
給湯器からお湯が出ない!故障の原因や対処法、修理業者の選び方を解説

富士水道センター編集部
シャワーや風呂でお湯を使っている最中に、お湯が出なくなると困りますよね。給湯器からお湯が出なくなる原因には、給湯器本体の故障・ガスの供給停止などが考えられます。場合によっては簡単な対処で直るため、お湯が出なくなったらまず症状を確認しましょう。
この記事では、給湯器からお湯が出ない場合の故障原因や対処法を解説します。よくある症状ごとに原因・対処法を記載していますので、給湯器が故障したと思ったら参考にしてみてください。
目次
給湯器が故障したら最初に確認すべきこと

お湯が出ない・水漏れしたなどの故障が発生した場合は、以下の2点を確認してみてください。どこが故障しているのか、どのような症状なのかを、ある程度把握できます。
- 故障の場所・内容
- リモコンのエラーコード
故障の場所・内容
給湯器の調子が悪くなったら、どのような症状が起こっているか最初に確認しましょう。給湯器の不調に関係する症状には、たとえば以下のようなものがあります。
- お湯が出ない
- 水漏れしている
- お湯の温度が安定しない
- 異音がする
- 異臭がする
- 自然災害の後から不具合が出た
給湯器の不調を改善する方法は、業者に依頼しなければ直らないものから、自分で簡単に直せるものまで多種多様です。症状がわかれば修理の方法も決まるので、症状を最初に確認しましょう。
リモコンのエラーコード
給湯器に異常があると、リモコンにエラーコードが表示され、異常の内容を教えてくれます。利用している給湯器メーカーのホームページを見て、異常の原因を判断しましょう。
一般的なエラーコードの一例は、以下の通りです。
エラーコード |
原因 |
111 |
給湯時の点火不良 |
140 |
給湯器の異常加熱 |
632 |
風呂の給排水不良 |
なお、「88」「888」のコードが表示された場合は、交換時期が来ているサインです。こちらはエラーコードではないため、表示されても慌てる必要はありません。
【症状1】お湯が出ない

ここからは、給湯器によくある故障の症状ごとに、故障の原因と対処法を紹介します。まず、給湯器からお湯が出ないケースを見ていきましょう。
給湯器からお湯が出ないときは、以下4つのいずれかが原因です。
- 蛇口が故障している
- 電気系統に不具合がある
- 給湯器のメンテナンスが足りない
- ガスの元栓が閉まっている
蛇口が故障している

