
ウォシュレット取り付けを自分でDIY施工する方法と注意点を解説!

富士水道センター編集部
「ウォシュレット取り付けを安く行いたい」「自分で取り付けて失敗したらどのようなリスクがあるのか心配……」と悩んでいませんか?
本記事では、ウォシュレット取り付けのDIY施工方法と注意点をわかりやすく解説しています。
失敗しないためのポイントも紹介しているので本記事を参考にして、ウォシュレット取り付けを検討してみてください。
目次
ウォシュレット取り付け前に確認すること
ウォシュレットの取り付けに失敗しないためにも、以下の4点を確認しておきましょう。
- トイレ室内のコンセント有無
- 便器のタイプと寸法
- ウォシュレット取り付けに必要な部品
- ウォシュレット取り付けに必要な工具を準備する
それぞれ詳しく解説していきます。
トイレ室内のコンセント有無
ウォシュレットを取り付ける前に、トイレ室内にコンセントがあるかどうかを確認しておきましょう。
ウォシュレットは電気を供給しないと動きません。コンセントがない場合は別途工事を行い、コンセントを設置する必要があります。
延長コードを使用してウォシュレットに電源を供給すると、万が一水滴がかかった場合、漏電するおそれがあり大変危険です。
コンセントの設置費用は、工事内容や施工業者によって異なりますが、一般的には7,000円〜2.5万円程度程度が相場になります。
※記載の価格は参考価格です。実際の価格とは異なる場合があります。
トイレ室内にコンセントが設置されていない場合は、ウォシュレット取り付け前にコンセントを設置しましょう。
便器のタイプと寸法

ウォシュレット取り付けを失敗しないためには、便器のタイプと寸法を確認しておきましょう。
まず、ウォシュレット一体型便器とキャビネット式便器は、ウォシュレットの取り付けができないので注意してください。
組み合わせ便器はサイズによって取り付けできない場合があるので、自宅の便器に取り付けられるか事前にチェックが必要です。
詳しい内容は、TOTO「便器とウォシュレットの組み合わせ可否・ご購入前のチェックポイントと取付手順」を確認してみてください。
また、ウォシュレットを取り付けるスペース(寸法)に余裕があるかも確認しましょう。
取り付けたときに、左右の壁と便座のスペースが30cm以上確保できるか、ドアの開閉に問題がないかも確認してみてください。
他にもトイレの便器のサイズは、 大型サイズ(エロンゲートサイズ) と 標準サイズ(レギュラーサイズ) の2種類があります。
ウォシュレットを購入する場合、あらかじめ便器のサイズに対応しているものを購入しましょう。
ウォシュレット取り付けに必要な部品
ウォシュレットを自身でDIY取り付けする場合、以下の部品を準備しましょう。
- ウォシュレット本体
- ベースプレート
- 分岐金具(付属パッキン)
- リモコン
- 電池
- リモコン取付用の釘
- 取扱説明書
ウォシュレットの取り付け作業は、必要な部品が揃っていることでスムーズに進行します。分岐金具やリモコン取付用の釘など小さな部品も重要なため、取り付け作業中に不足していると、あとで支障をきたすおそれがあります。
DIYでウォシュレットの取り付けを行う場合、失敗しないためにも必要な部品の準備をしておきましょう。
ウォシュレット取り付けに必要な工具を準備する
ウォシュレット取り付けをDIYで行う場合、以下のような工具をあらかじめ準備しておきましょう。
工具 |
費用相場 |
---|---|
・ウォーターポンププライヤー |
・500円~3,000円 |
・モンキーレンチ |
・500円~4,000円 |
・立水栓締め付け工具 |
・1,500円~3,500円 |
・各種ドライバー |
・400円~3,000円 |
・シールテープ |
・100円~1,000円 |
また、間違った工具を使用すると部品を破損させたり、正しく取り付けられなかったりとリスクが増えます。
一つひとつの工具自体は、1万円以内とそれほど高くはありません。
そのため、DIYでのウォシュレットの取り付けを行う場合は、適切な工具を準備しておきましょう。
ウォシュレット取り付けを自分で行う9ステップ
ウォシュレットの取り付けを自身で行う場合、以下の9ステップで進めましょう。
- 止水栓を閉めて水を止める
- 給水管を取り外す
- 分岐金具を取り付ける
- フレキシブル管を取り付ける
- 既存の便座を外す
- ベースプレートを取り付ける
- ウォシュレット本体を取り付ける
- 給水ホースを接続する
- 電源の接続・試運転をする
ただし、本記事で紹介するウォシュレットの取り付け手順は、あくまで一般的な流れになります。詳しくは各製品の取扱説明書の指示にしたがって、進めるようにしてみてください。
止水栓を閉めて水を止める

