すっぽん(ラバーカップ)はトイレの水が流れないときの救世主！正しい使い方と注意点まとめ

トイレ詰まりのサインはこの3つ

スッポンを使う前に、まずは本当に詰まっているのかを簡単にチェックしましょう。

代表的なサインは次の3つです。

水の流れが弱い	水位が一度上がり、その後ゆっくりしか下がらない
ゴボゴボ音がする	排水経路が狭くなり、空気が押し戻されている
ペーパーのカスが戻る	トイレットペーパーが溶け切らず逆流している

この3つのうちどれか1つでも当てはまれば、スッポンで改善できる可能性があります。

ただし、異物を落とした心当たりがある場合はスッポンより先に原因の確認が必要です。

トイレのつまりはスッポンで直せる？直せるケースと直せないケース

トイレがつまったとき、まず思いつくのがスッポン（ラバーカップ）ですよね。

ただ、スッポンで直せる詰まりと、まったく直らない詰まりがはっきり分かれます。ここを見誤ると、逆に状況を悪化させてしまうため、最初に見極めておくことが大切です。

以下では「直せるケース」と「直せないケース」を具体的に整理していきます。

直せるケース（スッポンが効果を発揮しやすい詰まり）

まずは直せるケースを見ていきましょう。

これらのつまりは、スッポンでつまりを解消できる可能性があります。

トイレットペーパーの詰まり

もっとも成功率が高いのがこのタイプです。

トイレットペーパーは水に馴染むため、スッポンの「引く力」が加わると動きやすく、比較的短時間で改善しやすい詰まりといえます。

排泄物による軽度の詰まり

勢いよく流れなかった、流すタイミングが重なった、などの軽い詰まりはスッポンで解消しやすい状態です。

便器内の水位が上下しながらゆっくり引いていく症状が典型的です。

流せる掃除シートを少量流してしまったケース

一度に大量でなければ、吸引力でほぐしながら動かせます。

ただし「厚手タイプ」を複数枚流している場合は後述の“直らないケース寄り”と考えたほうが安全です。

直らない可能性が高いケース（スッポンでは解消できない詰まり）

続いて、直らない可能性が高いケースを紹介します。

これらのケースの場合は、業者に相談するのがおすすめです。

おもちゃ・生理用品・スマホなどの“異物”

