が出るか確認する |
|
給水タンクからの給水が止まっていないか |
・タンク内部の部品に異常がないか確認する |
(参考:TOTO「トイレのトラブル解決」)
水の流れのトラブルが発生したときは、断水や止水栓の状態、配管の凍結などを確認することで問題の原因を特定できます。
トイレの故障や不具合が発生した場合、各項目をチェックし必要に応じて水道業者に依頼してみてください。
故障場所は自身で交換できる部品か
トイレの故障箇所によっては、自身で交換できる部品もあります。しかし、専門的な知識や工具が必要な場合、水道業者に頼まなくてはいけません。
そのため、故障箇所を正しく判断し、自身で交換できる範囲を見極めることが重要です。
自身で交換できるかどうかは、以下の内容で判断してみてください。
|
状況 |
対処内容 |
|---|---|
|
自身で修理交換が可能な場合(簡単な調整や修理で回復できる) |
・水の流れが悪い |
|
水道業者に依頼したほうがよい場合(複雑な修理やトイレ本体を交換しないといけない) |
・トイレ本体から水漏れが起きる |
トイレの故障や不具合は、ねじがゆるんでいたり汚れが詰まっていたりと小さな原因のときも複数あります。
一方、便座にひびが入り水漏れしていたり、便座の温度が異常に熱くなっていたりする場合は、水道業者へ依頼が必要です。
注意しておきたいのは、生産終了から10年以上経過している製品の場合、補修部品の供給が終了している可能性があること。
そのため、部品の取り寄せが困難、あるいは高額な費用が発生します。
部品が生産されているかあらかじめ確認してみてください。
余計な費用を突発的に発生させないためにも、10年以上経過しているトイレに関しては水道業者に点検を依頼してみましょう。
修理・調整できるか
トイレの不具合が生じたとき、症状に応じて調整や修理が自身でできるのか確かめる必要があります。
トイレはさまざまな部品で作られていますが、場合によってはネジを閉めたり、掃除をしたりするだけで故障を直せることも。
一方、便器がひび割れして水漏れしている場合は、自身で交換することができません。
便器の交換は水道工事の専門知識が必要な上に、便座の設置にも注意が必要になります。
そのため、水道業者への依頼をしなければいけません。
修理費用を節約するためにも、トイレの故障状況を適切に確認してみてください。
トイレの故障を見つけるには仕組みを知ることが大切

トイレの故障を見つけるには、以下のような仕組みを知ることが大切になります。
- 水が流れる仕組み
- ウォシュレットやセンサーの仕組み
- トイレタンクの仕組み
仕組みを知ることで、何が原因で故障しているか判断しやすくなります。
なぜトイレが故障したのか知りたい方は、以下の内容を参考にしてみてください。
水の流れる仕組み

トイレの水の流れは「給水・排水・洗浄」などの動作が、一連の仕組みで行われています。水が流れる手順は以下のとおりです。
- レバーハンドルをまわすとレバーとつながったフロートバルブが持ち上がり、タンクの水が便器に流れる
- タンクの水が流れ終わるとフロートバルブは自動で閉まる
- タンクの水が少なくなると同時にボールタップの浮玉も下がり、ボールタップのバルブから給水が始まる
- 水位の上昇と同時にボールタップの浮玉も上がり、バルブが閉まることで給水が止まる
水の流れる仕組みをあらかじめ理解しておけば、どの部分の故障で水が流れないのか原因を見つけやすくなります。
水道業者の方にも説明しやすくなるので、水の流れる仕組みを理解した状態にしておきましょう。
ウォシュレットやセンサーの仕組み