ウォシュレットの取り付けを安全に進めるために、止水栓をしっかり閉めておきましょう。
止水栓を閉めることで、水道からの水の供給を遮断し、作業中の水漏れやトラブルを防げます。止水栓にはハンドル式やドライバー式、内ネジ式などがあるため、種類に応じて適切に閉めてください。
止水栓をしっかりと閉めないと、水が漏れて周辺が水浸しになります。
作業がスムーズに進むように、止水栓の閉め忘れには注意しておきましょう。
給水管を取り外す

ウォーターポンププライヤーやモンキーレンチなどの専用工具を使用して、ゆっくりとナットをゆるめて給水管を取り外していきます。
給水管を取り外すとき、管から水がこぼれやすいです。
床が濡れないよう、雑巾やバケツなどをあらかじめ置いておくと便利です。
また、ナットやねじがくっついて、なかなか外れないときがあります。
DIY慣れしていない方だと、ねじ山を潰してしまい、使用できなくなる可能性もあるでしょう。
ムリだと思ったら取り外しを中止して、水道業者への依頼を検討してみてください。
分岐金具を取り付ける

給水管の取り外しが終わったら、ウォシュレットに同梱してある分岐金具を取り付けます。取り付けの際は、ウォシュレット付属のパッキンを必ずはさむようにしてください。
分岐金具は、水をトイレタンクとウォシュレットの給水ホースへ適切に送る役割をもつ部品です。
分岐金具の取り付けは比較的簡単な作業ですが、正しく取り付けないと水漏れが起こります。取り付け作業が不安な場合は、水道業者に依頼してみてください。
フレキシブル管を取り付ける

分岐金具の取り付けが終わったら、フレキシブル管を取り付けていきます。
フレキシブル管とは、ウォシュレット本体と給水管をつなぐホースのことです。
フレキシブル管を取り付ける際は、ナット部分にパッキンが入っているかを確認しておきましょう。
取り付け作業のポイントとしては、ポールタップ本体が回らないようにしっかり持ち、ナットを締めます。
傾いた状態で取り付けてしまうと接続が悪くなり、水が止まらない原因になるので注意してください。
また、フレキシブル管の取り付けは、やわらかいタイプの給水管ホースが使用されている場合は必要ありません。
フレキシブル管を購入する前に、取扱説明書で確認してみてください。
既存の便座を外す

フレキシブル管をつけ終わったら、既存の便座に固定してあるナットをゆるめ、便座を外していきましょう。
ナットをゆるめるには、ウォーターポンププライヤーやモンキーレンチなどの専用工具が必要です。
また、便座を外した後、便器側に汚れがあった場合は拭き取っておきます。
作業自体は、自身で行えますが、力仕事なので不安なら水道業者に依頼することをオススメします。
ベースプレートを取り付ける