一部の蛇口からお湯が出ない場合は、蛇口の故障が原因です。コックをひねって温度調整をするタイプの蛇口では、バルブカートリッジと呼ばれる部品が詰まったり壊れたりすると、温度調整ができなくなります。
【対処法】バルブカートリッジを清掃・交換する
蛇口のバルブカートリッジを外して清掃・交換すれば、元通りお湯が出るようになります。カートリッジに付いたゴミやカルキを落としたり、メーカーから同じカートリッジを購入して交換したりしましょう。
交換の手順は、蛇口の説明書やメーカーのホームページを参考にしてください。ただし、間違った操作をすると故障の原因になるので、カートリッジの交換が難しい場合は業者に依頼するのがおすすめです。
また、蛇口から水漏れしている場合の対処法は、以下の記事を参考にしてみてください。
電気系統に不具合がある
コンセントが抜けて電気が供給されていないと、湯沸かしができず、お湯が出ません。また、落雷や地震で停電したり、ブレーカーが落ちたりすると、同様に給湯器が動かなくなります。
【対処法】電源やブレーカーを確認する
給湯器のコンセントが抜けていないか、またはブレーカーが落ちていないかを確認しましょう。このような場合は、コンセントを差し直したり、ブレーカーを戻したりすれば復旧します。
ただし、ブレーカーを戻しても再度落ちる場合は、漏電している可能性があります。ブレーカーを落としたままにして、業者に調査を依頼してください。
また、停電している場合は、復旧までお湯の使用を控えるしか方法がありません。電気が復旧したら、再度給湯器の電源を入れましょう。
給湯器のメンテナンスが足りない
すべての蛇口からお湯が出ないときは、給湯器本体の不調が原因です。日頃から給湯器のメンテナンスをしていない場合は、水抜き栓にゴミや異物が詰まっていないか確認しましょう。
【対処法】水抜き栓フィルターを掃除する
水抜き栓を給湯器から外して掃除すれば、元通りにお湯を使える可能性があります。メーカーのホームページや説明書を参考に水抜き栓を外し、ゴミや異物を取り除きましょう。水抜き栓が固くて外れない場合は、マイナスドライバーやコインを使うと外れます。
水抜き栓フィルターを掃除してもお湯が出ない場合は、業者への依頼が必要です。日頃から水抜き栓フィルターを掃除しておけば、お湯が出なくなる症状を防げるので、定期的にチェックしましょう。
ガスの元栓が閉まっている
風呂や蛇口だけでなく、キッチンのガスコンロも使えない場合は、ガスの元栓が閉まっています。ガスの元栓は自分で閉める以外にも、安全装置によって自動で閉まるため、意図しないタイミングでガスの供給が止まる可能性もあります。
【対処法】元栓を開ける
まず、ガスコンロから火が出るかチェックして、出ない場合はガスの元栓やガスメーターを調べましょう。ガスメーターの針が止まっていれば、元栓が閉まっているので、元栓をひねって開けましょう。
ただし、震度5以上の地震・またはガスの長時間使用で元栓が閉まると、赤いランプが点滅します。このような場合は、復帰作業が必要です。以下の手順にしたがって、ガスを供給し直してください。
- すべてのガス機器を止める
- 復帰ボタンのキャップを外す
- 復帰ボタンを押す
- ランプが点灯したら手を離す
ボタンから手を離してから、3分ほどで点滅が消え、再度ガスを使えるようになります。
給湯器のメンテナンスが足りない
すべての蛇口からお湯が出ないときは、給湯器本体の不調が原因です。日頃から給湯器のメンテナンスをしていない場合は、水抜き栓にゴミや異物が詰まっていないか確認しましょう。
【対処法】水抜き栓フィルターを掃除する
水抜き栓を給湯器から外して掃除すれば、元通りにお湯を使える可能性があります。メーカーのホームページや説明書を参考に水抜き栓を外し、ゴミや異物を取り除きましょう。水抜き栓が固くて外れない場合は、マイナスドライバーやコインを使うと外れます。
水抜き栓フィルターを掃除してもお湯が出ない場合は、業者への依頼が必要です。日頃から水抜き栓フィルターを掃除しておけば、お湯が出なくなる症状を防げるので、定期的にチェックしましょう。
ガスの元栓が閉まっている
風呂や蛇口だけでなく、キッチンのガスコンロも使えない場合は、ガスの元栓が閉まっています。ガスの元栓は自分で閉める以外にも、安全装置によって自動で閉まるため、意図しないタイミングでガスの供給が止まる可能性もあります。
【対処法】元栓を開ける
まず、ガスコンロから火が出るかチェックして、出ない場合はガスの元栓やガスメーターを調べましょう。ガスメーターの針が止まっていれば、元栓が閉まっているので、元栓をひねって開けましょう。
ただし、震度5以上の地震・またはガスの長時間使用で元栓が閉まると、赤いランプが点滅します。このような場合は、復帰作業が必要です。以下の手順にしたがって、ガスを供給し直してください。
- すべてのガス機器を止める
- 復帰ボタンのキャップを外す
- 復帰ボタンを押す
- ランプが点灯したら手を離す
ボタンから手を離してから、3分ほどで点滅が消え、再度ガスを使えるようになります。
【症状2】給湯器から水漏れしている

