
キッチンの排水口の掃除方法は?ドロドロ汚れの落とし方や触らない掃除方法を解説

富士水道センター編集部
キッチンで料理や洗い物をしているとき、水の流れが悪くなったことはありませんか。
毎日使うキッチンの排水口は汚れやすく、定期的に掃除しないとぬめりやカビが発生します。
症状がひどい場合はつまる可能性もあるので、非常に厄介です。
この記事では、キッチンの汚れに困っている方に向けて、キッチンの排水口が汚れる原因や掃除方法をご紹介します。
万が一、排水口がつまってしまったときの対処法も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
キッチンの排水口の臭いが気になる方は、以下の記事もご覧ください。
目次
キッチンの排水口汚れの原因になる4つのものとは?

キッチンの排水口が汚れる原因は、以下の4つです。
- 油汚れ・食べカス
- 水垢
- 雑菌
- 固形物
油汚れ・食べカス
排水口にもっとも溜まりやすいのが、油汚れや食べカスです。
料理や洗い物をしていると気づきにくいですが、食器に付いた油汚れや食べカスは流れ切らず、少しずつ排水口に溜まっていきます。
動物性の油は冷えると固まったり、ぬめりになったりして厄介です。
水切りネットもすり抜けてしまい、放っておくと悪臭もひどくなるので、定期的に掃除して除去する必要があります。
水垢
水垢は、シンクにできやすい白いうろこ状の汚れです。
シンクに飛び散った水道水の水分だけが蒸発し、カルシウムやケイ素などのミネラル分が固まってできます。
水垢は厄介な汚れで、スポンジや洗剤でこすってもなかなか落ちません。
さらに、放置すればするほど頑固になっていき、落とすのが難しくなります。
カビが生えることもあるので、こまめに掃除して取り除きましょう。
雑菌
油汚れや食べカスを排水口に流して放っておくと、雑菌が繁殖します。
雑菌が増えた排水口にはドロっとしたぬめりが付くので、ヌルヌルとした感触があったら、すぐに掃除するのがおすすめです。
雑菌による汚れは、悪臭やぬめりの原因になります。
掃除せずに放っておくと、雑菌が食器から手に付いて食中毒を引き起こすリスクもあり、大変危険です。
とくに暖かい時期は繁殖が早いので、掃除の頻度を増やしましょう。
固形物
キッチンの排水口にものを落としてしまうと、流れが悪くなり、汚れが溜まりやすくなります。
さらに、落とした固形物を中心にして汚れが溜まったり、水が逆流したりするので厄介です。
落としたものを取り出せればよいのですが、キッチンの排水口は細く、取り出すのは簡単ではありません。
排水管を分解するのも危険なので、排水口にものを落として取り出せないときは、業者に依頼しましょう。
キッチンの排水口を触らずに掃除できるアイテムとは?4選!

