
下水の匂いがあがってくる原因を専門家が解説|雨の日だけ強まる理由まで詳しく紹介
トイレ
更新日 : 2025年12月08日

富士水道センター編集部
下水の匂いが突然あがってくると、日常生活の快適さが一気に失われてしまいますよね。
原因は排水口の汚れや封水の蒸発から、排水管の詰まり・通気不足・建物全体の不具合まで幅広く、対処法もそれぞれ異なります。
まずは「どこから匂いが出ているのか」「どんなタイミングで強まるのか」をチェックしてみましょう。
本記事では、場所別の原因、家庭でできる対策、雨の日に匂う理由、業者に依頼すべきケースまでまとめています。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
下水の匂いがあがってくるのはなぜ?よくある原因と危険性

下水の匂いがあがってくるとき、多くの家庭で共通する“仕組み”があります。
排水口や排水管は、普段は匂いが上がってこないように構造が整えられていますが、そのバランスが崩れると、生活空間へ臭気が侵入してしまうのです。
原因を知ることで、対処しやすくなります。
もっとも多い原因は「封水切れ」

排水口には「排水トラップ」と呼ばれるカーブ状の部分があり、そこに水が溜まることで匂いの逆流を防いでいます。
この溜まった水が封水(ふうすい) です。
封水が蒸発したり、気圧の変化で吸い上げられたりすると、水の“ふた”が失われ、下水の匂いがそのまま室内へ入り込みます。
封水切れが起こる要因はさまざまで、
- 家を長期的に空ける
- 換気扇の強い吸い込み
- 急激な排水量の変化
- 排水管内部の詰まり
などでも起こるものです。
「なんとなく最近匂う気がする」というときは、この封水が弱っている可能性があります。
パイプ内の汚れ・油・髪が腐敗しているケース
キッチンやお風呂・洗面所では、油・皮脂・髪・石けんカスが排水口に残りやすく、時間が経つと腐敗して強い臭気を放つようになります。
特に以下の状況で匂いが発生しやすくなるので注意しましょう。
- キッチンで油を流してしまう
- お風呂で髪が溜まりやすい
- 洗面台で整髪料や化粧品を頻繁に洗い流す
腐敗した汚れは、市販の消臭剤では抑えきれません。
清掃を後回しにしてしまうと、排水管の奥まで汚れが固着し、悪臭の原因になります。
排水通気管(通気口)の不具合
マンションやアパートでは、建物全体を流れる排水をスムーズにするため、配管のどこかに「通気管」が設置されています。
この通気管が詰まっていたり、外気がうまく取り込めない状態になると、排水が流れるときに負圧が生じます。
負圧が起こると封水が吸い上げられ、下水の匂いが逆流する原因になるのです。
特に多いのは以下のケースです。
- 雨の日に匂いが強くなる
- 上下階の排水タイミングで匂いが変わる
- マンション全体で似たような匂いがする
通気の問題は自力で改善しづらいため、管理会社へ相談する必要があります。
換気不足・負圧による匂い逆流
換気扇を長時間使うと、部屋全体がわずかに“吸い込む状態”になります。
これを負圧といい、封水を弱らせる原因になってしまうのです。
とくに以下の部屋で発生しやすい傾向があります。
- トイレ
- 洗面所
- 風呂場
密閉空間で換気扇のみを回し続けると、排水口から空気を引っ張る形になり、臭気が上がりやすくなります。
「換気しているのに匂う」という場合は、逆に換気が強すぎるケースもあります。
排水管の破損・施工不良による臭気漏れ
排水管が破れていたり、ジョイント部分にすき間ができていると、封水がはたらいていても臭気が漏れてしまいます。
破損の原因として多いのは、
- 老朽化
- 地震や振動
- 新築時の施工ミス
などです。
特に新築・リフォーム直後の住宅で匂いが強い場合、トラップの設置不良や通気の設計ミスが疑われます。
この場合、個人で対処するのは難しいため、施工会社への確認が必要です。
いますぐできる!下水の匂いがあがってくるときの応急対策

