
トイレの詰まりはお湯で解消できる?具体的な解消方法とポイントをあわせて紹介

富士水道センター編集部
トイレがつまった時にどうしたらいいかわからない方や、つまりを解消する方法が知りたい方は多いのではないでしょうか。トイレのつまりを解消する方法はさまざまで、お湯を使うのもその方法のひとつです。
本記事では、トイレのつまりをお湯で解消する手順や注意点、お湯以外でつまりを解消する方法などを紹介します。本記事を参考にすれば、お湯以外のトイレのつまりを解消する方法がわかるので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
トイレのつまりはお湯で解消できる?

トイレのつまりはお湯で解消できます。お湯は以下のような理由でトイレつまりに効果的です。
- お湯の温度でつまり溶かす
- 流す際の水圧でつまりが流れる
お湯によるトイレのつまり解消のポイントは「温度」と「水圧」です。
たとえばトイレットペーパーや排泄物などのつまりの場合は、お湯を流して溶かしたり細かくしたりできます。
また、お湯を勢いよく流し水圧を利用することで、つまりを解消する方法もあります。水圧を出す際は、お湯をバケツや洗面器などの入れ物に入れて、高い位置から流すと効果的です。そのときに、便器内の水が飛び散る可能性があるため、便器周辺を新聞紙やビニールで養生しておくといいでしょう。
トイレのつまりをお湯で解消する5つの手順

トイレのつまりをお湯で解消する手順は、以下のとおりです。
- 便器内の水を取り除く
- 適温のお湯を準備する
- 高いところから勢いよくお湯を流す
- 30分〜1時間ほど時間を置く
- 同じ方法を何度か繰り返しつまりを確認する
実際に始める前に、以下の準備を必ず済ませておきましょう。
- 止水栓を閉める
- 温水洗浄便座(ウォシュレット)の電源を切っておく
- 便器のまわりを新聞紙やビニールで養生する
方法自体は簡単ですが、いくつか注意点があるので、それぞれの詳しい内容を参考にしながら進めてみてください。
1.便器内の水を取り除く
あらかじめ便器内の水を取り除いておくことで、お湯を流す際の水圧の効果が高まります。また、便器内の水と混ざることで水温が下がり、お湯の効果が減少するのを防げます。
ただしトイレがつまっている場合、便器内の水がトイレットペーパーや排泄物で汚れている可能性があります。そのため、水を取り除く際はゴム手袋をしたり、便器のまわりを養生するのを忘れないようにしましょう。
少し手間はかかりますが、事前準備を確実にしておけば、汚水による汚れを最小限にできます。
2.適温のお湯を準備する
トイレのつまりを解消するための最適なお湯の温度は、40〜60℃です。お湯が熱すぎると便器の故障につながり、温度が低いとつまりを解消する効果が少なくなるからです。
適温(40〜60℃)の作り方は、以下2つの方法があります。
- やかんなどで沸かした熱湯を水で適温まで調節する
- 電気ポットの温度設定機能を使う
熱湯を沸かす場合は時間がかかるため、電気ポットを持っている場合はそちらの使用がオススメです。
3.高いところから勢いよくお湯を流す
お湯を流す際は、なるべく高い位置から流しましょう。お湯の流れに勢いが増し、水圧を上げることができます。水圧が上がるほど、つまり解消の効果も高くなります。
狙うべき流すポイントは、便器の底である排水口です。どんなに勢いよく流しても、排水口の周りに当たってしまうと水圧が低くなってしまいます。
お湯を流す際は、便器内の水を取り除くとき以上にお湯が飛び散りやすいため、自分の身体や便器周辺の床、壁にかからないよう注意しましょう。身体にかかるとやけどをしてしまうおそれもあるため、作業時は長袖長ズボンを着ておくといいでしょう。
4.30分〜1時間ほど時間を置く
お湯を流した後は、30分〜1時間ほど時間を置きましょう。お湯の効果でつまったトイレットペーパーや排泄物が柔らかくなり、つまりが解消しやすくなります。
ただし時間はあくまで目安のため、10〜15分おきに確認したり、さらにお湯を流すことで、より効果的になる場合もあります。
お湯を入れたらすぐにつまりが解消するわけではないため、焦らず時間を置いて気長に待つことも大切です。
5.同じ方法を何度か繰り返しつまりを確認する
1回でつまりが解消されないときは、1〜4の手順を何度か繰り返してみましょう。少しでもお湯の効果があれば、繰り返すことでつまりを解消できるかもしれません。
2〜3回繰り返しても改善が見られない場合は、中止して本記事内で紹介している別の方法を試したり、専門の業者に相談するのもいいでしょう。無理をすると便器の破損につながる場合もあります。
トイレのつまりを解消!お湯と一緒に使えるものとは?