給湯器からの水漏れを放置していると、浸水やカビ、電気火災の原因になります。水漏れを見つけたときは、以下の原因を疑ってみてください。
- 給湯器が経年劣化している
- 水道管が凍結している
- 施工不良・初期不良がある
給湯器の水漏れを見つけたときの対処法は、別記事をご参照ください。
給湯器が経年劣化している
給湯器を長年使用していると、パッキンやホースなどの部品が劣化して不具合が起こりやすくなります。とくに、10年以上使用している場合は、経年劣化による故障が起こりやすいので、早めの交換が必要です。
【対処法】給湯器を交換する
経年劣化による水漏れを解決するには、給湯器本体を交換するのがもっとも効果的です。設置から時間が経った給湯器は、内蔵されている部品が全体的に劣化しているため、部分的に交換しても効果が見込めません。
給湯器を安全に使用できる期間は、10年とされています。設置から10年を超えた給湯器は、交換を検討しましょう。設置した時期がわからない場合は、本体に記載されている製造年月日を確認してください。
水道管が凍結している
冬季で気温が下がったり、寒冷な気候の地域に住んでいたりする場合、水道管が凍結・破裂して水漏れすることがあります。気温がマイナス4度以下になっている場合は凍結のリスクが高いため、水道管の凍結による水漏れを疑いましょう。
また、水道管が凍結すると、破裂する危険もあります。凍結で水道管が破裂した際の対処法は、以下をご覧ください。
【対処法】ぬるま湯をかけて溶かす
凍結した水道管を溶かすには、水道管に布・タオルを巻きつけて、その上からぬるま湯をかけるのが効果的です。直接熱湯をかけると、急激な温度変化によって破裂が起こるため、お湯が水道管に当たらないよう注意してください。
また、水道管の水を事前に抜いたり、水を少し出しっぱなしにしたりすることで、凍結を予防できます。
水道管が凍結した場合は、破裂の危険があるため、業者に依頼して修理してもらいましょう。水道管の修理には専門的な資格が必要なので、自分で修理してはいけません。
施工不良・初期不良がある
給湯器を新しく設置したり、交換したりした後に水漏れが起きた場合は、初期不良や施工不良を疑いましょう。ガス工事の知識や技術のない業者に依頼してしまうと、工事内容に不備が出る可能性が高いため、水漏れが起きやすくなります。
初期不良や施工不良による水漏れが起きたら、実績や技術のある業者に再度修理を依頼しましょう。不適切な工事をしたまま放置していると、違法工事とみなされ、罰則が課されるケースもあります。可能な限り早期に依頼し、修理するのが大切です。
また、水漏れ以外の症状が頻発する場合も、工事による解決が可能です。たとえば、給湯器の位置・角度を変えたり、配管の長さ・径を見直したりすることで、悩まされていた症状を改善できるケースもあります。
【症状3】お湯の温度が安定しない

お湯が熱すぎたり、頻繁に水になったりして温度が安定しない原因は、以下の通りです。
- ハンドル式の蛇口を使っている
- 設定温度が適切でない
- 給湯器の年式が古い
ハンドル式の蛇口を使っている
古い家屋の蛇口は、湯と水2つのハンドルで湯温を調整する「ハンドル式」がほとんどです。このようなタイプの蛇口は水圧によって温度調整をしているため、隣人が水道を使うだけで湯温が変わってしまいます。
【対処法】サーモスタット式に取り換える
ハンドル式の蛇口で湯温が安定しない場合は、ひとつのハンドルで温度を調整できる「サーモスタット式」に取り換えるのが効果的です。サーモスタット式の蛇口は、ハンドルの角度を変えるだけで湯温を変えられるうえ、温度を一定に保てます。
ハンドル式からサーモスタット式への交換は、自分で行うことが可能です。しかし、取り付けや湯温の調整には技術を必要とするため、業者に依頼した方が安全・確実に交換できます。
設定温度が適切でない
給湯器の温度設定を自動にしていると、設定温度が低くなるケースもあります。お湯の温度が下がってぬるくなるため、温度設定の修正が必要です。
【対処法】温度設定を変更する
ぬるま湯しか出ない場合は、給湯器本体やリモコンから、温度設定を手動で変更してみてください。優先モードのある給湯器では、指定した場所以外の湯温が下がることもあるので、優先モードもオフにしてみましょう。
また、給湯器の性能が低い場合、複数の場所で一度にお湯を使うとぬるくなります。誰かが風呂やキッチンを使っているときにはお湯を使わないようにするか、より性能が高い給湯器への交換を検討するのがおすすめです。
給湯器の年式が古い
お湯を出してもすぐ水になる場合は、給湯器の性能不足が疑われます。古いタイプの給湯器は湯温が安定するまで時間がかかるため、湯を出してしばらく待ってから使いましょう。
【対処法】Q機能がついた給湯器に交換する
湯温が安定するのを待てない場合は、Q機能付きの給湯器に交換するのがおすすめです。Q機能とは、給湯時のお湯の温度差を最小限に抑え、快適にお湯を使える機能のことです。
Q機能付きの給湯器なら、給湯器内にあらかじめお湯を溜めておけるため、待たなくてもお湯を使えます。古いタイプの給湯器にはQ機能が搭載されていないため、湯温を安定させたい場合は、給湯器の交換も検討しましょう。
【症状4】異音がする