キッチンの排水口をキレイにするには、汚れに合ったアイテムを使うのが大切です。
ものによっては、ドロドロ汚れを直接触らずに掃除することもできます。
排水口掃除に便利なアイテムは、以下の4つです。
- 【軽い汚れ】中性洗剤
- 【ぬめり】クエン酸と重曹
- 【油汚れ】塩素系漂白剤
- 【排水管の掃除】液体パイプクリーナー
【軽い汚れ】中性洗剤
毎日の軽い掃除や、軽度の汚れ取りなら、中性洗剤を使った掃除で十分です。
必要なものは2つだけなので、簡単にお手入れができます。
- 中性洗剤
- スポンジ
手順は、以下の4ステップです。
【手順】
- ゴミ受けの生ゴミを捨てる
- 排水口のフタやゴミ受けを分解する
- 中性洗剤を付けたスポンジで部品ごとに洗う
- 水で流す
排水口の中身が汚れている場合は、そちらも軽く洗うのがおすすめです。
【ぬめり】クエン酸と重曹
キッチンの排水口のぬめりが気になる人や、最近排水口を掃除していない方は、クエン酸と重曹を使って掃除してみましょう。
用意するものを以下にまとめました。
- 重曹
- クエン酸(またはお酢)
- お湯(40℃くらい、熱湯はNG)
掃除の手順は、以下の通りです。
【手順】
- 排水口のゴミ受けに溜まったゴミを捨てる
- 排水口を水で濡らし、重曹をまんべんなく振りかける
- クエン酸(酢でもOK)を振りかける
- 泡立ったら、30分~2時間放置する
- 40度くらいのぬるま湯で泡を流す
汚れがこびり付いて落ちない場合は、後からスポンジと洗剤で洗うのがおすすめです。
【油汚れ】塩素系漂白剤
排水口の掃除をしないと、油汚れが溜まってドロドロになります。
油汚れに触れず掃除をしたい場合は、塩素系漂白剤を使うのがおすすめです。
塩素系漂白剤を使った掃除の手順を、以下にまとめました。
【手順】
- ゴミ受けのゴミを捨て、フタを外す
- 排水口と部品に塩素系漂白剤を吹きつける
- 排水口にフタをして、30分くらい浸け置く
- 水で洗い流す
塩素系漂白剤はたんぱく質を分解するため、キッチンの汚れがよく落ちます。
しかし、直接手で触ったり、気化した塩素を吸い込んだりすると危険なので、ゴム手袋やマスクを付けてから掃除してください。
【排水管の掃除】液体パイプクリーナー
排水口を掃除しても、流れが良くならない場合は、排水管の奥に汚れが溜まっています。
そのようなときは、通常の洗剤よりも強力な、液体パイプクリーナーの出番です。
液体パイプクリーナーは、以下の手順で使います。
【手順】
- ゴミ受けのゴミを捨て、フタを外す
- ゴム手袋を付けて、パイプクリーナーを流しいれる
- 1時間程度浸け置く
- 排水口にしばらく水を流し、洗剤を落とす
液体パイプクリーナーは強力ですが、その分扱いに注意しないと、健康被害を起こすリスクもあります。
注意書きをよく読み、他の洗剤と混ぜないようにしましょう。
キッチンの排水口がつまった際に便利な道具4選とは?