トイレのつまりを解消する際に、お湯と一緒に使うと効果的なものは以下の3つです。
- 重曹と酢
- アルカリ性洗剤
- すっぽん(ラバーカップ)
お湯だけではうまくいかないときに、ぜひ試してみてください。
1.お湯+重曹+酢
重曹と酢を合わせると二酸化炭素の泡が発生し、つまりをほぐしたり、こびり付いた汚れを浮かせたりする効果が期待できます。
お湯と重曹と酢を使ってつまりを解消する手順は、以下のとおりです。
- 便器内の水を取り除く
- 重曹を50ml入れる
- 酢を100ml入れる
- 便器の半分くらいまでお湯を入れる
- 30分〜1時間待つ
重曹と酢を使う以外は、お湯だけを使用する場合とほとんど同じです。
なお重曹と酢がない場合は、重曹はベーキングパウダー、酢はクエン酸で代用できます。トイレがつまったときのために、あらかじめ準備しておくのもいいでしょう。
2.お湯+アルカリ性洗剤
トイレットペーパーやティッシュなどのつまりに対しては、お湯とアルカリ性洗剤の使用がおすすめです。
洗剤にはそのほかにも中性と酸性がありますが、トイレのつまりに対しては、紙類を溶かす効果があるアルカリ性洗剤がもっとも適しています。
手順は以下のとおりです。
- 便器内の水を取り除く
- アルカリ性洗剤を入れる
- 30分ほど待つ
- お湯を勢いよく入れる
- 30分〜1時間待つ
アルカリ性洗剤によって、つまりの原因である紙類を溶かし、お湯で確実につまりを流し切りましょう。
3.お湯+すっぽん(ラバーカップ)
お湯でつまりの原因を柔らかくして、すっぽんでつまりを取る方法もあります。
具体的な手順は以下のとおりです。
- 本記事の「トイレのつまりをお湯で解消する5つの手順」を行う
- 時間を空けてすっぽんを使用する
- 最後にお湯を勢いよく流す
すっぽんを使ったトイレのつまり解消法については、以下の記事でも解説しているので、ぜひご覧ください。
トイレつまりはすっぽん(ラバーカップ)で解消!正しい使い方とコツを紹介!
トイレのつまりをお湯で解消するときの注意点3つ

トイレのつまりをお湯で解消するときの注意点は、以下の3つです。
- 熱湯は使わない
- やけどに注意する
- 流す際の量に気をつける
お湯を使う際は、間違った方法で行うとトイレの故障につながる可能性があるので、注意点を事前に確認しておきましょう。
では、それぞれの詳しい内容を解説します。
1.熱湯は使わない
トイレのつまりにお湯の使用は有効ですが、熱湯の場合は便器の故障につながるため使用しないでください。具体的な温度は40〜60℃のお湯が最適なので、それ以上の温度のお湯は使わないようにしましょう。
トイレでお湯を使うことはないため、熱湯に耐えられる作りになっていません。最悪の場合、便器の一部分がひび割れしてしまい、そこから水漏れをするかもしれません。また、ひび割れが原因でトイレ使用時にけがをする危険性も考えられます。
故障や事故、けがなどを防ぐためにも、お湯を使う場合は必ず40〜60℃程度のぬるま湯を使用しましょう。
2.やけどに注意する
熱湯を流すわけではないため、やけどは大丈夫だろうと思うかもしれませんが、40〜60℃でもやけどをする危険性は十分にあります。つまりを解消するためにはお湯を高い位置から勢いよく流す必要があり、お湯が飛ぶ可能性もあります。
お湯を使ってトイレのつまりを解消する場合は、ビニール手袋を付けたり厚手の服を着て、事前にやけど対策をしておくことをオススメします。激しく飛び散ると顔までお湯が飛んでくる可能性もあるため、可能であればゴーグルを付けておくといいでしょう。
3.流す際の量に気をつける
トイレがつまっている状態で、一気に大量のお湯を流すと便器からお湯があふれ出るかもしれません。勢いよく水圧を高める際も、量には注意して便器内の様子を見ながら流してください。
また繰り返しになりますが、お湯の使用前には必ず便器内の水をできるだけ取り除いておき、お湯の温度と水圧を最大限活かせるようにしておきましょう。面倒な作業ですが、事前準備を確実に行うことで、つまりを効率的に解消できます。
トイレのつまりにお湯が効果的なケースとは?