給湯器から異音がする場合は、音によって原因が異なります。以下の3つに分けて、原因と対処法を見ていきましょう。
- 「ボン」という音がする
- 「ゴー」という音がする
- 「ピー」という音がする
「ボン」という音がする
給湯器や配管から「ボン」という音がするときは、ガス漏れや不完全燃焼が起こっています。異音に加えて、ガスの臭いがしたり、黒煙が発生していたりしている場合は、火災・爆発のおそれがあり危険です。
【対処法】使用を中止する
「ボン」という音がする状態を放置すると、一酸化炭素中毒や爆発のリスクがあります。速やかに使用を中断し、業者に修理・交換を依頼しましょう。また、ガスの臭いや黒煙がある場合は、窓を開けて換気してください。
なお、給湯器からお湯を出した際にする「ボッ」という音は、着火する際の音なので不具合ではありません。ただし、音が大きい・連続して音がする場合は故障の可能性があるので、業者に依頼して調べてもらいましょう。
「ゴー」という音がする
給湯器から「ゴー」という音がするときは、ファンモーターの劣化や故障が疑われます。給排気が正常に行われていない状態であり、劣化・故障・不完全燃焼を引き起こすため、給排気口を調べてみましょう。
【対処法】給排気口を掃除する
「ゴー」という音がする際は、給排気口に異物が詰まっています。給湯器の給排気口やファンモーターを調べて、異物が詰まっていないか確認しましょう。
異物やゴミが詰まっていたら、掃除して取り除いてください。ただし、詰まりがひどい場合や、虫・小動物が詰まっていた場合は、業者に依頼するのも手段です。
「ピー」という音がする
「ピー」という笛のような音が聞こえる場合は、給湯器のファンモーターに異常があります。また、「ピー」という電子音は故障時の警告音であるため、給湯器本体の調査が必要です。
【対処法】業者にファンモーターを調べてもらう
「ピー」という音がしたまま給湯器を放置しておくと、いずれ給湯器が動かなくなります。異音が聞こえたら、業者へ早めに連絡を取り、修理・交換を依頼しましょう。
また、警告音が聞こえた場合は、リモコンのエラーコードを確認してください。エラーコードの番号を確認すれば、給湯器のどの部分で、どのような不具合が起こったか認識できます。
リモコンのエラーコードの詳しい内容は、「リモコンのエラーコード」を確認してください。
【症状5】異臭がする・煙が出る