キッチンの排水口を掃除せずに放っておくと、汚れが溜まって、つまることがあります。
排水口がつまってしまった場合は、以下のアイテムを使って掃除してみてください。
- 雑巾とお湯
- ペットボトル
- ラバーカップ・真空式パイプクリーナー
- ワイヤーブラシ
キッチンのつまり解消方法は、以下の記事でも解説しています。ぜひこちらも合わせて確認してみてください。
雑巾とお湯
家に特殊な道具がないときは、雑巾とお湯でつまりを解消しましょう。
雑巾、またはいらないタオルを準備して、以下の手順で進めてください。
【手順】
- ゴミ受けのゴミを捨て、フタを外す
- 配管の穴に雑巾をつめ、栓をする
- 蛇口から40℃くらいのお湯を出す
- シンクの8分目(サイズが大きい場合は4~5分目)まで張る
- 雑巾を引き抜き、排水口にお湯を流し込む
排水口の奥に溜まった油汚れは、お湯で温めると溶け出します。
お湯を一気に流し込めば溶ける可能性があるので、つまったら試してみましょう。
ペットボトル
完全に水が流れなくなった場合は、ペットボトルを使った方法がおすすめです。
以下の手順通りにしたがって、作業してみてください。
【手順】
- ゴミ受けのゴミを捨て、フタを外す
- むきだしになった排水管にペットボトルの口を当てる
- 隙間ができないよう密着させる
- ペットボトルを何度かへこませ、空気を送り込む
ペットボトルから空気を送り込むと、排水管内部の水圧が上がって、つまりが押し流されます。
急につまったら、ペットボトルでつまりが取れないか試してみましょう。
ラバーカップ・真空式パイプクリーナー
ペットボトルを使ってもつまりが取れない場合は、ラバーカップや真空式パイプクリーナーを使いましょう。
いずれも、ペットボトルより高い圧力をかけられるので、つまりの解消に効果的です。
使うときは、以下の手順で操作しましょう。
【手順】
- ゴミ受けのゴミを捨て、フタを外す
- シンクに15cmほど水を張る
- ラバーカップ・真空式パイプクリーナーを押し当てる
- 押し込んでから一気に引き抜く
- 何度か繰り返す
ラバーカップや真空式パイプクリーナーを押して引き上げると、水の流れでつまりを引き抜けます。
隙間があると圧力が上がらないので、水を張って密封するのがコツです。
ワイヤーブラシ
お湯やラバーカップでも解消できないつまりには、排水管内を直接掃除できる、ワイヤーブラシを使いましょう。
ワイヤーブラシは、ワイヤーの先にらせん状のブラシが付いた道具で、曲げたりひねったりすることで排水管の中を掃除できます。
ワイヤーブラシは、以下の手順で使いましょう。
【手順】
- ゴミ受けのゴミを捨て、フタを外す
- ワイヤーブラシの先端を排水管の中に入れる
- ワイヤーが引っかかるまで、少しずつ進める
- 引っかかったらワイヤーを回しながら、前後に動かす
- ワイヤーを引き抜き、先端に汚れが付いているか確かめる
ワイヤーの先に汚れが付いていたら、つまりを削ることができた証拠です。汚れをふき取って再度排水管の中に入れ、手ごたえが少なくなっていたら、つまりを解消できています。
キッチンの排水口をキレイに保つ方法5選とは?

キッチンの排水口が汚れたり、つまったりしても、対処すればそれらの問題は解消します。
しかし、毎日排水口を掃除していれば、トラブル自体の発生を抑制可能です。
せっかく掃除した排水口をキレイにしておきたい場合は、以下の方法を試してみましょう。
- 排水口のゴミは毎日捨てる
- 油汚れはふき取る
- ゴミかごにアルミホイルを入れる
- 洗い物の後にお湯を流す
- 定期的に掃除する
排水口のゴミは毎日捨てる
調理で出た生ゴミを排水口にためていると、雑菌が繁殖してぬめりができます。
排水口をキレイに保つには、生ゴミをためないよう、毎日掃除するのが効果的です。
毎日の掃除が難しい場合は、週2〜3回、洗剤や重曹を使ってぬめりを取りましょう。
掃除が面倒なら、ゴミ受けにネットを張るのがおすすめです。
ゴミ受けの網目よりも小さな食べカスが流れなくなるため、ぬめりの防止に役立ちます。
ネットを購入する際は、排水口のサイズを測っておき、ぴったり合うものを選びましょう。
油汚れはふき取る
キッチンで料理した後は、ついつい排水口に油や油汚れを流しがちです。
しかし、油が排水管の中にこびりつくと、食べカスが絡まって油つまりになるため、油はできるだけ流さないようにしましょう。
調理器具や食器に残った油をできるだけふき取ったり、揚げ物の油を固めて処分したりして、排水口に流さないよう工夫しましょう。
また、定期的に液体パイプクリーナーで排水管の油汚れを取り除くのも、つまり防止に効果的です。
ゴミかごにアルミホイルを入れる
排水管のぬめり対策には、アルミホイルを使いましょう。
2〜3cmくらいに丸めたアルミホイルを1、2個排水口に入れておくと、水と化学反応して金属イオンを発生させます。
金属イオンには抗菌効果があるため、雑菌やぬめり対策に効果的です。
ただし、油汚れや生ゴミに付く雑菌には効果が薄いので、定期的に掃除する必要があります。
排水口に溜まるゴミを毎日捨てたり、油を流さないようにしましょう。
手入れを欠かさなければ、1ヶ月はぬめりの発生を抑えられます。
洗い物の後にお湯を流す
洗い物が終わった後にお湯を流すと、油汚れの防止になります。
動物性の油は冷えると固まるので、お湯を流して温めると流れやすくなります。
洗剤の溶け残りや食べカスも流せるうえ、殺菌・殺虫作用もあるので、毎回お湯を流すようにしましょう。
ただし、排水管に使われている素材は熱に弱いため、熱湯を使ってはいけません。
40〜50℃のぬるま湯を流す程度でも、十分効果があります。
定期的に掃除する
排水口をキレイに保つ方法は多くありますが、もっとも有効なのは、定期的に掃除することです。
日頃から排水口に汚れを貯めないようにしておけば、あらゆるトラブルの発生を防げます。
どうしても落ちない汚れがある場合は、業者に掃除を依頼するのもおすすめです。
自分では掃除できない場所の汚れを落としてもらえたり、つまりを取ってもらえたりするので、定期的に清掃を依頼しましょう。
キッチンの排水口掃除で注意するポイントとは?