ウォシュレットは電化製品としての側面を持ち、水の給水や温める機能が組み込まれています。
また、センサーが人感や動きを感知して、ウォシュレットを起動させる仕組みになっているのも特徴的です。
ウォシュレットのノズルからお湯が出ない場合、ノズル内部のフィルターが詰まっていたり、電源コードが抜けていたりといったことが原因になっている場合もあります。
これらの原因であればノズル掃除をしてからコンセントを接続し直すことで、故障の改善が期待できるでしょう。
ウォシュレットやセンサーの仕組みについても、施工説明書や公式ページを確認してみてください。
トイレタンクの仕組み
トイレタンクは水を貯めて、便器に水を供給する大切な役割を担っています。
タンクの故障は水漏れのトラブルを引き起こすため、原因を特定しなければいけません。
トイレタンクは、以下の部品で構成されています。
|
部品名称 |
説明 |
|---|---|
|
トイレタンク本体 |
便器へ流れる水を貯める容器 |
|
ボールタップ |
・タンクへ供給される水の量を正しく制御する部品 |
|
オーバーフロー管 |
・ボールタップが故障した場合、タンクから水があふれるのを防ぐための管 |
|
フロートバルブ |
・洗浄レバーと鎖でつながっている部品 |
|
止水栓 |
修理前に水を止めたり、水の勢いを調節したりする |
トイレタンクの仕組みを知ることで、部品の劣化場所を特定できるようになり、故障の原因を見つけやすくなります。
【症状別】トイレが故障したときの7つの対処方法とは?

