お湯が出ないのに水は出るときに最初に見るべきポイント｜凍結や給湯器トラブルの確認

お湯が出ないのに水は出るとき、まず確認したい全体像

水が出ているなら、給水側は止まっていません。

注目したいのは、給湯の経路・加熱・操作の三点です。

同じ「お湯が出ない」でも、出ない範囲で確認先が変わります。

まず次の三つを整理してください。

家全体でお湯が出ない場合、給湯器本体や供給側の影響が疑われます。

一方で特定の場所だけなら、混合水栓や止水栓の確認が優先です。

給湯器が原因の可能性が高いケース

家の複数の蛇口でお湯が出ない場合は、給湯器側に要因があることが多くあります。

まずは「電源と表示」「異常表示の有無」「使用年数」の順で確認してください。

確認項目は多く見えますが、上から順に見ていくと整理しやすくなります。

給湯器の電源が入っていない、リモコンが反応しない

リモコンが消えている、ボタンを押しても反応がない場合、給湯器に電気が届いていない可能性を優先します。

最初にブレーカーとコンセントを確認してください。

停電後やブレーカーが落ちたあとに起きやすい症状でもあります。

コンセントが差さっていても、延長コードの抜けやスイッチ付きタップの切り替えが原因になることもあるため、周辺も含めて見直しましょう。

確認したいポイントは以下のとおりです。

給湯器にエラー表示が出ている

リモコンに数字や記号が出ている場合、給湯器が異常を検知している状態です。

表示内容によって対応が変わるため、表示を控えておくことをおすすめします。

エラーコードの読み方と主な原因は別ページで整理しているため、手元の表示と照らし合わせて確認してください。

同じコードが繰り返し出る、リセット後すぐ再発するなどの症状があるときは、使用を止めて相談したほうが安全です。

お湯が出ないときの原因と対処法を徹底解説！シャワー・リモコンの確認方法や修理費用の目安も紹介

給湯器の寿命や経年劣化

給湯器は消耗品で、年数が進むと不具合が出やすくなります。

お湯が出たり出なかったりする、温度が安定しないなどの変化が先に出るケースもあります。

使用年数が長い場合は、修理と交換の両方を視野に入れて検討しましょう。

異音や焦げたにおい、黒い煙のようなものが見える場合は使用を中止し、早めに相談してください。

目安として確認したい症状は以下のとおりです。

給湯器の種類によって起きやすい不具合が違う

給湯器と一口にいっても、方式によってトラブルの出方が変わります。

ガス給湯器は点火や燃焼の不調が絡みやすく、電気温水器やエコキュートは貯湯や制御の要因が絡みやすい傾向があります。

機種名や方式がわかる場合は、相談時に伝える情報として控えておくとやり取りがスムーズです。

方式がわからないときは、給湯器本体のラベルやリモコンの型番を確認しましょう。

オール電化住宅でお湯が出ない場合

オール電化住宅では、電気の供給状態が大きく影響します。

家全体の電気が使えていても、給湯用の回路だけ止まっている例があります。

ブレーカーの状態や、夜間電力の設定が変更されていないか確認してください。

電気料金プランの切り替え後に問題が起きるケースもあります。

エコキュートでお湯が出ない場合

エコキュートは、貯湯量と設定が重要です。

お湯を使い切っている状態では、水は出てもお湯が出ません。

次の点を確認してください。

頻繁にお湯切れが起きる場合、設定や本体の状態を見直す必要があります。

ガスはつくのにお湯が出ない場合に確認したいこと

ガスコンロは使えるのに、お湯だけ出ない場合、給湯器が完全に止まっているとは限りません。

給湯器はガスが供給されていても、安全装置や制御の影響でお湯を止めることがあります。

よくあるのは、点火はするが途中で止まる状態や、設定温度まで加熱できない状態です。

この場合、リモコン表示に変化が出ていなくても、内部で異常を検知していることがあります。

確認しておきたいのは、次の点です。