キッチンの排水口を掃除するときは、排水管の構造や材質に注意を払う必要があります。
排水管の故障を防ぐためには、以下のポイントに注意しましょう。
- 排水管を外さない
- 熱湯を流さない
排水管を外さない
キッチンの排水管は構造が簡易的で、慣れていない人でも分解できてしまいます。
シンクの下や下水につながる部分はプラスチック製のナットで固定されているだけなので、外すのも難しくありません。
しかし、単純な構造だからと分解すると、もとに戻せない場合があります。
施工時に特殊な加工をしてあったり、組付けに専用の工具を使ったりしている場合もあるため、分解はおすすめできません。
排水管を外すと水漏れや汚損のリスクもあるので、排水管は外さないようにしましょう。
熱湯を流さない
排水管は耐熱温度が70〜80℃の塩化ビニルでできており、高温のお湯には耐えられません。
熱湯を流すと変形・破裂のリスクがあるので、高温のお湯は流さないように注意してください。
キッチンの排水管にお湯を流すときは、一度水を入れてぬるくしてから流すのがおすすめです。
油汚れを流すためのお湯も、40〜50℃くらいのぬるま湯にしましょう。
掃除しても直らない場合は業者に相談しよう
掃除をしたり、つまり対策をしたりしても症状が改善しない場合は、業者に依頼して清掃・修理してもらいましょう。
たとえば、以下のような症状は業者にしか対応できません。
- 排水管の破損
- 経年劣化
- 重度のつまり
慣れていない人では届かない場所の汚れ・つまりや、排水管本体の劣化となると、掃除では解決できません。
無理に直そうとすると、かえって症状が悪化するケースもあるため、業者に任せましょう。
また、排水口や排水管に少しずつ溜まっていく汚れを取るために、定期的に配管洗浄や点検を依頼するのもおすすめです。
流れが悪くなったり、つまったりしてから修理すると復旧までに時間がかかるため、定期的に点検を依頼しましょう。
キッチンの排水口を掃除して清潔に保とう

キッチンの排水口を放っておくと、油汚れや水垢で汚れ、ぬめりが発生します。
頑固な汚れを防ぐためには、日頃からのこまめな掃除が大切です。
掃除方法によっては、不快なドロドロ汚れに触らなくても、排水口を掃除できます。
日頃から排水口の使い方に気を配るだけで、キッチンの排水口をキレイに保てます。
落ちない汚れや、経年劣化による不調はムリに直そうとせず、業者に依頼して修理してもらいましょう。
記事の監修者

島尻 博富士水道センター
水道工事や各種水回りの修理に従事して35年間。大規模修繕工事の計画~実施までの対応も可能。保有国家資格(給水装置工事主任技術者、一級管工事施工管理技士、一級建築配管技能士)。2023年1月25日放送 テレ朝スーパーJチャンネルで強烈寒波の報道に出演。