給湯器の使用中に異臭がしたり、煙が出たりする場合も、不具合が起きている可能性があります。臭いによって症状が異なるため、以下の場合に分けて解説します。
- ガスの臭いがする
- 焦げたような臭いがする
- 酸っぱい臭いがする
ガスの臭いがする
ガスの臭いがする場合は、以下のいずれかが原因です。いずれの症状も放っておくと、一酸化炭素中毒や爆発事故のおそれがあります。
- ガス漏れ
- 給湯器の不完全燃焼
- プロパンガスの残量不足
【対処法】ガスの元栓を閉めて換気する
上記のような症状が出たら、給湯器の使用をすぐに中止し、ガスの元栓を閉めてください。その後、ガスを使用していた部屋の窓を開け、換気をしましょう。ただし、換気扇や扇風機を使うと火花が散り、引火するおそれがあるため、ガス漏れの際に使ってはいけません。
換気が完了したら、契約しているガス会社に連絡して状況を報告しましょう。ガス漏れした箇所が給湯器とは限らないため、ガス管やガスメーターを操作できるガス会社に依頼するのがおすすめです。
焦げたような臭いがする
給湯器から焦げたような臭いがする場合は、給湯器の内部に溜まったゴミやほこりが焼けているのが原因です。不完全燃焼を起こしている可能性が高いため、速やかに対処しましょう。
【対処法】給湯器の使用をやめる
焦げ臭い臭いがすると、一酸化炭素中毒や爆発、火災などのリスクがあります。ただちにガス機器の使用をやめて、部屋を換気してください。その後、ガス会社に連絡し、点検・修理を依頼しましょう。
なお、普段から手入れをしておけば、給湯器の内部にゴミやほこりを溜めずに使えます。給気口や排気口の異物を定期的に取り除いたり、業者に依頼して内部を点検してもらったりしましょう。
酸っぱい臭いがする
酸っぱい臭いは、給湯器内部の部品が腐食したときに発生します。部品の腐食を放置すると、ガス漏れをはじめとする故障の原因になるため、非常に危険です。また、臭いと同時に目に沁みるときは、一酸化炭素が発生しています。
【対処法】腐食した部品を交換する
酸っぱい臭いの対処法は、給湯器のパネルを開けて、業者に内部を確認・点検してもらうことです。腐食した部品を見つけたうえで、交換してもらう必要があります。ガス漏れが疑われるときは、換気も忘れずに行いましょう。
給湯器のパネルは自分でも開けられますが、自分で修理するのは厳禁です。ガス管やガスメーターの部品は資格を持った技術者しか触れない上、一酸化炭素中毒の危険もあります。
【症状6】自然災害の後から不具合がある

給湯器は屋外に設置されているため、自然災害の影響を受けやすくなっています。とくに、以下の災害時は不具合や故障が起こりやすいので、注意してお湯を使いましょう。
- 台風
- 大雨
- 大雪
【台風・大雨】給湯器に水が入った
台風や大雨の際は、給湯器に水が入り、ショートするケースもあります。メーカーも雨水の侵入を見越して防水テストを行っていますが、予測を超えて水が入れば、故障は免れません。
【対処法】使用を控える
台風や大雨の際にお湯を使いたい場合は、まず蛇口からお湯が出るかチェックしましょう。お湯が出れば普段通り使えますが、出ない場合は使用を控えるしかありません。
また、給湯器には浸水を検知して、お湯の供給を止める安全装置がつけられています。安全装置の作動中は点火しないため、ショートや故障のリスクは低いです。お湯は使えなくなりますが、給湯器の故障は防げます。
【台風・大雨】高湿度で点火不良を起こした
台風や大雨で湿度が上がると、給湯器内の点火装置がうまく作動しません。結果的に、点火不良を起こしてお湯が沸かせなくなり、蛇口からお湯が出なくなります。
リモコンを確認して、「111」「112」などのエラーコードが表示されていれば、点火不良と判断してよいでしょう。
【対処法】部品を交換してもらう
高湿度による点火不良が頻繁に起こる場合、湿気による部品・電気配線の腐食が疑われます。台風や大雨だけでなく、雨の日に調子が悪くなるなら、業者に依頼して点検してもらうのがおすすめです。
雨の日に起こる不調を放置していると、漏電や電気火災のリスクもあります。決まって雨の日に調子が悪くなったり、設置から10年以上経っていたりする給湯器は、交換を検討しましょう。また、雨の日の不調は、乾燥すれば自然に直るケースもあります。
【大雪】排気カバーが埋まった
大雪で雪が高く積もると、給湯器の排気カバーが埋まって、排気が正常にできなくなります。このような不具合は、給排気方向を変えるカバー(上方排気カバー)付きの給湯器で起こるケースがほとんどです。
【対処法】排気口周辺を除雪する
排気口の周辺に積雪し、給排気が正常にできなくなった場合は、除雪が必要です。排気口周辺の雪をどかして、空気の流れを確保してください。なお、隣家の屋根から落ちた雪で排気カバーがふさがれるケースもあるため、雪が止んでも油断は禁物です。
排気カバーが詰まった場合は、リモコンにエラーコード「12」や「13」と表示されます。このようなエラーコードは、排気燃焼不良や排気不良を示すコードなので、除雪が済めば消えるでしょう。もし、エラーコードが消えない場合は、業者に相談してください。
給湯器を自分で修理するのはNG