トイレのつまりにお湯が効果的なケースは、主に以下のようなケースです。
- トイレットペーパーがつまったとき
- 排泄物がつまったとき
- そのほか水で流せるものがつまったとき
このような場合には、お湯だけでつまりを解消できる可能性が高いでしょう。
それぞれの詳しい内容を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
トイレットペーパーがつまったとき
トイレがつまる原因の多くは、トイレットペーパーです。トイレットペーパーは水に濡れるとほぐれる性質があり、お湯はより効果的にほぐすことができます。そのため、トイレットペーパーのつまりに対してお湯の使用は有効といえるでしょう。
とはいえ、「つまってもトイレットペーパーならお湯ですぐに解消できる」というわけではありません。大量に流して大きな塊となった場合は、どれだけお湯を流してもつまりが解消しにくくなります。
トイレットペーパーを流す際は少量ずつ流したり、排泄物の後に流したりするなど、日頃からつまらせないように意識しておきましょう。
排泄物がつまったとき
排泄物(便)がつまった際も、お湯は有効です。排泄物はトイレットペーパー同様、水に浸かることで柔らかくなる性質をもち、お湯はさらに効果的です。
ただ、排泄物も状態によっては固くつまりやすい場合もあり、お湯だけではつまりを解消できないことも考えられます。
排泄物もトイレットペーパーと同じように、こまめに流したり、トイレットペーパーとは別々に流したりして、日頃からつまらせないようにしましょう。
そのほか水で流せるものがつまったとき
そのほか、水に流せるトイレクリーナーや普通のティッシュなど、水で流せるものがつまった場合もお湯が有効的でしょう。
とくにティッシュは、お湯のほうがほぐれやすく流れやすくもなるため、つまり解消の効果が期待できます。
トイレットペーパー以外では、ティッシュがつまる方が多いのではないでしょうか。ティッシュによるつまりの対処法については、以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。
トイレのつまりにお湯がNGな状況2選

トイレがつまったときにお湯を流しても効果がない状況は、以下の2つです。
- 水に流れないものがつまったとき
- 古く固まった汚れがつまっているとき
以上の場合は、放置するとさらにつまりが悪化する可能性があるため、お湯以外の方法を試したり、専門の業者に連絡して早めに対処しましょう。
水に流れないものがつまったとき
衣類や金属など、水に溶けないものがつまったときは、いくらお湯を流しても効果はありません。そのほか、オムツやナプキンなども、水分を吸収することで膨張してさらにつまってしまうため、お湯を流すのは逆効果です。
子どものおもちゃやスマホといった、トイレに落としてつまったものがはっきりしている場合は、早めに業者に連絡して対応してもらいましょう。
なお、トイレが流れないときの対処法については、以下の記事を参考にしてみてください。
古く固まった汚れがつまったとき
排水管の中に古く固まってこびりついた汚れの場合も、お湯ではどうにもならない場合があります。こういった汚れは、日頃の清掃不足によって、流し切れなかった便や尿石などが残ってしまいます。
汚れによるつまりは徐々に溜まり、排水管の道を狭くするため、トイレットペーパーがつまる原因にもなります。日頃の定期的な掃除は、トイレのつまりを効果的に予防してくれるため、こまめに行うようにしましょう。
お湯以外でトイレのつまりを解消する方法はある?

お湯以外でトイレのつまりを解消する方法には、以下が挙げられます。
- バケツで便器に水を流し込む
- 洗濯洗剤を流す
- 重曹や酢を使う
- 真空式パイプクリーナーを使う
- ワイヤーブラシを使う
- ラップを使う
- ビニール袋を使う
- ペットボトルを使う
- 高圧洗浄機を使う
お湯やすっぽんでもつまりを解消できない場合は、上記のような別の方法を参考にしてみてください。もし自力での解消が難しい場合は、専門業者への相談を検討しましょう。
それぞれの詳しい方法については、以下の記事で紹介しているので、ぜひご覧いただき実践してみてください。
トイレのつまりを自分で直せない場合は業者に依頼しよう

お湯を使えば、トイレの軽いつまりは解消できます。ただし、お湯だけではつまりを解消できない場合もあります。そのため、本記事で紹介しているさまざまなつまり解消法を試してみるといいでしょう。
それでもつまりが解消されない場合、無理して直そうとするのはおすすめしません。慣れていない方が自分で直そうとすると、つまりが悪化してしまう可能性もあります。確実につまりを解消したい場合は、専門の業者に依頼することが大切です。
記事の監修者

島尻 博富士水道センター
水道工事や各種水回りの修理に従事して35年間。大規模修繕工事の計画~実施までの対応も可能。保有国家資格(給水装置工事主任技術者、一級管工事施工管理技士、一級建築配管技能士)。2023年1月25日放送 テレ朝スーパーJチャンネルで強烈寒波の報道に出演。