下水の匂いがあがってくるとき、まず試してほしいのは“封水を戻す・汚れを落とす・空気の流れを整える”という三つの基本対策です。
どれも特別な道具を使わずに始められる方法で、原因が軽度なら匂いが落ち着くことがあります。
- 封水を復活させる
- 排水トラップを掃除する
- 手軽な洗浄剤で汚れを緩める
- 換気の状態を整える
- 排水ホースの差し込みを確認する
まずは順番に試して、どこで改善するかを確認していきましょう。
水を流して封水を復活させる
封水が弱っていると、排水口の“ふた”が薄くなって臭気が上がりやすくなります。
キッチン、洗面所、浴室など、気になる排水口にコップ1〜2杯の水をゆっくり流してみてください。
とくに、
- 久しぶりに換気扇を長時間つけた
- 長期間家を空けた
- 乾燥した季節で蒸発しやすい
といった状況では封水が切れやすいため、まずこの方法を試すと改善することがあります。
排水トラップの掃除をする
排水トラップや排水口に汚れがたまっている場合、そこから匂いが上がってきます。
ヘアキャッチャーやごみ受けを外し、ぬめりや付着物を取り除くと、臭気の発生源が減るので試してみてください。
特に浴室やキッチンでは、
- 髪
- 食品カス
- 皮脂汚れ
- 石けんカス
が固まりやすいため、定期的な掃除が効果的です。
汚れがこびりついていると封水が安定しづらくなることがあるため、掃除はこまめにおこないましょう。
重曹×クエン酸・市販の洗浄剤で汚れを溶かす
すぐに掃除できないときは、手軽な洗浄方法で汚れを柔らかくしておくと効果があります。
よく使われる組み合わせ
- 重曹+クエン酸
- 酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)
- 市販の排水管クリーナー
重曹とクエン酸は発泡しながら汚れを浮かせるため、軽い詰まりやぬめりに適しています。
一方、市販のクリーナーは汚れの粘着をゆるめる作用があり、定期的に使うと臭気の発生を抑えやすくなります。
強い薬剤は素材を傷めることがあるため、使用量や時間はパッケージの指示に従ってください。
換気扇と窓を調整して負圧を抑える
換気扇が強く働いていると、部屋が負圧になって下水の匂いを引き込むことがあります。
特にトイレや洗面所などの狭い空間で起こりやすく、気づきにくい原因のひとつです。
以下の方法を試すと改善する場合があります。
- 換気扇の強弱を切り替える
- 窓を少し開けて空気の通り道をつくる
- 連続運転中の換気扇を一時的に止める
空気の流れが変わるだけで匂いが弱まることもあるため、排水に問題がないのに臭うと感じたときに有効です。
洗濯機の排水ホースの差し込みを確認する
洗濯機まわりの匂いは、排水ホースが抜けかけていたり、隙間が空いていることで起こりやすくなります。
とくに、
- ドラム式の新設
- 洗濯機の移動
- 掃除のタイミング
でホースが浅く刺さったままになり、下水の匂いがあがってくることがあります。
ホースを奥まで差し込み、固定具がゆるんでいないか確認してみてください。
消臭剤は“一時的な対処”として考える
市販の消臭スプレーや芳香剤は、あくまで臭気を覆うためのものです。
下水から上がってくる匂いの多くは、排水口の構造や汚れが原因のため、香りを加えるだけでは根本解決につながりません。
とくに、
- 排水管の奥の汚れ
- 封水切れ
- 通気不良
が関係している場合、消臭剤では改善しにくく、逆に匂いが混じって不快になることがあります。
匂いを“消す”より“出ない状態に戻す”ことが大切です。
場所別|下水の匂いがあがってくる原因と対策

同じ「下水の匂いがあがってくる」現象でも、原因は場所によって大きく異なります。
キッチン、浴室、洗面所、トイレ、洗濯機まわり、そしてマンション特有のケースまで、発生の仕組みを理解すると対処しやすくなります。
- キッチンは油汚れが主な原因
- お風呂は髪・皮脂・石けんカスの影響が大きい
- 洗面所はS字トラップや小さな詰まりが関係しやすい
- トイレは便器周辺のわずかなすき間でも臭気が上がる
- 洗濯機は排水ホースの位置ずれが多い
- マンション・アパートは通気管の問題が起きやすい
それぞれの特徴を押さえながら、原因と対策を見ていきましょう。
キッチンの下水の匂いがあがってくる
キッチンの排水口は、油脂や食べ物カスが集まりやすく、匂いが発生しやすい場所です。
毎日使うため汚れが蓄積しやすく、その汚れが排水管の奥で腐敗すると、強い臭気が立ち上がります。
生ゴミ・油汚れ・排水口の詰まり
キッチンの匂いで最も多いのは、排水口のごみ受けやワントラップに汚れが溜まり、腐敗して匂いを放つケースです。