ガスが使える状況でも、お湯だけ出ない場合は給湯器側の確認が必要になります。

コンロが使えるから問題ない、と判断せず、給湯専用の動作に目を向けてください。

給湯器以外が原因のこともある

給湯器の電源や表示に変化が見当たらない場合でも、お湯が出ない原因はほかにあります。

とくに「一か所だけお湯が出ない」「お湯が出たり出なかったりする」といった症状は、蛇口や配管側に目を向ける価値があります。

蛇口や混合水栓の不具合

キッチンや洗面所、お風呂の蛇口が混合水栓の場合、お湯側だけ出なくなるケースがあります。

温度調整の内部部品が動かない、ハンドルの動きが固いなどの変化があるときは要注意です。

ほかの場所でお湯が出るのに、特定の蛇口だけ出ない場合は混合水栓側の可能性が上がります。

よくある症状は以下のとおりです。

お風呂のサーモスタット付き混合水栓では、設定温度のズレでぬるい水しか出ないことがあります。

設定温度をいったん高めにして、変化が出るか確認してください。

安全のため、熱くしすぎないよう注意が必要です。

止水栓が閉まっている、閉まりかけている

引っ越しやリフォーム、水回りの作業のあとに多い原因の一つです。

お湯側の止水栓だけが閉まっていると、水だけ出る状態になります。

洗面台下やキッチン下に止水栓がある場合、開き具合を確認してください。

左右で役割が分かれていることもあるため、無理に回さず、動く範囲で状態を見ていきましょう。

以下の動画で、止水栓の閉め方を解説しています。

追いだき配管や浴槽側の不具合

お風呂で「蛇口からはお湯が出るのに追いだきが動かない」場合、追いだき配管や循環アダプターの汚れが関係することがあります。

フィルターの詰まりや循環口の汚れがあると、途中で止まる症状につながりることも。

浴槽側のフィルターを掃除しても改善しない場合は、機器側の点検が必要です。

冬にお湯が出ないときに考えたい凍結の影響

寒い時期に限ってお湯が出ない場合、凍結の影響を考える必要があります。

水は出るのにお湯が出ない状態は、給湯配管だけが凍っているかもしれません。

凍結は、屋外配管や北側の配管、風が当たりやすい場所で起こりやすい現象です。

夜から朝にかけて症状が出て、日中の気温上昇で戻る場合もあります。

日本気象協会のホームページには、水道の凍結指数が掲載されているのでチェックしてみましょう。

注意したいのは対処方法です。

配管に熱湯をかける行為は、破損につながるおそれがあります。

タオルを巻いたうえで、ぬるめの水をかけるなど、負担の少ない方法を選んでください。

次のような状況が続く場合は、凍結以外の要因も考えられます。

一時的に戻っても、根本的な対策が必要になるケースがあります。

凍結に関しては以下のコラムで詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

ボイラーの凍結を防止するには？｜よくある原因と失敗しない対策・修理の目安

水道管破裂の原因と対処法｜大寒波でテレビ取材を受けた水道業者が教える防災マニュアル

場所別に見る「お湯が出ない」原因の整理

確認したいのは「どこだけ出ないか」です。

この情報だけでも、見当をつけやすくなります。

同じ症状でも、優先して見る場所が変わります。

まずは当てはまるパターンを選んでください。

症状	考えられる要因	優先して確認する場所
家中すべてでお湯が出ない	給湯器の電源不良、供給側の不具合、凍結	リモコン表示、ブレーカー、コンセント、ガスと電気の状態
複数の場所でお湯が出ない	給湯器側の不具合、給湯配管の流れ低下	リモコン表示、使用年数、過去の不調の有無
一か所だけお湯が出ない	混合水栓の不具合、止水栓の閉まり、器具側の詰まり	該当箇所の止水栓、温度調整の反応、レバーの動き
お湯が出たり出なかったりする	部品劣化、供給の不安定、燃焼や制御の不調	起きた時間帯、頻度、温度の乱れ、異音や異臭
冬の朝だけお湯が出ない	凍結	屋外配管の環境、気温が上がると戻るか