便器の奥や排水管に固形物が引っかかっている場合、スッポンは逆効果になりやすいです。

力をかけることで異物がより奥に押し込まれ、最終的に配管で完全につまり、修理が大がかりになってしまうことがあります。

節水トイレで水量不足のまま流した詰まり

節水トイレは構造上、排水経路が細いものが多いため、スッポンでは負荷が足りない場合があります。

このタイプは圧力よりも“水の量”が重要になるので、内部に残った固形物が動きにくい傾向があります。

排水管側で詰まりが起きているケース

屋外の排水管や排水桝で詰まっている場合、便器でいくら吸引しても改善されません。

水を流すと「ゴボゴボ」と音が続き、便器の水位が戻りにくいときは配管側が原因である可能性が高い状態です。

何度試しても改善しない詰まり

スッポンを正しい手順で10分ほど繰り返しても改善の兆しがない場合、原因は便器より奥にあります。

これ以上続けると、便器の破損や逆流につながりかねないため、作業は一度中断したほうが安全です。

すっぽん（ラバーカップ）とは？主な種類は3つ

すっぽん（ラバーカップ）の主な種類は、以下の3つです。

用途だけでなく、サイズやデザインもさまざまなものがあります。

そのため、特徴をしっかり理解し、トイレに合ったすっぽんを選ぶのが重要です。

では、それぞれの特徴について見ていきましょう。

1.和式トイレ用

出典：amazon.co.jp

和式トイレ用のすっぽんは、ラバー部分の形状がおわん型で、内側が空洞になっているのが特徴です。

トイレ用のすっぽんと聞くと、多くの人が思い浮かべるタイプでしょう。

1,000円程度の手頃な値段で購入できる点が魅力です。

トイレだけでなく、洗面台やキッチンのシンクなど、さまざまな排水溝の詰まりにも利用可能です。

2.洋式トイレ用

出典：amazon.co.jp

洋式トイレは和式トイレに比べて、排水口が狭いのが特徴です。そのため洋式トイレ用のすっぽんには、排水口にフィットするように先端に突起がついています。

突起が洋式トイレの狭い排水口にフィットするため、しっかりと吸着できるのが魅力です。

最近はほとんどの家庭が洋式トイレを利用しているため、多くの人に使われているすっぽんと言えるでしょう。

3.節水トイレ用

出典：amazon.co.jp

節水トイレ用のすっぽんは、和式用に帽子のつばが付いたような形をしています。

つばがあることで、さまざまな形状のトイレでも使える汎用性の高さが魅力です。

節水型のトイレは使用する水の量が少ないため、通常のトイレよりも詰まりやすいというデメリットがあります。

そのため、節水型のトイレを利用している家庭は、節水トイレ用のすっぽんを準備しておくといいでしょう。

「そもそもうちは節水トイレなのかわからない……」という方は、水の流れ方をチェック。

水がまっすぐに排水口に向かって流れていくのは通常のトイレ、うずを絵描くように流れていくのは節水トイレです。

迷ったら節水トイレ用！

自宅のトイレがどのタイプかわからない方もいるのではないでしょうか。

どのスッポンを買えばいいのか迷った方は、節水トイレ用がおすすめです。

節水トイレ用は汎用性があり、さまざまなタイプのトイレに適合します。

「うちのトイレは洋式？節水型？」と迷っている方は、節水トイレ用のすっぽんをチェックしてみてください。

すっぽんは100均でも買える

すっぽんは1,000円程度で購入可能ですが、100円均一のお店でも購入できます。

ただし、100均のすっぽんは大半が和式トイレ用で、洋式トイレ用や節水トイレ用はほとんどありません。

参考までに、すっぽんを100均で購入するメリット・デメリットをまとめました。

メリット	デメリット
・値段が安い ・手軽に購入しやすい ・気軽に使い捨てできる	・耐久性が低い ・洋式や節水トイレ用がほぼない

簡単な詰まりであれば、100均のすっぽんでも十分解消できるため、一度購入してみるのもいいでしょう。

すっぽんで詰まりを解消できない場合は、すっぽん以外の方法を試したり、業者に頼んだりすることも検討しましょう。

【要注意】トイレつまり修理の費用相場はいくら？高すぎる見積もりを回避するための完全ガイド

すっぽんの正しい使い方

トイレの詰まりを解消する際の、すっぽんの正しい使い方は、以下の手順です。