トイレが故障したときによく起きる症状としては、以下の7つがあります。
- トイレの水が止まらない
- トイレの水が流れない
- トイレタンクに水がたまりにくい
- トイレと床の間で水漏れしている
- 温水便座(ウォシュレット・シャワートイレ)の噴射不良が起きる
- トイレタンクにひび割れが発生して漏水が起きる
- 便座がグラグラする
症状別にそれぞれの対処方法を解説します。
トイレの水が止まらない
トイレの水が止まらない場合、タンク内の水位を調整するか、フロートバルブを交換する必要があります。
原因として考えられるのは、タンク内の水位が高すぎてオーバーフローしているか、フロートバルブの蓋に隙間が生じて水が漏れているかのどちらかです。
水が止まらない場合の対処方法は、以下のとおりです。
| 対処方法 | 手順 |
|---|---|
| ・タンク内の水位を調整する方法 |
・タンク内にあるハンドルやナットを回し、フロートバルブの位置を調整する ・目盛りに合わせて水位を下げると水が止まる |
| ・フロートバルブを交換する方法 |
・タンク内の水を抜き、フロートバルブを取り外す ・新しいフロートバルブを取り付け、タンクに水を入れて確認する |
どちらの交換も自身でできますが、不安な場合は水道業者に依頼するとよいでしょう。
トイレの水が流れない
トイレの水が流れない原因は、大きく分けて以下の3つがあります。
- フロートバルブが開かない
- ボールタップが水を引き込めない
- 排水管のつまり
原因によって対処法は異なりますが、トイレの水が流れないときの原因と対処方法を以下の表にまとめています。
| トラブル内容 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| ・フロートバルブが開かない |
・フロートバルブが劣化している ・チェーンが他の部分に引っかかっている |
・フロートバルブを交換する ・チェーンをもとに戻す |
| ・ボールタップが水を引き込まない |
・部品が劣化している ・ゴミや水垢が溜まって動きが悪くなっている ・浮き玉の位置がずれている |
・部品を交換する ・ゴミや水垢を取り除く ・浮き玉の位置を調整する |
| ・排水管のつまり |
・トイレットペーパーを大量に使用する ・トイレットペーパー以外のものを流す ・排水管が劣化している |
・ラバーカップで解消する ・専用の薬剤を使用する |
トイレの水が流れないトラブルは、多くの場合タンク内部の不具合や排水管のつまりが原因です。
上記の原因をひとつずつ確認してみてください。
解決しない場合は、水道業者に依頼することをおすすめします。
トイレタンクに水がたまりにくい
トイレタンクに水がたまりにくい原因には以下の3つがあり、それぞれの症状に合わせた対処方法が必要になります。
- 水を充分に引き込めない
- 水位を感知できない
- 便器側に水が漏れている
水を充分に引き込めなかったり、水位を感知できなかったりした場合、給水部分やフロートの調整不良、または故障が考えられます。
また、便器側に水が漏れている場合は、部品の劣化や破損が原因であり、必要に応じて水道業者への修理依頼が必要になるでしょう。
自身での修理対応が難しいと感じた場合は、無理をせずに水道業者への依頼を検討してみてください。
トイレと床の間で水漏れしている
トイレと床の間での水漏れは、給水管の不具合やウォシュレットの劣化、便器の破損などさまざまな原因があります。
床に水が漏れてしまったら、床が腐食して交換しなければいけなくなるので、早急な対応が必要です。
水漏れを放置せずに早めに対処することで、床の交換費用が発生する二次被害は免れます。
トイレと床の間で水漏れしている場合は、放置せずに水道業者へ依頼してみてください。
温水便座(ウォシュレット・シャワートイレ)の噴射不良が起きる
温水便座(ウォシュレット・シャワートイレ)の噴射不良が発生した場合、ノズルやフィルターの目つまり、温水便座本体の故障などが考えられます。
噴射不良の症状としては水圧が低下したり、水が出なくなったりします。
汚れやゴミによりノズルやフィルターが目つまりすることも多いので、掃除をするとで噴射不良の症状が改善されることも。
噴射不良が発生したらまずはじめにノズルやフィルターの掃除を検討してみてください。
掃除で症状が改善されない場合、温水便座(ウォシュレットやシャワートイレ)の本体自体が故障しているかもしれません。
噴射不良の原因が特定できないときは、水道業者に依頼し適切な対処をしてもらいましょう。
トイレタンクにひび割れが発生して漏水が起きる
トイレタンクにひび割れが発生すると、漏水が起きます。
ひび割れの原因は、経年劣化や衝撃による破損などです。
漏水が起きてしまうと、水道料金が急増したり、水漏れしたりといった被害を受けてしまいます。
トイレタンクは陶器製のものが多く、長年の使用や衝撃などでひび割れが発生することも少なくありません。
ひび割れが小さくても、水圧や温度変化などで徐々に広がっていく可能性があります。
小さなひび割れが発生している場合、水漏れが広がらないようにする応急処置として、止水栓を閉めて、防水パテやコーキング剤を使ってひびを埋めてみてください。
とはいえ、応急処置では根本的なひび割れが改善できるわけではありません。
長期的な解決のためにも、ひび割れが原因で漏水したときは水道業者に相談しましょう。
便座がグラグラする
便座がグラグラする原因は、便座の取り付け部分がゆるんでいるか、クッション材が剥がれているかのどちらかの場合がほとんどです。
便座の取り付け部分は便器の後ろにあるナットで固定されており、ナットがゆるんでしまうと、便座が固定されなくなるのでグラグラと動いてしまいます。
また、クッション材が剥がれてしまうと、便座と便器の高さが合わなくなり、便座がグラグラする原因に。
上記のように便座の取り付け部分がゆるんだ場合、モンキーレンチやドライバーなどの工具を使ってナットをしっかりと締め直してみてください。
クッション材が剥がれている部分に関しては、剥がれたクッション材をあらためて取り付け、便器との接する箇所の高さを調整してみましょう。
水道業者に依頼するほうがいいトイレの故障とは?
トイレの故障は自身でも直せますが、以下のような症状が出た場合は必ず水道業者に修理・交換依頼をしましょう。
- トイレが故障して床から水漏れしている
- 便座の温度の調整ができない(異常に熱い)
- 便座や陶器に割れ、ひびが入っている
上記の症状は、火傷をしてしまったり、金銭的な損害を受けてしまったりします。
対処方法について一つずつ解説します。
トイレが故障して床から水漏れしている
トイレが故障して床から水漏れしている場合は、自分で対処するのは難しいため水道業者に早急に依頼するのがおすすめです。
床から水が漏れる場合、排水部分からの水漏れなので、悪臭が発生します。
さらに、水漏れを放置すると床や家屋自体にダメージを与えるため、大きな修理費用も発生してしまいます。
仮に便器と床の接合部分に使われているパッキンが劣化して水漏れした場合、パッキンを交換するには、便器を取り外さなくてはいけません。
しかし、便器を取り外すときは、排水管や給水管との繋ぎ目を外すことになるので、その際にも水漏れや破損のリスクが高まります。
便器の取り外しが心配なときは、水道業者に依頼をしてみてください。
便座の温度の調整ができない(異常に熱い)
便座の温度が痛くなるほど熱いときは、便座本体の暖房部分が故障しているので、水道業者やメーカーに依頼しましょう。
便座の温度調節は、ウォシュレットの内部にある回路やコードでおこなわれています。
故障や断線してしまうと、便座の温度が正常に制御されなくなり、過熱することがあります。
とくに電気を使って動作する機器なので、故障時には感電や火災のリスクも考慮しなければなりません。
ヤケドや感電の危険もあるため、便座が異常に熱くなったら自身で修理しようとせず、水道業者に修理してもらいましょう。
便座や陶器に割れ、ひびが入っている
便座や陶器部分にひびが発生した場合、水道業者に依頼して修理や交換をしてもらうことがオススメです。
陶器部分が割れている状況は見た目の問題だけでなく、水漏れにつながる可能性が高くなります。
また、便器にひびが入っている場合、補修するだけでなく、便器本体の取り替えが必要になるケースがほとんどです。
実際にTOTOの公式サポートページでも、陶器部分が割れている場合には「便器本体の取り替えをお願いします」と明記されています。
参考:TOTO「トイレのトラブル解決」
便器のひび割れが起こると水漏れや感電の危険があるだけでなく、汚水が漏れて衛生面でも問題があります。
トイレの陶器や便座にひびが発生した際は、自身での修理や調整をせずに信頼のおける水道業者に依頼してみてください。
トイレが故障する2つの前兆とは?