キッチンだけお湯が出ない

ほかの場所でお湯が出るなら、キッチンの器具まわりが候補です。

とくに混合水栓は、お湯側だけの流れが弱くなる例があります。

確認しやすいのは、温度調整の反応と止水栓の開き具合。

シンク下の止水栓を見直してください。

これらが重なる場合、混合水栓の不具合や止水栓の閉まりが原因の可能性があります。

食洗機や浄水器の分岐がある場合、配管が複雑になりやすい点も注意点です。

お風呂だけお湯が出ない

浴室は「シャワー」「カラン」「追いだき」で系統が分かれます。

まず、どの使い方で出ないかをはっきりさせてください。

サーモスタット付き混合水栓の場合、温度設定のズレでも違和感が出ます。

設定温度を少し上げ、変化の有無を確認してください。

追いだきだけが不調なら、浴槽側フィルターの詰まりが関係する場合があります。

掃除で改善しないときは、循環系の点検が必要になることもあります。

洗面所だけお湯が出ない

洗面所も混合水栓の影響が出やすい場所です。

水は出るのにお湯だけ弱い場合、止水栓の調整不足が原因になる例もあります。

洗面台下の止水栓を確認してください。

同時に、温度レバーの動きの固さも見ておきましょう。

洗面台は収納の中で物が当たり、止水栓が動いているケースもあります。

最近、収納内を整理した場合は特に注意が必要です。

家中すべてお湯が出ない

家中どこでもお湯が出ない場合、給湯器側や供給側の影響が考えられます。

リモコン表示、電源、ガスや電気の供給状況を確認してください。

冬の朝だけ出ない場合、凍結が関係することもあります。

配管に熱湯をかける対応は避けてください。

家全体の症状は、放置すると生活への影響が大きくなります。

安全面の不安があるときは、使用を控えて業者に相談してください。

マンションやアパートでお湯が出ないときの注意点

集合住宅では、戸建てとは確認ポイントが変わります。

建物全体の設備と、部屋ごとの設備が分かれているためです。

同じ建物でほかの部屋もお湯が出ていない場合、共用設備の影響が考えられます。

一方、自室だけの症状なら、部屋内の給湯器や蛇口側の確認が必要です。

集合住宅で見落とされやすい点もあります。

自分で判断しにくい場合は、管理会社へ状況を伝え、建物全体の影響がないか確認してください。

自分でできる確認チェックリスト

お湯が出ない原因を探すときは、確認項目を先に並べておくと迷いが減ります。

下のチェックは、家の状況に関係なく使える共通項目です。

記録しておくと役に立つ情報もあります。

リモコン表示の内容、症状が起きた時間帯、どの場所で出ないかの三点は、電話で状況を伝えるときに助けになります。

修理か交換か、判断の目安

お湯が出ない原因が給湯器側に寄っている場合でも、対応は一つではありません。

修理で戻るケースがある一方、使用年数や症状によっては交換を検討する場面もあります。

判断の軸を整理します。

修理で済む可能性があるケース

使用年数が浅く、症状が一時的で、異臭や異音がない場合は修理対応で戻ることがあります。

電源まわりの不具合や、部品交換で改善する例もあります。

ただし、同じ症状を繰り返す場合は別要因が重なっていることもあるため、状況をメモしておくと役立ちます。

交換を検討したいケース

使用年数が長い場合、修理費用がかさみやすくなります。

部品供給が止まっている機種では、修理自体が難しいこともあります。

お湯が出ない状態が続く、温度が安定しない期間が長いなど、生活への影響が大きい場合は交換も選択肢に入れてみてください。

危険につながる症状がある場合

安全に関わるサインがあるときは、使用を控えましょう。

焦げたにおい、普段と違う音、機器周辺の異常な熱さなどがある場合は特に注意してください。

給湯器まわりに水漏れがある場合も、通電部との組み合わせで危険が増えます。

不安が強いときは、早めに業者に相談してください。

業者に依頼するタイミングと選び方

お湯が出ない状態が続くと、生活への影響が大きくなります。

安全面が気になる症状があるときは、使用を止めて業者に相談してください。

連絡を優先したいサインは次のとおりです。

当てはまる項目がないか確認しましょう。

ガス臭がする場合は、換気を行い、火気は使わないでください。

そのうえで、ガス会社の緊急窓口へ連絡する流れが基本です。

水漏れがある場合は、給湯器の電源プラグに触れず、元栓や止水栓の位置を確認しましょう。

操作に自信がないときは、触らずに状況を伝えるほうが安全です。

相談先の目安

相談先は、症状の出方で整理できます。

迷ったときは「家全体か、一部だけか」を先にそろえてください。

状況	相談先の目安
家中すべてでお湯が出ない、給湯器の表示に変化がある	給湯器業者、メーカー窓口、設置した会社
特定の蛇口だけお湯が出ない、ほかは通常どおり	水栓の修理対応ができる業者、水道業者
ガス臭がする、火がつかない機器が増えた	ガス会社の緊急窓口