- 油が固まってヌルヌルしている
- 食材カスが奥に残っている
- 掃除をしてもすぐ匂いが戻る
こうした状況では、表面だけでなく排水トラップ全体に汚れが広がっていることもあります。
【対策】
- ごみ受け・ワントラップすべてを取り外して洗う
- 重曹+お湯で油汚れをやわらかくする
- 排水管クリーナーを適量使って奥の汚れを緩める
定期的にぬめりを落とすことで、匂いを抑えやすくなります。
ディスポーザーの劣化
ディスポーザー付きの住宅では、本体内部に生ゴミが残って腐敗することがあります。
内部のゴムパッキンが傷んでくると、下水臭が上がる原因にもなります。
【対策】
- 専用洗浄剤で内部を定期的に洗浄する
- 異音や水漏れがある場合は専門業者へ
ディスポーザーは分解がむずかしいため、無理をせず点検を依頼するほうが安全です。
排水ホースの接続不良
シンク下の排水ホースがゆるんでいると、わずかなすき間から下水臭が入り込むことがあります。
見た目ではわかりにくいため、気づきにくい原因です。
【対策】
- ホースの差し込みを奥まで確認する
- 固定リングがゆるんでいないかチェック
- ホースが折れ曲がらないよう整える
改善すると匂いが一気に消えるケースが多い場所です。
お風呂の下水の匂いがあがってくる
浴室は髪・皮脂・石けんカスが流れ込みやすく、排水口の構造上、汚れが溜まりやすい場所です。
湿気が多いため雑菌が繁殖しやすく、匂いが強くなる傾向があります。
へアキャッチャーの汚れ
髪が溜まったヘアキャッチャーは、時間が経つほど匂いが強くなります。
お風呂の匂いの原因として最も多い部分です。
【対策】
- こまめに髪を取り除く
- ヘアキャッチャーを裏側まで洗う
- 皮脂汚れが多いときは重曹とぬるま湯を使う
汚れを落とすだけで改善することが多い場所です。
排水トラップに水が溜まっていない
浴室の排水トラップは複雑な形状をしており、掃除の途中でトラップを外したままにすると封水が機能しなくなります。
【対策】
- トラップ部品が正しくはまっているか確認する
- 水をしっかり流して封水を安定させる
長期間使っていない浴室でも、封水が蒸発して匂いが上がることがあります。
排水管内部の皮脂汚れ
排水口周辺だけでなく、排水管の奥で皮脂が固まり、酸化して臭気を放つことがあります。
【対策】
- ハイター等の酸素系漂白剤を使った洗浄
- 定期的な高圧洗浄(年1回程度)
汚れが奥に広がると、市販の洗浄剤では落としきれない場合があります。
洗面所の下水の匂いがあがってくる
洗面所はS字トラップが使われていることが多く、封水の状態で匂いが大きく変わります。
配管のゆるみや、整髪料・化粧品などの溜まりやすい汚れが原因になることもあります。
S字トラップの封水切れ
洗面台の下にある配管がS字になっている場合、封水が少なくなると臭気が逆流します。

【対策】
- コップ1〜2杯の水をゆっくり流す
- 長期間使わないときは定期的に水を流す
封水が安定すると、匂いが落ち着くケースが多く見られます。
排水パイプのゆるみ
パイプの接続部がわずかにゆるんでいると、下から上がる匂いがそのまま漏れることがあります。
洗面所は構造がシンプルなため、小さなすき間でも影響が大きくなるのです。
【対策】
- 接続リングがゆるんでいないか確認
- ぐらつきがある場合は工具で軽く締める
力を入れすぎると破損することがあるため、注意が必要です。
整髪料・化粧品の固まりによる詰まり
洗面所ではワックスやジェル、ファンデーションなどが排水口に残りやすいため、ぬめりと絡んで臭気を発しやすい傾向があります。
【対策】
- 重曹とぬるま湯を使って溶かす
- 整髪料が多い場合は排水管クリーナーを併用する
定期的に洗浄すると匂いが戻りにくくなります。
トイレの下水の匂いがあがってくる
トイレは封水がしっかり機能しているので、本来は匂いが逆流しにくい場所です。
それでも匂いが気になるときは、便器周辺のすき間や換気状態の影響が考えられます。
便器と床のすき間からの臭気漏れ
便器と床の境目にはパッキンや接着剤が使われており、ここが劣化するとわずかな隙間から臭気が上がります。
【対策】
- 便器の周囲を確認してひび割れがないか調べる
- 異常があれば修理を依頼する
見えない部分で劣化することがあるため、自己判断がむずかしい場所です。
ウォシュレット接続部の劣化
ウォシュレットの給水ホースや内部パーツは経年劣化が進むと、匂いが漏れる原因になります。
【対策】
- ホースの接続部を確認する
- 水滴がついていないかチェック
- 10年を超えた機種は交換を検討する
匂いの原因が意外な場所にあることも多く、見逃しやすい部分です。
換気扇の吸い込みが強すぎる
換気扇が強く働きすぎると、便器の封水が揺らぎ、空気が逆流しやすくなります。
【対策】
- 換気扇の強弱を調整
- すき間風が起きていないか確認する
換気の改善だけで匂いが収まることもあります。
洗濯機まわりの下水の匂いがあがってくる
洗濯機のまわりは“排水ホースのずれ”が原因になることが多く、最もトラブルが起きやすい場所です。
排水ホースの差し込み不足
排水ホースがしっかり差し込まれていないと、そこから直接臭気があがってきます。
【対策】
- ホースを奥まで差し込む
- ゆるんだ固定具を締め直す
- ホースが負荷で引っ張られていないか確認する
改善すると匂いが急に消えることがあります。
防水パンの排水トラップの乾燥
洗濯機を長期間使っていないと、防水パンの排水トラップが乾いて封水が切れます。
【対策】
- コップ1〜2杯の水を注いで封水を復活させる
- 洗濯機の使用頻度が少ない場合は定期的に水を入れる
意外と忘れやすい場所で、匂いのもとになりやすい部分です。
洗濯槽の汚れの影響
洗濯槽内のカビが発生すると、下水臭ではないのに似た臭いが漂うことがあります。
【対策】
- 洗濯槽クリーナーで定期的に洗浄
- 洗濯後はふたを開けて乾燥させる
下水の匂いと勘違いしやすいため、併せて確認すると安心です。
マンション・アパートで下水の匂いが強いとき
集合住宅の場合、個人の部屋だけではなく建物全体の配管の影響で匂いが発生することがあります。
一戸建てと異なり、縦に長くつながる配管が原因になるケースが多くなります。
縦配管の問題
排水が落下するときに空気がうまく流れず、封水を引き込んでしまうことがあります。
【対策】
- 同フロアの住戸でも匂いがあるかを確認
- 管理会社へ状況を伝える
個人で改善することが難しい部分です。
通気管の詰まり
建物の上部にある通気口が詰まると、全体の排水バランスが崩れます。
雨の日だけ匂いが強まるのは、この影響であることも少なくありません。
【対策】
- 管理会社・大家に点検を依頼
- 排水音が大きい場合も併せて伝える
建物全体の問題のため、早めの相談が必要です。
他の住戸の影響を受けるケース
上階の大量排水が負圧を起こし、下階の封水が吸い取られることがあります。
【対策】
- 匂いが出るタイミングをメモしておく
- 他住戸の排水との関連を伝える
原因の特定に役立ちます。
下水の匂い対策に役立つ掃除・洗浄方法まとめ