便座の取付穴にゴム製の部品を差し込んだ後、ベースプレートをネジで締めて固定します。
ベースプレートには「ネジ式・ゴム式」の2種類あります。
ネジ式の場合はドライバーでの作業になりますが、ネジ山を潰してしまわないように慎重に行いましょう。
また、ゴム式のベースプレートの差し込みを行う場合は、表面を水で濡らしておくと、差し込みやすくなります。
ベースプレートの種類に合わせて、取り付けを適切に行いましょう。
ウォシュレット本体を取り付ける
ウォシュレット本体の取り付けは、各製品により仕様が異なります。
ベースプレートがゴム式の場合、カチッと音がするまではめ込むようにしましょう。
ネジ式の場合は、取り外した穴に本体を合わせて、便座を取り付けていきます。
ベースプレートに正しく取り付かなかった場合は、ウォシュレット本体を外し、設置位置を整えてみてください。
ベースプレートに合わせて適切にはめ込められれば、問題なくウォシュレット本体の設置はできるでしょう。
ウォシュレット本体を取り付けることは、比較的簡単な作業です。
しかし、取り付け方法を守らないとウォシュレット本体が正常に動作しなかったり、水漏れしたりトラブルが発生します。
ウォシュレット本体を取り付ける際には、必ず注意点を守るようにしてみてください。
給水ホースを接続する

給水ホースに関しても、各製品により取り付け方法が異なります。
分岐水栓に給水ホースの袋ナットを締めつけるタイプと、給水ホースを差し込んでクイックファスナーで止めるタイプなど、各製品によりさまざまです。
適切に接続しないとウォシュレットの機能が正常に働かず、給水の問題が発生します。
給水ホース取り付け時には、取扱説明書をしっかりと理解しておきましょう。
電源の接続・試運転

給水ホースの取り付けが終われば、電源プラグを差し込み、電源が入るかを確認していきます。また、試運転時には水漏れがないかも一緒に確認しておきましょう。
とくに接続部がゆるむので、試運転前に再確認してみてください。
万が一水漏れがあれば再施工を行い、水漏れを止めましょう。
問題がなければ以上の手順で、ウォシュレットの取り付けは完了になります。
ウォシュレットの取り付けを水道業者に依頼した場合の費用相場

業者にウォシュレットの取り付けを依頼する場合と、DIYを行う場合では、どれだけ費用に差が出るのか気になる方も多いのではないでしょうか。
ウォシュレットの取り付けをしたときの相場は、以下のとおりです。
メニュー |
自分で取り付け |
水道業者に依頼 |
差額 |
---|---|---|---|
基本取り付け費用 |
0円〜5,000円(工具購入費) |
8,800円程(交換工事費) |
3,800~8,800円程 |
業者に依頼する場合、取り付け費用の相場は8,800円程度になります。
自分で取り付ける場合は、工具の購入費用のみになるので、水道業者に依頼するより安くなります。
※記載の価格は参考価格です。実際の価格とは異なる場合があります。
しかし、自分で修理した場合、取り付け方法を誤り破損させるリスクがあるので、確実に取り付けをしたいときは水道業者に依頼してみてください。
ウォシュレット取り付けを自分でする場合のメリット

ウォシュレット取り付けを自分でする最大のメリットは、修理費用を抑えられる点です。
水道業者に依頼すると、自分で修理するよりも費用がかかる場合も多いです。
一方、DIYでの取り付けには、便座やウォシュレット本体、必要な工具を購入する以外に大きな費用が発生しません。
また、水道業者に時間を合わせなくともよいので、自分のペースで取り付けができます。
ただし、取り付けに関する知識や手順、必要な工具をしっかりと理解してから取り付け作業をはじめましょう。
安心して施工を行うためにも、事前にしっかり準備をしておくことは重要です。
ウォシュレット取り付けを自分でする場合のリスク

ウォシュレットのDIY取り付けは、適切な情報や工具を揃えなければ大きなトラブルを引き起こす可能性があります。
具体的には以下のようなリスクが考えられます。
- 取り付けミスによる破損
- 間違った部品の購入
- 想定外の費用の発生
ウォシュレットは便座とは異なり、電気や給水を必要とするため、専門的な知識と工具が求められます。
取り付け中に既存の部品が破損したり、部品を間違って購入してしまったりなど、最終的にはウォシュレットの取り付けができず、水道業者に依頼するケースも多くあります。
安く済ませようとDIYにせっかく挑戦したとしても、失敗してしまえば費用は余計にかかるでしょう。
以上のように、ウォシュレット取り付けを自分でする場合は、さまざまなリスクがあります。
安心してウォシュレットの取り付けを行いたい場合は、はじめから水道業者に依頼するようにしましょう。
ウォシュレット取り付けによくある質問