トイレが故障する2つの前兆は、以下のとおりです。
- 水量・水圧不足
- 便器内・排水管のつまり
それぞれ解説します。
水量・水圧不足
トイレの水量や水圧不足は、故障の前兆として非常に重要なサインになります。
水量や水圧が不足すると便器内への水の流れが不足し、排泄物やトイレットペーパーがうまく流れず故障の原因となります。
水量・水圧不足の症状としては、以下のとおりです。
- 流れるのが遅い
- 水が溜まりにくい
- 1度で流しきれない
上記の症状に気づいたら、タンク内の部品に異常がないかチェックしてみてください。
もし、自身で対処できない場合は、水道業者への依頼を検討してみましょう。
便器内・排水管のつまり
トイレの便器内や排水管のつまりは、トイレの故障の前兆です。
トイレの流れが悪い原因として水量や水圧の不足も考えられますが、タンクの中の水位が正常で部品の劣化も確認できない場合はつまりの可能性が高くなります。
たとえば、トイレットペーパーを大量に使った後や異物を誤って流してしまった場合、排水がスムーズにできず、排水時にゴミや汚水が便器内に残ります。
尿石や汚れが溜まることも排水の不具合の原因です。
トイレの配管がつまった際の対処方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
【戸建て住宅】トイレが故障したときの対処方法とは?

戸建て住宅では、トイレの修理や交換は基本的に所有者(ご自身)で対応します。
軽度な不具合であれば、自分で応急処置や修理を行うことも可能です。
軽度な故障の例と応急処置
軽度な故障であれば、まずは応急処置をしてみてください。
- 水が流れない・止まらない場合:止水栓を閉め、タンク内部の浮き球やゴムフロートを確認
- 便器からの水漏れ:給水ホースや接続部のナット緩みをチェック
- ウォシュレットが動かない:電源プラグ・ブレーカー・アースの接続を確認
そのうえで、根本的な解決策をとりましょう。
いずれも、原因がわからない場合は無理をせず専門業者に相談しましょう。
間違った対処で部品を破損させると、かえって修理費が高くなってしまいます。
業者へ依頼する際のポイント
業者に依頼するときには、以下のポイントをチェックしてみてください。
- 水漏れなど緊急性が高い場合は「即日対応できる水道局指定業者」を選ぶ
- 電気系統を伴う修理(温水便座・基板など)は電気工事士資格が必要
- 作業前に「見積り金額・作業内容・出張費の有無」を確認しておく
戸建ての場合、費用は自己負担ですが、信頼できる業者を選ぶことで再発リスクを防げます。
業者を選ぶポイントについては、以下の記事も参考にしてみてください。
【賃貸】トイレが故障したときの対処方法とは?