下水の匂いがあがってくるときは、排水口や排水管の汚れを落とすことで改善するケースが多くあります。
家庭でできる洗浄方法はいくつか種類があり、汚れの性質や溜まり方によって使い分けると効果的です。
ここでは、重曹やクエン酸などの手軽なものから、酸素系漂白剤、市販クリーナー、分解掃除、高圧洗浄までまとめて紹介します。
まずは軽い汚れを落とし、その後の状態を見ながら必要なケアを取り入れると、匂いの再発を防ぎやすくなります。
重曹とクエン酸を使った排水口の洗浄
重曹とクエン酸は、排水口のぬめりや軽い汚れに向いています。
発泡作用が汚れを浮かせ、排水管の浅い部分をきれいにできる方法です。
【手順】
- 排水口に重曹をふりかける(大さじ2〜3)
- クエン酸または酢をゆっくりかける
- 発泡が落ち着くまで10分ほど置く
- ぬるま湯を流して仕上げる
油汚れが多いキッチンでは、別途お湯で流すとより効果が出やすく、浴室では皮脂汚れが落ちやすくなります。
オキシクリーン(酸素系漂白剤)で奥の汚れをゆるめる
酸素系漂白剤は、排水口の奥で固まりやすい皮脂汚れや黒ずみにおすすめです。
特に浴室や洗面所で強い効果を発揮し、汚れによる臭気をやわらげるのに適しています。
【手順】
- 排水口まわりを軽く洗う
- 40〜50℃のぬるま湯で溶いた漂白剤を流す
- 1〜2時間放置する
- 水でしっかり洗い流す
排水管の奥に溜まった汚れを緩める作用があり、定期的に行うと匂いが戻りにくくなります。
ただし、金属部分が多い場所では使いすぎに注意が必要です。
市販の排水管クリーナーで頑固な汚れに対応
市販クリーナーには粘度の高いタイプもあり(パイプユニッシュなど)、排水管の内側にしっかり密着します。
油や皮脂が厚くこびりついているときに効果が感じやすく、家庭の掃除では落ちにくい汚れにも使いやすい方法です。
【使用上のポイント】
- 指定量を守る
- 使用後は十分に水を流して中和させる
- 異臭が強い場合は継続して使いすぎない
刺激のある成分を含むものもあるため、手袋着用を推奨します。
排水トラップの分解掃除で臭気の根本を断つ
排水口の上側だけ掃除しても、匂いの原因がトラップ内部に残っていると効果が長続きしません。
分解掃除では、内部のぬめりや髪、食材カスなどを直接取り除くことができ、臭気を根本から抑えられます。
【対応しやすい場所】
- キッチンのワントラップ
- 浴室の排水ユニット
- 洗面所のS字トラップ
作業は比較的簡単ですが、部品の戻し方を間違えると封水が機能しなくなるため、外した順番を覚えておくと安心です。
排水管の高圧洗浄が必要なケース
軽い掃除をしても匂いが改善しない場合、排水管の奥に油・皮脂・石けんカスが固着している可能性があります。
こうした汚れは家庭用洗剤では取り切れず、専門業者による高圧洗浄が必要です。
- 高圧洗浄が効果的な状態
- 排水がゆっくり流れる
- 掃除をしてもすぐ匂いが戻る
- 排水管の内部に黒い塊が多い
- マンションの縦配管で異臭が続く
強い水圧で汚れを吹き飛ばすため、排水能力が回復し、匂いの再発を防ぎやすくなります。
雨の日だけ下水の匂いがあがってくる理由