動画で簡単に解説しているので、あわせて参考にしてください。

また以下のものを事前に準備しておきましょう。

それでは、具体的な方法を順番に解説します。

止水栓を閉める

すっぽんでトイレのつまりを解消する前に、まずは便器の水があふれないよう止水栓を閉めます。

止水栓とは、トイレの水の流れをコントロールしている部分で、止水栓を閉めることで水が流れなくなります。

タンク付近の壁や床、便座の横などに設置してあるので、探してみてください。

止水栓には、主に以下の2種類の形状があります。

どちらのタイプも右に回すと止水栓を閉められます。

閉めた後は、水洗レバーを回して水が流れないか確認してみてください。

トイレが詰まった状態で、誤って水を流した場合、汚水が溢れてしまい不衛生です。

詰まりを解消する作業の前には、必ず止水栓を閉めておきましょう。

便器内の水の量を調節する

止水栓を止めたら、便器内の水を適切な量に調節しましょう。

すっぽんはカップ部分をすべて水に浸し、便器に密着しやすい状態にすることで、効果的に力を伝えられます。

便器にしっかり密着すれば、カップ内が真空状態になり、高い圧力をかけられます。

そのためすっぽんを使う際は、カップ部分をすべて水に浸けるのがポイントです。

また実際に調節するときには、バケツのような入れ物を準備しておくと便利です。

便器内の水量が少ない場合は水を追加し、水量が多い場合は水を捨てて調節しましょう。

床や壁を養生する

すっぽんを使う前に、ビニールや新聞紙でトイレ周りの床や壁を養生しておきましょう。

便器内の汚水が飛び散っても、ビニールや新聞紙を捨てるだけで済むため、作業後の手間を減らせます。

また、大きめのビニール袋に穴を開けて、すっぽんの柄の部分を通して使用すれば、水の飛び散りを最小限に抑えられます。

ビニール袋は家にあるゴミ袋で問題ありません。

排水管が詰まることで汚水が逆流する可能性があります。

汚水が体や顔などに付くと不衛生なため、水の飛び散り対策は確実にしておきましょう。

ちょっとした事前準備が、作業をスムーズにしてくれます。

すっぽんで詰まりを解消する

実際にすっぽんを使って、詰まりを解消していきます。使用手順は、以下のとおりです。

すっぽんを使う際のポイントは、押し込む動きよりも、引く動作に意識を集中させることです。

詰まった異物が小さい場合は、すっぽんの力で引き出されるため、すぐに取り除きましょう。

その際に手が使えるよう、ゴム手袋を事前に着用しておくといいでしょう。

以下の動画も参考にしてみてください。

バケツで水を流して詰まりを確認する

すっぽんで詰まりが解消したと感じても、まだ異物が完全に取れていない可能性があります。

そのため、すっぽん使用後は、レバーで水を流すのは避けてください。

まずはバケツを使って、少しずつ便器に水を流してみましょう。

その際に水位が上昇しないようであればレバーを使用し、いつもどおり水を流しても大丈夫です。

2〜3回ほど水を流しても水位が上昇しないようであれば、詰まりを解消したと判断して問題ありません。

そのときに、トイレットペーパーのカスが浮いたり、変な音がしたりする場合は、再度同じ手順を繰り返してください。

それでも詰まりが解消しない場合は、業者への相談も検討しましょう。

すっぽん使用後のお手入れと保管方法

すっぽんは便器内の汚水につけて使用するため、雑菌や汚れが付着します。

そのため、使用後に付着した汚れや雑菌をそのままにせず、お手入れをする必要があります。

また適切な方法で保管しないと、カビが生えたり、他の場所に雑菌が付着したりするおそれがあるでしょう。

ここでは、すっぽん使用後の適切なお手入れと保管方法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

 

お手入れのやり方

すっぽん使用後は、以下2つのお手入れを徹底しましょう。

すっぽんを洗う際は、水で洗い流すだけでOKです。

すっぽんは汚れが付きにくいように加工されているため、流水だけでも汚れを十分洗い落とせます。

「洗剤や漂白剤などを使ったほうが綺麗になるのでは？」と思う方もいるかもしれませんが、すっぽんのゴム部分を劣化させる原因となり、吸引力も低下するのでやめておきましょう。