賃貸物件でトイレが故障したときは、入居者だけで判断せず、管理会社や大家に報告することが重要です。
賃貸ではトイレが物件の付帯設備にあたるため、原則として修理費用は大家負担となります。
緊急時はまず水道業者に連絡
水が止まらない・便器から水があふれているなど緊急性の高い場合は、応急対応可能な水道業者に連絡しましょう。その後、修理完了の報告を管理会社または大家に入れます。
修理費用と法律上のポイント
民法606条・608条によれば、借主が貸主負担の「必要費」を支出した場合、支出後すぐに償還請求が可能とされています。
つまり、入居者が緊急対応として修理を依頼した場合でも、領収書を提出すれば修理代を後日払い戻してもらえるケースがあります。
参考:国土交通省「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集」
管理会社・大家への連絡例
管理会社や大家に連絡するときには、以下のように伝えてみましょう。
領収書を保管しておりますので、費用精算の方法をお知らせください。」
トラブルを防ぐためにも、修理後は必ず正確な情報を管理会社に共有してください。
トイレの故障を疑ったほうがいいタイミングとは?

トイレの故障を疑ったほうがいいタイミングは、以下の5つです。
- 使用期間が10年を超えている
- 頻繁にトラブルが発生している
- 故障やひび割れがある
- 汚れが蓄積している
- 水道料金が高くなっている
早めに対処すれば余計な費用をかけずに済むので、上記5つの症状を発見したら早急に対処しましょう。それぞれについて解説します。
使用期間が10年を超えている
トイレの寿命は一般的に10〜15年程度といわれているため、使用期間が10年を超えている場合、いつ故障してもおかしくない状態と言えます。
10年以上経過したトイレを使用していると水位の異常やレバーの不具合、水漏れなどのトラブルが多く発生することもあるでしょう。
部品の交換や修理を数回おこなったあと、すぐに使用できなくなることも珍しくありません。
10年以上経過したトイレを使用している方は、故障する前に早めの交換を検討してみましょう。
頻繁にトラブルが発生している
トイレのトラブルが頻繁に発生している場合、故障の可能性があります。
そのため、トイレの調子が悪いと感じたら早めに水道業者に相談しましょう。
一度トイレに故障や不具合が生じると、その後も同様のトラブルが再発しやすくなります。
トラブルが頻繁に起こる状態を放置しておくと、トイレの故障が悪化して修理費用も増加してしまうので注意してください。
早期に部品の交換をして故障を直すことにより、水漏れの被害や高額な修理費用を避けられます。
トイレでの頻繁なトラブルが続くときは、症状を放置せず水道業者に確認してもらうようにしてみてください。
故障やひび割れがある
トイレの便器にひび割れが生じた場合、放置することは危険なので早急な対処が必要になります。
便器は100年近くもつとも言われますが、あくまで正常な使用状況下での話になります。
便器にひび割れがあると、水圧や温度の変化によってさらに広がり、最悪の場合は便器が割れてしまうことも。
また、ひび割れから水漏れが起きると、床や壁に水が染み込んでカビや臭いの原因になります。
ひび割れた部分が急に破損するおそれもあるので、ひび割れが起きた場合は水道業者に依頼して交換を行いましょう。
汚れが蓄積している
トイレの汚れが蓄積すると臭いが発生したり、流れが悪くなったりと故障の一因となる可能性があるので、早めの対処が必要です。
トイレは日常的に使用するため、長期間掃除を怠ると尿石や汚物が蓄積します。
とくに温水洗浄便座を利用している場合、ノズル部分の汚れが原因となり、噴射不良を起こしてしまうケースもあります。
また、掃除を怠り排水管に尿石が溜まりすぎると、排水管のつまりにもつながるでしょう。
トイレの汚れは故障につながるので、便器やタンクは毎日拭くだけでなく週に1度はトイレ専用の洗剤で掃除をしてみてください。
水道料金が高くなっている
水道料金が少し高いと感じたら、古い型のトイレが原因かもしれません。
古い型のトイレを使っていると、水道料金が高くなりがちです。
毎日継続して使用すると、最新式のトイレとは節水効果に大きな差が生じます。
節水型のトイレに交換が、長期的に見たときの水道料金の削減につながるのです。
また、従来型のトイレを使用していると、故障のリスクも高くなります。
従来型のトイレを使用していて水道料金が気になる場合は、トイレの買い替えを検討してみてもよいでしょう。
トイレが故障して交換する際の料金相場とは?