晴れの日は気にならないのに、雨が降ると急に下水の匂いがあがってくる──。
この現象は多くの家庭で起きています。
これは、天候によって排水管内部の空気の流れが変わることが主な原因です。
雨の日の湿度や気圧、建物の構造、通気管の状態が重なると、臭気が逆流しやすくなります。
詳しく原因を見ていきましょう。
通気管が正常に働かず、排水が負圧を起こす
建物には「通気管(ベント管)」と呼ばれる空気の通り道があり、排水が流れるときに空気を入れる役割があります。
雨の日は湿気や風向きの影響で通気管の働きが弱まり、排水管内の空気がうまく逃げなくなることがあります。
その結果、
- 排水が流れるたびに負圧が発生する
- 封水が揺らぎ匂いが逆流する
という状態が起きやすくなります。
とくにマンション・アパートなどの集合住宅では、通気管を多くの住戸が共有しているため、雨の日に匂いが強まるケースが多く見られます。
大雨で下水管の水位が上昇し、匂いが押し戻される
大雨が続くと、下水管そのものの水位が高くなることがあります。
外の下水設備がいっぱいに近い状態になると、建物側へと空気が押し戻されるようになり、その結果、室内の排水口から臭気が上がってしまうのです。
とくに多いケースは次のとおりです。
- 地下・1階住戸で匂いが強まる
- 大雨の翌日まで匂いが続く
- 雨量が多いほど臭いが強い
排水がスムーズに流れない状況では、臭気の抜け道がなくなりやすく、一時的に匂いが上がりやすくなります。
封水が揺らぎやすい環境になる
雨の日は気圧が低く、湿度が高くなります。
気圧が低い状態は排水管内の空気が上へ押し返されやすく、封水の安定が崩れる原因に。
封水が弱ると下水の匂いが直接室内へ入り込むため、普段は臭わない排水口でも雨天時だけ匂いが気になることがあります。
とくに以下の場所は影響を受けやすい場所です。
- 洗面所のS字トラップ
- 浴室の排水トラップ
- 洗濯機の防水パン
軽い不具合でも匂いに変化が出やすいため、雨の日はトラップの状態を確認すると安心です。
マンション特有の排水バランスの乱れ
集合住宅では、排水管が縦方向に長くつながっているため、上階で大量の排水が流れると下階に負荷がかかりやすくなります。
雨の日は住戸全体の使用水量が増え、配管への負荷も大きくなるため、臭気が上がるのです。
よくあるのは、
- 上階の住戸の排水タイミングで匂いが変わる
- 雨の強さに比例して匂いが強くなる
- 隣・上下階でも同じ匂いがする
といった現象です。
個人の掃除では改善しにくく、建物全体での対応が必要になることがあります。
雨どい・外部排水の詰まりの影響を受ける場合
戸建て住宅では、雨どいや外部排水が詰まることで家の排水システムに負荷がかかり、室内の排水へ影響を与えることがあります。
具体的には、
- 外部の水が捌けず逆流しやすくなる
- 排水管に空気が入りにくくなる
- 一時的に負圧が起きて封水が揺らぐ
外回りの排水設備の詰まりは見落としがちですが、雨の日だけ匂いがする場合の原因のひとつです。
雨天時の異臭は“建物側の問題”であることも多い
雨の日にだけ匂いが発生する場合、単純な汚れや詰まりだけではなく、建物全体で排水の流れが乱れている可能性があります。
この場合、個人の掃除で改善しにくいため、管理会社や専門業者への相談が必要です。
- 通気管の劣化
- 縦配管の詰まり
- 下水本管の状態
などが関係していることも多く、調査することで原因をはっきりさせやすくなります。
新築なのに下水の匂いがあがってくる原因