ウォシュレット取り付けによくある質問を4つ厳選して集めました。
- 引っ越し後のウォシュレットはどうすればいいですか?
- 賃貸のウォシュレットの耐用年数はどれくらいですか?
- ウォシュレットの取り付け工事にかかる時間は?
- ウォシュレット取り付けにオススメのお店はありますか?
ウォシュレット取り付けを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
引っ越し後のウォシュレットはどうすればいいですか?
賃貸物件でウォシュレットを設置した場合、退去時には元の便座に戻さなければならないことが多いです。
そのため、ウォシュレットの取り外しと入居時の便座に戻す作業が必要になります。
元の状態に戻す作業には、部品や工具の費用、場合によっては水道業者への依頼費用が発生します。
賃貸物件にウォシュレットを後から取り付けている場合、追加費用や作業が必要になるのを考慮して、早めに引っ越しの準備をしておきましょう。
賃貸のウォシュレットの耐用年数はどれくらいですか?
賃貸物件にかからわず、ウォシュレットの耐用年数は、一般的に約10〜15年程度と言われています。
参考:TOTOリモデルサービス「気になるトイレの『 交換時期(目安) 』について」
ただし、使用頻度や環境によって、耐用年数が短くなる場合もあるでしょう。
ウォシュレットは古くなってくると、最新の製品と比べて機能や快適さが劣ります。
そのため、賃貸に設置されているウォシュレットが古い場合は、大家さんや管理会社に相談をしてみて交換を検討してみるとよいでしょう。
ウォシュレットの取り付け工事にかかる時間は?
ウォシュレットの取り付け工事は水道業者が行う場合、大体30分〜2時間程度かかります。
取り付けの時間は、トイレの状態やウォシュレットのタイプ、作業者の経験やスキルによって変わります。
既存の便座を取り外して、新しいウォシュレットを取り付けるだけの場合なら、30分程度で完了するでしょう。
しかし、コンセントの設置が必要な場合や水道の接続部分に問題が発生したときなどは、2時間以上かかる可能性もあります。
ウォシュレット取り付けにオススメのお店はありますか?
ウォシュレット取り付けには、家電量販店と水道業者に依頼する方法があります。
以下にそれぞれの表を記載します。
店舗名 |
ウォシュレット取り付け工賃(税込み) |
---|---|
ヤマダ電機 |
・5,500円〜 |
ビックカメラ |
・6,600円~ |
ケーズデンキ |
・要問い合わせ |
エディオン |
・7,700円(税込)〜 |
ヨドバシカメラ |
・3,300円(税込)〜 |
※2023年8月時点
ウォシュレットは電気製品であり、水漏れや故障のリスクが高いため、専門的な知識と技術が必要です。
家電量販店は、気軽に頼めて安いですが、難しい修理や取り付けなどには対応できない場合があります。
一方、水道局指定業者なら難しい取り付けにも対応しており専門性が高いです。
ウォシュレットの取り付けを含め、水回りのトラブルに備えたい方は、水道業者に依頼してみてはいかがでしょうか。
ウォシュレットの取り付けを確実にしたいなら水道業者に依頼しよう

ウォシュレットの取り付けは、DIYでも行えます。
自分で行う場合、正しく取り付けできなかったり、誤った部品を用意してしまったりするリスクがあります。
余計な出費をせずウォシュレットの取り付けをしたい方は、一度水道業者に相談をしてみてはいかがでしょうか。
記事の監修者

島尻 博富士水道センター
水道工事や各種水回りの修理に従事して35年間。大規模修繕工事の計画~実施までの対応も可能。保有国家資格(給水装置工事主任技術者、一級管工事施工管理技士、一級建築配管技能士)。2023年1月25日放送 テレ朝スーパーJチャンネルで強烈寒波の報道に出演。