給湯器が故障したり、調子が悪くなったりしても、DIYで修理してはいけません。給湯器には水道管・ガス管の両方が通っており、いずれの修理にも専門の資格が必要です。
また、素人がインターネットや書籍などの情報を元に不適切な修理を行うと、かえって症状を悪化させる危険性もあります。違法行為とみなされ罰金が課されるリスクもあるので、基本的に素人が給湯器の修理・工事をするのはNGです。
参考:ガス事業法
素人が給湯器修理をしてもよいのは、以下に該当する場合に限ります。
- 給湯器・リモコンのエラーリセット
- 配管への保護テープ巻き
素人の修理は、水道管・ガス管・電気系統に関わらない、簡易な内容に留めておきましょう。それ以外の場合は、必ず業者に依頼してください。
給湯器の修理・交換を業者に依頼する際のポイント
給湯器の修理を依頼する業者選びに迷ったら、以下のポイントを参考にしてみてください。
- 資格を持っているスタッフが対応してくれる
- 実績がある
- 事前の説明や見積もりが細かい
- スタッフの応対は丁寧
- アフターサービスや保証が充実している
資格を持っているスタッフが対応してくれるか
給湯器はガス・水道に関わる設備なので、素人が修理すると自宅だけでなく、近隣住民にも影響する可能性があります。業者に所属しているスタッフが、必要な資格を保有しているか確認しましょう。
具体的には、以下のような資格が求められます。
- 給水装置工事主任技術者
- 液化石油ガス設備士
- ガス可とう管接続工事監督者
- ガス機器設置スペシャリスト
このほか、電気系統の不備がある場合は、「電気工事士」といった資格も必要です。業者は、ホームページや広告などで資格を保有していると宣伝しているケースが多いので、依頼する前に調べてみましょう。
実績があるか
業者が確かな技術を持っているかも、選定の大事なポイントです。業者のホームページに記載されている評判や、口コミサイトで実際に交換対応を受けた方の口コミを探してみましょう。
口コミを探す際は、サービス利用者の投稿が多い「Yahoo!ロコ」や「Googleビジネスプロフィール」がおすすめです。
なお、民間の業者では、給湯器の修理は受けられません。給湯器の修理を依頼したい場合は、給湯器のメーカーに連絡を取りましょう。
事前の説明や見積もりが細かいか
給湯器の修理・交換は専門性が高く、素人には理解の難しい言葉や内容が多く含まれます。そのような状況を利用して、不適切な追加料金を請求したり、詳しい修理内容を明かさない悪徳な業者もいるのが現状です。
業者に給湯器の交換を依頼する前に、修理内容をわかりやすく説明してくれるか、見積もりを細かくしてくれるかを確認しましょう。また、「追加料金なし」「現地で状況を見てから見積もり」などと宣伝している業者を選ぶのも、よい方法です。事前の説明や見積もりが細かいか
給湯器の修理・交換は専門性が高く、素人には理解の難しい言葉や内容が多く含まれます。そのような状況を利用して、不適切な追加料金を請求したり、詳しい修理内容を明かさない悪徳な業者もいるのが現状です。
業者に給湯器の交換を依頼する前に、修理内容をわかりやすく説明してくれるか、見積もりを細かくしてくれるかを確認しましょう。また、「追加料金なし」「現地で状況を見てから見積もり」などと宣伝している業者を選ぶのも、よい方法です。
スタッフの応対は丁寧か
スタッフへの教育が行き届いた企業は、対応内容がマニュアル化されているため、応対が丁寧です。依頼時の電話口でスタッフの応対を聞いて、以下のポイントをチェックしてください。
- 故障の内容を詳しく聞かれた
- 出張費や点検費用の扱いについて説明された
- 質問に細かく対応してもらえた
応対が丁寧な業者を選べば、安心感や信頼感も得られるほか、トラブルも抑えられます。修理や交換を依頼する際は、応対が丁寧な業者を選ぶのがおすすめです。
アフターサービスや保証が充実しているか
給湯器を一度修理しても、再度同じ故障を繰り返すケースも少なくありません。修理後に不具合が起こった場合に備えて、アフターサービスや保証が手厚い業者に依頼するのがおすすめです。
また、アフターサービスや保証の充実している業者は、自分たちの技術や扱う製品の品質に自信を持っていると考えられます。適切に修理してもらい、不具合に備えるためにも、アフターサービスや保証内容を確認してから依頼しましょう。
給湯器の故障を予防する方法