「新築なのに下水の匂いがするはずがない」と思いたくなるところですが、実際には新築物件でも下水の匂いが上がってくることがあります。
設備は新品でも、建築時の調整不足や施工のわずかな誤差によって、封水が機能しづらい状態になることがあるためです。
引き渡し直後に気づくケースもあれば、数週間〜数か月後に匂いが目立ち始めることもあります。
設備の故障と勘違いしやすいので、まずは原因を知ることが大切です。
排水トラップの施工不良・取り付け不備
新築時の工事で排水トラップの位置がずれていたり、部品がしっかり固定されていなかったりすると、封水が安定せず臭気が逆流することがあります。
【よく見られる不備】
- トラップの高さが設計値と違う
- 部品が途中で外れている
- 排水口の勾配が足りない
わずかなずれでも封水が揺らぎやすくなり、使用しているうちに匂いが入り込むことがあります。
【対策】
建築会社・施工会社に調整を依頼し、設計どおりに取り付けられているか確認してもらうことが大切です。
通気の設計ミス・通気管の不具合
新築でも起こりやすいのが、住戸内の通気がうまく機能しないケースです。
通気が不足すると排水がスムーズに流れず、負圧が発生して封水が吸い上げられることがあります。
【発生しやすい例】
- キッチン以外の場所で特に匂いが強い
- 水を流すと“ぼこぼこ”音がする
- 雨の日に匂いがさらに強くなる
これらは通気に問題があるサインで、新築物件でも珍しくありません。
【対策】
通気管や排水経路を調べてもらい、必要に応じて調整・補修を行います。
排水管の勾配不足・水平部分の滞留
排水管は水が自然に流れるように、わずかな勾配が設けられています。
新築時にこの勾配が適切でない場合、水が途中で滞留し、汚れが蓄積して匂いの原因に。
【症状の例】
- 排水が流れにくい
- 使用後しばらくして匂いが出る
- 一部の水まわりだけ匂いが強い
施工段階での調整ミスが原因になるため、工務店で確認してもらう必要があります。
基礎部分からの臭気漏れ(戸建ての場合)
戸建住宅では、基礎部分の配管まわりにわずかでもすき間があると、床下から臭気が上がることがあります。
【よく見られるケース】
- 床下点検口を開けると匂いがする
- トイレと洗面所の両方で臭う
- 風向きによって匂いが変わる
【対策】
床下の配管周りを補修し、臭気が上がらないよう隙間を塞ぐ必要があります。
長期間使っていない場所の封水切れ
新築物件では、引き渡し前の期間に水を使わないまま数週間以上空いていることがあります。
その間に封水が蒸発し、入居した瞬間に匂いが感じられることがあります。
【改善策】
- 各排水口に水を流して封水を復活させる
- 換気扇を止め、空気の流れを安定させる
数時間〜1日で匂いが落ち着くことが多く、対策としては最も簡単な方法です。
施工会社への相談が必要なケース
新築で匂いがする場合、住まい側でできる対処では改善しないケースが多く、施工会社への相談が重要です。
【相談が必要なサイン】
- 排水音が異常に大きい
- 水を流すたびに封水が揺れる
- 何度掃除しても匂いが戻る
- 雨の日に悪化する
- 入居者全員が同じ場所で匂いに気づく
建物全体の排水バランスに問題がある可能性があるため、早めの点検が安心につながります。
下水の匂いがあがってくるとき、業者を呼ぶべきケース

下水の匂いは、日常の掃除や応急処置で改善することが多いものの、原因が深い位置にあると、家庭での対応では限界があります。
何度も匂いがぶり返すときは、排水管内部や通気設備に問題が潜んでいる可能性があり、専門的な点検が必要です。
ここでは、業者へ相談したほうが良いサインをまとめました。
初期対処を続けても改善しない場合は、早めに点検を受けることで被害を抑えられます。
掃除をしてもすぐ匂いが戻ってくる
排水口や排水トラップを掃除しても数日で匂いが戻るときは、汚れが配管の奥まで広がっている可能性があります。
特に、油汚れや皮脂汚れが厚く固着していると、市販の洗浄剤では落としきれません。
こうした状態では、専門の高圧洗浄で奥の汚れを取り除く必要があります。
放置すると、汚れがさらに固まり、詰まりにつながることもあります。
排水が流れにくい・“ぼこぼこ”音がする
排水の流れが遅い、流れるたびに“ぼこぼこ”と気泡音がする場合、排水管内の空気が正常に動いていない可能性があります。
【考えられる原因】
- 通気管の詰まり
- 排水管の勾配不良
- 縦配管の負圧
これらは構造上の問題であることが多く、個人での対処が難しい部分です。
排水音が大きいときは早めの点検が安心につながります。
封水がすぐに切れる・水を流しても匂いが続く
水を流して封水を戻しても、すぐに匂いが戻る場合は、封水が安定しない環境になっています。
【封水が切れやすい状況】
- 排水量が極端に多い住戸がある
- 換気が強すぎて負圧が起きている
- 排水トラップの構造に問題がある
とくに集合住宅では、他の住戸の排水が影響することがあり、建物全体での対応が必要です。
排水管の破損や接続不良が疑われる
排水管の破損や接続部のゆるみがあると、封水が機能していても臭気が漏れます。
この場合、匂いは弱くなったり強くなったりと変動しやすいのが特徴です。
【よくある症状】
- 床下から匂いがする
- 一部の場所だけ強い悪臭が出る
- 雨の日に悪化する
修理には専門的な知識が必要で、放置すると漏水につながる可能性もあるため注意が必要です。
マンションやアパートで複数の住戸が同じ症状
集合住宅で複数の住戸から「匂いがする」という声が出ている場合、原因は配管全体または通気設備にあります。
個別の掃除で改善しないため、管理会社や業者による調査が欠かせません。
【共有部分で起きる問題の例】
- 縦配管の詰まり
- 通気管の劣化
- 下水本管側のトラブル
住戸単位の対処では改善しにくいため、早めに報告するとスムーズです。
原因不明のまま長期間続いている
掃除・洗浄・封水調整などを繰り返しても匂いが改善しない場合、原因が排水管の奥深く、または構造部分にある可能性があります。
点検では、
- 内視鏡カメラでの配管確認
- 通気状況の測定
- 排水経路の異常チェック
が行われ、家庭では把握できない部分まで調べられます。
原因を特定できると、必要な処置が明確になるため、早期解決につながります。
業者に依頼したときの費用相場と作業内容