電話の前に、伝える情報を三点に絞ると会話がスムーズです。

お湯が出ない場所、いつから起きたか、給湯器の表示の変化を控えてください。

機種名や型番が分かれば有利ですが、分からない場合でも相談は可能です。

【要注意】悪質な水道業者一覧はどこ？急増する高額請求トラブルと信頼できる業者の選び方

賃貸住宅でお湯が出ないときの連絡先と注意点

賃貸住宅では、自己判断で業者を呼ぶ前に確認しておきたい点があります。

給湯器や配管の多くは、貸主側の設備として扱われるためです。

まずは管理会社や大家に連絡し、対応の指示を確認してください。

指定業者がある場合、自己手配すると費用負担の対象外になることもあります。

連絡時は、次の情報をまとめて伝えると話が進みやすくなります。

緊急性が高い症状がある場合は、管理会社へ早めに連絡してください。

費用の目安と注意点

費用は症状と機種で大きく変わります。

見積もりの内訳は、次の要素で構成されることが一般的です。

追加費用が出る条件も合わせて確認すると安心につながります。

見積もりに納得できない場合、作業を始める前なら断りやすい場面もあります。

よくある質問

最後に、よくある質問をまとめました。

Q. 水は出るのにお湯だけ出ない原因は何ですか。

A. 家全体で出ない場合は給湯器本体や供給側が候補です。

一部だけなら混合水栓や止水栓など器具側も候補に入ります。

最初に「どこで出ないか」を整理してください。

Q. 急にお湯が出なくなりました。最初に何を確認すればよいですか。

A. お湯が出ない範囲を確認し、給湯器リモコンの表示と電源の状態を見てください。

あわせて、ブレーカーとコンセントも確認すると原因が絞りやすくなります。

Q. 家の一か所だけお湯が出ません。給湯器が壊れたのでしょうか。

A. 一か所だけの症状なら、蛇口側の不具合や止水栓の閉まりが関係することがあります。

ほかの蛇口でお湯が出るかを先に確認してください。

Q. 複数の蛇口でお湯が出ません。原因は給湯器ですか。

A. 複数で同時に起きている場合は、給湯器側に原因があることが多くあります。

電源や表示に変化がないかを確認してください。

Q. お湯が出たり出なかったりします。放置しても大丈夫ですか。

A. 一時的に戻っても再発するなら、部品の劣化や供給側の不安定さが隠れている可能性があります。

頻度が増えているときは、早めの点検を検討してください。

Q. お湯がぬるいままです。これは「お湯が出ない」と同じ原因ですか。

A. ぬるさが続く場合も、給湯器の能力低下や混合水栓の不調が関係します。

家全体でぬるいのか、一部だけなのかで確認先が変わります。

Q. シャワーだけお湯が出ません。カランは出ます。なぜですか。

A. シャワー側の切替部や混合水栓内部の不調が関係することがあります。

温度調整を変えても反応がない場合は器具側を疑ってください。

Q. 追いだきだけ動きません。蛇口からはお湯が出ます。

A. 浴槽側フィルターの詰まりや循環口の汚れが関係することがあります。

掃除で改善しない場合は循環系の点検が必要です。

Q. 給湯器の表示に数字が出ています。どうすればよいですか。

A. 表示はメモしておくと役に立ちます。

コードの意味は機種で異なるため、一覧ページで確認してください。

同じ表示が繰り返し出る場合は使用を控えて相談してください。

Q. リモコンが点きません。給湯器が故障したのでしょうか。

A. 電源が給湯器へ届いていない可能性もあります。

コンセントの抜けとブレーカーの状態を確認してください。

それでも反応がない場合は点検を検討してください。

Q. 冬だけお湯が出ないことがあります。凍結でしょうか。

A. 気温が下がる時間帯は凍結の影響が出る場合があります。

配管に熱湯をかける対応は避けてください。

自然に戻らないときは、状況を伝えて相談してください。

Q. 給湯器のリセットをしても大丈夫ですか。

A. 表示内容によっては無理な操作を避けたい場面もあります。

同じ表示が何度も出る場合は、リセットを繰り返さず相談してください。

Q. ガス臭がします。どうすればよいですか。

A. 換気を行い、火気は使わないでください。

ガス会社の緊急窓口へ連絡する流れが基本です。

給湯器の操作は控えてください。

Q. 本体の周りが濡れています。触っても大丈夫ですか。

A. 電源まわりに水がかかっている場合は危険が増えます。

電源プラグに触れず、状況を伝えて相談してください。

Q. 点検だけ頼むことはできますか。

A. 可能な場合が多いです。

ただし出張費や点検費がかかることがあるため、事前に料金体系を確認してください。

Q. 相談のときに何を伝えればよいですか。

A. お湯が出ない場所、いつから起きたか、給湯器の表示の変化の三点があるとスムーズです。

機種名や型番が分かれば、あわせて伝えてください。

まとめ

水は出るのにお湯が出ないときは、出ない範囲の整理から始めることが大切です。

家全体か一部かで、確認先が変わります。

焦げたにおいやガス臭、水漏れなどがあるときは使用を止めてください。

状況を三点に絞って伝えると、相談が進めやすくなります。