トイレが故障して交換・修理する際の料金相場は、便器のタイプやメーカー、機能などによって異なります。
一般的な交換・修理の料金相場は、以下のとおりです。
| トイレつまり修理 | |
|---|---|
| ・軽度なトイレつまり | 8,000〜20,000円程 |
| ・高圧ポンプ使用 | 15,000円程 |
| ・ドレンクリーナー使用 | 25,000円程 |
| ・高圧洗浄機使用 | 35,000円程 |
| トイレ水漏れ修理 | |
|---|---|
| ・ボールタップ交換 | 20,000円程 |
| ・フロートバルブ交換 | 20,000円程 |
| ・止水栓交換 | 15,000円程 |
| ・タンクレバー交換 | 8,000円程 |
| ・給水管交換 | 5,000〜50,000円程 |
| ・蛇口交換 | 15,000円程 |
| ・フレキ管交換 | 10,000円程 |
| その他の交換を伴うトイレ修理 | |
|---|---|
| ・洋式トイレ脱着工事費 | 35,000円程 |
| ・ウォシュレットの取替・脱着 | 15,000円程 |
| ・便器の交換 | 150,000円程 |
正確な金額は故障の状況や業者により異なるものの、一般的な相場を知っておくとムダな出費を抑えられます。
トイレの耐用年数や使用状況を考慮し、必要に応じて水道業者に相談しましょう。
FAQ|トイレの故障に関するよくある質問

最後に、トイレの故障に関するよくある質問をまとめました。
参考にしてみてください。
Q1. トイレが故障したときはまず何をすればいいですか?
まずは止水栓を閉めて水を止めることが大切です。
次に、故障の症状(流れない・水漏れ・電源が入らないなど)を確認し、自分で直せない場合は水道業者に連絡しましょう。
賃貸の場合は、修理後に管理会社や大家さんへ報告することも忘れずに。
Q2. トイレの修理費用は誰が負担しますか?
戸建ての場合は所有者本人の負担となりますが、賃貸物件では原則として大家や管理会社が負担します。
ただし、入居者の過失(異物を流した・故意の破損など)がある場合は自己負担になります。
Q3. 賃貸でトイレが故障したとき、自分で業者を呼んでも大丈夫?
はい、緊急性が高い場合(漏水・詰まりなど)は入居者が直接業者を呼んでも問題ありません。
ただし、修理後は必ず領収書を保管し、管理会社や大家に費用精算の相談をしましょう。
民法606条により、貸主負担の修理費は償還請求が可能です。
Q4. 自分でトイレを修理しても大丈夫ですか?
軽い詰まりや給水ホースの緩みなど軽度なトラブルは応急処置が可能です。
しかし、タンク内部や電気系統の故障は誤って扱うと水漏れや感電の危険があるため、専門の水道局指定業者に依頼するのが安全です。
Q5. 故障を防ぐための予防策はありますか?
- 月1回のタンク・ノズル清掃
- ゴムフロートやパッキンの劣化チェック
- 長期不在時は止水栓を閉めておく
- 洗浄剤・漂白剤の入れすぎに注意
日頃からこれらを意識しておくと、故障や水漏れのリスクを大幅に減らせます。
トイレが故障して困ったら水道業者に相談しよう

トイレの故障には、複数の原因と対処方法があります。
間違った対処方法をせず、本記事で紹介した内容をぜひ試してみてください。
富士水道センターは、関東地域に密着した24時間365日受付の水道局指定工事店であり、出張費・お見積りは無料で承っております。
施工して終わりではなく、施工日から最長10年の無料施工保証を提供しており、熟練のスタッフが修理からアフターフォローまで責任を持って作業いたしますので、トイレが故障してお困りの際はお気軽にご相談ください。
記事の監修者
島尻 博富士水道センター
水道工事や各種水回りの修理に従事して35年間。大規模修繕工事の計画~実施までの対応も可能。保有国家資格(給水装置工事主任技術者、一級管工事施工管理技士、一級建築配管技能士)。2023年1月25日放送 テレ朝スーパーJチャンネルで強烈寒波の報道に出演。