下水の匂いがあがってくる問題は、原因が深い位置にあるほど専門的な作業が必要です。
業者へ依頼するときは、どの作業にどれくらいの費用がかかるのかを把握しておくことで、見積もりの内容を理解しやすくなります。
作業の種類は「点検」「清掃」「修理」の三つに大きく分かれ、原因や建物の構造によって金額が変わることがあります。
ここでは一般的な相場や作業内容をわかりやすくまとめました。
排水管の高圧洗浄の費用相場と内容
高圧洗浄は、専用のホースから高圧の水を噴射し、排水管内部の油・皮脂・石けんカスなどを一気に洗い流す作業です。
頑固な汚れや長年の蓄積が原因の場合に適しています。
【費用相場】
30,000〜60,000円前後
(マンションの専有部は管理規約によって異なることがあります)
【作業内容の例】
- 排水管内部の確認
- 高圧ホースを挿入して洗浄
- 逆流防止のための仕上げ洗浄
- 排水の流れを最終チェック
高圧洗浄は根本的な解決につながるケースが多く、匂いのトラブルに有効です。
排水管の修理・交換が必要な場合の費用相場
排水管が割れていたり、接続部にすき間がある場合は、修理や交換が必要です。
見えない部分の破損も多く、点検しないと気づけないことがあります。
【費用相場】
- 部品交換:10,000〜30,000円前後
- 配管部分の修理:20,000〜60,000円前後
- 床下・壁内の配管工事:200,000円以上
【作業内容の例】
- 破損箇所の特定
- パッキン・接続金具の交換
- 配管の新規設置
- 壁や床の復旧作業が必要な場合もある
大がかりな工事が必要になることもあるため、早期の相談が負担軽減につながります。
調査のみ依頼したい場合の費用相場
異臭の原因がはっきりしないときは、調査だけ依頼することもできます。
【相場の目安】
- 蛍光塗料による調査:50,000~150,000円
- 音聴棒による調査:8,000~25,000円
- トーレサガスを使った調査:50,000~250,000円
点検を行うことで、
- 掃除で改善するのか
- 修理が必要なのか
建物全体の不具合なのかを切り分けやすくなります。
見積もりの確認ポイント
業者へ依頼する際は、以下の点を確認しておくと安心です。
- 作業範囲が明確か
- 追加料金の有無
- 何をどこまで改善できるか
- 作業後の保証があるか
不明点をそのままにするとトラブルにつながることがあるため、気になる点は必ず確認しておくことが大切です。
下水の匂いを防ぐための予防メンテナンス

下水の匂いは、一度改善しても日々の使い方によって再発することがあります。
排水口や排水管は常に水・油・皮脂が流れる場所であり、汚れが溜まりやすい構造のため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
予防を意識しておくと、匂いだけでなく詰まりや水漏れのリスクも軽減され、快適な状態を保ちやすくなります。
ここでは生活の中で取り入れやすい習慣をまとめました。
月に1回は排水口の洗浄を行う
排水口は汚れが見えない部分で固まりやすく、放置すると数か月で臭気を発し始めることがあります。
月に1回、軽い洗浄をしておくと汚れが溜まりにくく、匂いの予防に役立ちます。
- 重曹とぬるま湯でぬめりを落とす
- クエン酸を使って水アカをやわらかくする
- 排水口のフタやヘアキャッチャーをしっかり洗う
とくにキッチンでは油汚れが蓄積しやすいため、定期的な洗浄が重要です。
週1回は換気の状態を整える
排水からの匂いは換気の影響を受けやすいため、空気の流れを整えておくことが大切です。
- 換気扇を長時間つけっぱなしにしない
- 空気が停滞する場所は窓を開けて入れ替えを行う
- 換気扇フィルターの汚れをチェックする
換気がうまくいかないと負圧が起きやすく、封水が揺らぎやすくなります。
排水ホースの位置ずれを定期的に確認する
洗濯機まわりは匂いが発生しやすい場所のひとつです。
排水ホースがずれていると臭気の通り道が生まれやすく、気づかないうちに匂いが広がることがあります。
以下の部分を確認しましょう。
- ホースが奥まで差し込まれているか
- 固定具がゆるんでいないか
- ホースが折れ曲がって負荷がかかっていないか
洗濯機を動かしたあとや掃除後などは特に確認しておくと安心です。
長期間家を空けるときは封水対策を忘れない
封水は、排水口の匂いを防ぐための“水のふた”です。
数日〜数週間家を空けると蒸発して、匂いが逆流しやすくなります。
- 外出前にできる封水対策
- 排水口にコップ1杯の水を流す
- ラップや専用カバーで排水口をふさぐ
- 換気扇を止めて空気の吸い込みを抑える
帰宅後の最初の換気扇使用は、封水が落ち着いてからにすると匂いが出にくくなります。
排水トラップの正しい組み立てを意識する
トラップの分解掃除をしたあとは、必ず元の位置に正しく戻すことが大切です。
わずかなずれでも封水が正常に機能せず、匂いの原因になります。
以下の部分を意識してみてください。
- 部品の向きが合っているか
- 隙間ができていないか
- トラップ全体がしっかり固定されているか
掃除が原因で匂いが出ることもあるため、戻し作業は丁寧に行う必要があります。
年に1回は専門業者の点検・高圧洗浄を検討する
排水管の奥に蓄積した汚れは家庭では落としきれないことがあります。
年に1回程度の高圧洗浄や点検を行うことで、詰まりや異臭のリスクを大幅に減らせます。
次のような症状がある場合に特に効果的です。
- キッチンの油汚れが多い
- 浴室の皮脂汚れが固まりやすい
- 家族人数が多く排水量が多い
- 過去に匂いや詰まりが続いたことがある
定期的なメンテナンスは、急なトラブルを防ぐうえでも重要です。
FAQ|下水の匂いについてよくある質問