給湯器の故障を完全に防ぐことは難しいですが、少しでも長持ちするよう、故障を予防する方法があります。日頃から以下の点に注意し、給湯器を大切に扱いましょう。
- 給湯器の周りに物を置かない
- 入浴剤を使うときは成分に注意する
- 掃除やメンテナンスを定期的に行う
給湯器の周りに物を置かない
給湯器の給排気口前にものを置くと、給気や排気が万全にできなくなり、給湯器に負担がかかります。内部の熱を十分に逃がせず、不完全燃焼を起こすリスクもあるので、非常に危険です。
また、給湯器の排気温度は200度近くになることもあるため、周辺に可燃物をおいてはいけません。周辺に塀や植物があるときは、給湯器に排気カバーを付けて対策しましょう。
入浴剤を使うときは成分に注意する
風呂で使う入浴剤の成分によって、給湯器や配管が傷むケースもあります。以下の物質が含まれた入浴剤は、配管にダメージを与える可能性があるので、使用後は忘れずに掃除しましょう。
入浴剤の成分 |
予想される被害 |
---|---|
硫黄・塩分 |
化学反応して、金属部品が腐食する |
酸化チタン |
研磨材のはたらきをするので、給湯器や浴槽が劣化する |
炭酸ガス |
泡が循環経路に入ると、正常に動作しなくなる |
また、上のような成分の入浴剤を使用する際は、追い炊き機能の使用を控えてください。
掃除やメンテナンスを定期的に行う
給湯器のフィルターや配管に汚れが溜まると、給湯器が本来の性能を発揮できないため、掃除・メンテナンスをこまめに行いましょう。浴槽だけでなく、配管周りも定期的に掃除するのが大切です。
また、台風や大雨の後は、給湯器内のほこりやゴミが湿気を帯びて、不具合が起きやすくなります。自然災害の後は、給湯器を点検するのがおすすめです。
生活環境に合った給湯器を使う
給湯器には、お湯を出す能力が異なる複数の大きさがあります。家で生活する人数によって、適した給湯器の性能が異なるため、生活環境に合った給湯器を選びましょう。
給湯器選びに迷ったら、以下を参考にしてみてください。
性能(号数) |
生活人数 |
---|---|
16号 |
単身 |
20号 |
2~3人 |
24号 |
3~5人 |
家庭用の給湯器は、16号・20号・24号のいずれかを選ぶケースが大半です。生活している人数やお風呂の使用頻度・時間にあった給湯器を使うことで、ムダなガス消費や、給湯器の負担を抑えられます。
給湯器の修理・交換は業者に依頼しよう

給湯器の修理・交換には専門の資格が必要なので、基本的に自分で修理してはいけません。自分でできる修理内容は、エラーからの復旧や、保護テープを巻くといった簡易なものに留めておきましょう。
記事の監修者

島尻 博富士水道センター
水道工事や各種水回りの修理に従事して35年間。大規模修繕工事の計画~実施までの対応も可能。保有国家資格(給水装置工事主任技術者、一級管工事施工管理技士、一級建築配管技能士)。2023年1月25日放送 テレ朝スーパーJチャンネルで強烈寒波の報道に出演。