水で洗い終わったら、天日干しでしっかり乾かしてください。

天日干しは殺菌効果があり、すっぽんを衛生的に保つために重要なポイントです。

水分が残った状態でケースや袋に入れて保管すると、雑菌や臭いが発生しやすくなるため、使用後は必ず天日干しで水気が完全に取れるまで乾かしましょう。

保管方法

すっぽんの保管方法は、主に以下の3つです。

床に直接置く保管方法はもっとも楽で経済的ですが、雑菌が床に付着し、見栄えがしないというデメリットがあります。

バケツで保管する際はビニール袋に入れておき、使用のたびにビニール袋を替えれば、衛生的かつ楽に保管できます。

ただし、ビニール袋に入れる前に、天日干しで確実に水気を取ることを忘れないようにしましょう。

専用ケースを使う場合は、臭い防止効果を期待できるカバー付きがおすすめです。

ただしビニール袋と同様、密封状態になるため、保管前はしっかりと乾燥させることが大切です。

すっぽん以外で代用できるトイレ詰まりの直し方

すっぽん以外で、トイレの詰まりを解消するには、以下の方法で代用できます。

まずはすっぽんで詰まり解消を試みて、難しい場合は、上記のような別の代用策を参考にしてみてください。

もし自力での解消が難しい場合は、専門業者への相談を検討しましょう。

代用策に関する詳しい内容については、以下の記事で解説しています。

自力でトイレの詰まりを解決するときに注意したいこと

トイレ詰まりの解決策をいくつか紹介しましたが、いずれの方法も無理に行わないようにしてください。

無理に自力で詰まりを解消しようとすると、状況が悪化してしまう恐れがあります。

以下の動画では、自力でトイレ詰まりを解消するときのポイントをまとめています。

あわせて参考にしてみてください。

トイレのつまり×すっぽん｜よくある質問（FAQ）

最後に、トイレのつまりをすっぽんで直したい方からよく寄せられる質問をまとめていきます。
ぜひ参考にしてください。

Q1. トイレのつまりは本当にすっぽんで直せますか？

A1. 軽度のつまりであれば、すっぽん（ラバーカップ）で十分に解消できます。排水口に密着させて「引く」動作を意識すると効果的です。異物が原因の場合は、無理せず業者に相談しましょう。

Q2. すっぽんを使うと逆効果になることはありますか？

A2. 間違った使い方をすると、汚水が飛び散ったり、異物が奥に押し込まれたりして逆効果になることがあります。使用前に止水栓を閉め、正しい手順でゆっくり行いましょう。

Q3. 100円ショップのすっぽんでも使えますか？

A3. 100均のすっぽんでも軽いつまりには効果があります。ただし耐久性が低く、洋式や節水トイレには合わない場合があるため、用途に合った形状を選びましょう。

Q4. すっぽんを使っても直らない場合はどうすればいいですか？

A4. 異物が奥に詰まっていたり、排水管に原因がある可能性があります。無理に作業を続けると悪化するため、早めに水道修理業者に依頼するのが安全です。

Q5. トイレのつまりを予防する方法はありますか？

A5. 一度に大量のトイレットペーパーを流さないことが大切です。流せるお掃除シートや生理用品は少量ずつ流し、定期的に排水口の様子をチェックしましょう。

Q6. スッポンは何回くらい試せばいいですか？

A. 正しい手順で5〜10分ほど続けるのが目安です。
数回で動き始めるケースが多いため、まったく手応えがない場合は別の原因を疑ったほうが安全です。

Q7. 100円ショップのスッポンでも詰まりは直せますか？

A. 軽い詰まりなら解消できます。
ただし耐久性や密着力が弱いため、洋式トイレや節水トイレでは吸引力が足りないことがあります。

Q8. スッポンがない場合はどうすればいいですか？

A. 応急処置として「ビニール袋をかぶせた棒」「ラップ密封法」などがあります。
ただし効果は限定的なため、スッポンを用意してから作業したほうが確実です。

Q9. スッポンで水が飛び散ってしまいました。どう片付ければいいですか？

A. 汚水は雑菌が多いため、次亜塩素酸系の漂白剤を薄めて床を拭き取ります。
最後に乾かしておくと臭い残りを防げます。

Q10. スッポンを使ったあと、水位が下がるのに時間がかかります。まだ詰まっていますか？

A. 水位がゆっくり戻る場合は、詰まりが半分だけ動いている状態です。
この場合はもう一度スッポンで数回試すと改善するケースが多いです。

Q11. 賃貸でトイレが詰まった場合、スッポンを使っても問題ありませんか？

A. スッポンの使用自体は問題ありません。
ただし水漏れやあふれた場合に床材へ影響することがあるため、心配なら管理会社にも連絡しておくと安心です。

Q12. スッポンで直らないと判断すべきタイミングは？

A. 以下のどれかに当てはまるときは、自力での解消が難しい状態です。

この場合は無理に続けず、専門業者へ相談したほうが安全です。

トイレの詰まりがすっぽんで直せない場合は業者に依頼しよう

すっぽんはトイレの軽い詰まりであれば、十分解消できる優れものです。

ただ、すっぽんだけでは詰まりを解消できないケースもあります。

そのため、すっぽん以外の詰まりを解消する方法を試してみるのもいいでしょう。

しかし、さまざまな方法を試しても、詰まりが解消されない場合があります。

また、慣れていない方が自分で直そうとすると、詰まりが悪化してしまう可能性も考えられるでしょう。

そのため、確実に詰まりを解消したい場合は、専門の業者に依頼することをおすすめします。

富士水道センターでは、トイレの詰まりをはじめとした水回りのトラブルに対応しています。

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