最後に、下水の匂いについて、よくある質問をまとめました。
参考にしてみてください。
Q1.下水の匂いが急にあがってきたのはなぜですか?
もっとも多い原因は、排水トラップの封水が弱っている状態です。
封水が蒸発したり、換気扇の影響で吸い上げられたりすると、下水側の空気が室内へ入り込みます。
排水口の汚れが腐敗したときにも同じように臭気が立ち上がるため、まずは封水の量と排水口の状態を確認すると原因を絞り込みやすくなります。
Q2.掃除しても下水の匂いがすぐ戻るのはなぜですか?
排水管の奥に汚れが広がっている可能性があります。
キッチンの油脂や浴室の皮脂汚れが固まっている場合は、内部をしっかり清掃することが大切です。
また、通気不良や排水管の勾配不足が原因で封水が安定しない場合もあり、家庭での対応では改善しないことがあります。
何度も匂いが戻るときは専門の点検が必要です。
Q3.雨の日だけ下水の匂いが強くなるのはなぜですか?
雨の日は気圧が下がり、排水管内の空気が押し戻されやすくなるため、封水が揺らいで臭気が上がりやすくなります。
集合住宅では通気管が影響を受け、建物内の排水バランスが乱れることも。
天候による変化が大きい場合は、建物側の通気設備に原因が隠れていることがあります。
Q4.トイレの排水から下水の匂いがするときはどうすればいいですか?
トイレは封水がしっかり機能しているため、本来は匂いが上がりにくい場所です。
匂いがする場合は、便器と床のすき間、ウォシュレットの接続部、換気の負荷が原因かもしれません。
異常が見つからない場合は、床下からの臭気漏れや通気の不具合が疑われるため、点検を受けると原因を特定しやすくなります。
Q5.マンションで複数の部屋が同じ匂いを感じている場合は?
集合住宅では、縦配管や通気管を多くの住戸が共有しています。
複数の部屋で同時に下水の匂いが出ている場合、建物全体の排水設備に問題がある可能性が高く、住戸単位の掃除では改善しません。
管理会社に連絡し、配管の詰まりや通気設備の状態を確認してもらう必要があります。
Q6.長期外出したあとに部屋が下水臭いのはなぜですか?
留守中に封水が蒸発し、排水口の“水のふた”が消えてしまうことが原因です。
帰宅後に排水口へ水を流し、封水を復活させると改善することが多くあります。
換気扇の連続使用が負圧を生むこともあるため、外出前に換気を止めておくと封水が揺らぎにくくなります。
Q7.どのタイミングで業者に依頼すべきですか?
以下のような場合は業者への相談が必要です。
- 掃除をしても匂いが戻り続ける
- 排水音が異常に大きい
- 封水がすぐに切れる
- 雨の日に悪化する
- 複数の場所から同時に匂いがする
排水管の奥に汚れが固まっている、通気不良が起きている、配管が破損しているなど、専門的な対応が必要な状態である可能性があります。
まとめ|下水の匂いは原因さえ分かれば必ず対処できる
下水の匂いがあがってくるときは、不快さだけでなく衛生面の不安も大きくなります。
原因は排水口の汚れや封水切れといった軽度のものから、排水管の詰まり・通気不良・施工不備のように自力での解決が難しいものまでさまざまです。
ただ、どの原因であっても“仕組みを理解し、正しい対処を選ぶ”ことができれば、匂いは改善できます。
以下のポイントを意識してみましょう。
- 定期的な排水口の洗浄
- 封水の状態を保つ
- 換気や空気の流れを整える
- 排水ホースのずれを防ぐ
これらを意識するだけでも、匂いの再発を抑えやすくなります。
何度掃除をしても匂いが戻る、排水音が異常に大きい、雨の日だけ匂いが強まる──といった場合は、排水管や通気設備の不具合が隠れている可能性があります。
無理に自己解決しようとすると悪化させてしまうこともあるため、気になる症状が続くときは専門業者に相談することが大切です。
下水の匂いは、正しい知識と適切な対策で必ず改善できます。
快適な生活を取り戻すためにも、原因に合った方法で早めにケアすることをおすすめします。
記事の監修者

島尻 博富士水道センター
水道工事や各種水回りの修理に従事して35年間。大規模修繕工事の計画~実施までの対応も可能。保有国家資格(給水装置工事主任技術者、一級管工事施工管理技士、一級建築配管技能士)。2023年1月25日放送 テレ朝スーパーJチャンネルで強烈寒波の報道に出演。












