
水圧が低いのはなぜ?|プロが教える原因別チェックリストと自分でできる改善策
水のトラブル
更新日 : 2026年07月09日

富士水道センター編集部
シャワーの勢いが弱い、蛇口からちょろちょろしか出ない――そんな「水圧が低い」トラブルは、原因が一つとは限りません。
この記事では、元栓やストレーナーの確認といった自分でできる対処法から、給湯器・配管・マンション設備の問題まで、原因別に分かりやすく解説します。
水圧が低い状態には大きく2つのパターンがある

水圧が低いと感じたとき、まず確認したいのは「以前からずっと低かったのか」「途中から弱くなったのか」という点です。
この2パターンによって、原因の方向性がまったく異なってきます。
正しい原因にたどり着くための第一歩として、現在の状況を整理するところから始めましょう。
元々水圧が低い場合——立地・建物構造が原因
引越し当初からずっと水圧が低いという場合、住まいの立地や建物の給水方式が原因であることが多いです。
浄水場から供給される水道管の水圧は、地上3階程度の高さが限界です。
重力の影響があるため、高い階になるほど自然に水圧は下がります。
4階以上のマンションでは一般的に給水ポンプで水圧を確保していますが、3階建ての建物では給水ポンプを設置していないケースもあり、水圧が弱くなることがあります。
また、高台に建つ住宅や、地域全体の水道圧が低いエリアも同様です。
こうした構造的・環境的な原因に対しては、給水ポンプの新設や増設が改善策となります。
新築なのに水圧が低い場合——元栓の絞りを確認
新築に引越したばかりで水圧が低い場合は、メーターバルブ(元栓)が絞られたままになっている可能性があります。
工事作業員が「水圧が強すぎる」「水が跳ねる」と判断して元栓を意図的に絞ることがあるためです。
水道メーターの横に設置されているメーターバルブを確認し、反時計回りに回して全開になっているかを確かめてみましょう。
この確認だけで水圧が改善するケースも少なくありません。
途中から徐々に・急に水圧が低くなった場合
以前は問題なかったのに最近になって水圧が弱くなったというケースは、水回りトラブルとして最も多いパターンです。
こちらは機器の劣化、部品の詰まり、バルブの半開きなど、様々な原因が考えられます。
次のセクションからは、このパターンに絞って原因を詳しく掘り下げていきます。
水圧が低い原因を場所・症状別に整理する

水圧低下の原因は「家全体で弱いのか」「特定の場所だけ弱いのか」「お湯だけ弱いのか」によって大きく異なります。
まず症状を絞り込むことで、原因の候補をぐっと少なくできます。
以下の表を参考に、ご自宅の状況に当てはめて確認してみましょう。
| 症状 | 発生場所 | 考えられる主な原因 |
|---|---|---|
| 全体的に水圧が弱い | 家中の蛇口すべて | 元栓の半開き、配管の老朽化、地域の水道工事 |
| キッチンだけ水圧が弱い | 台所の蛇口 | 止水栓の半開き、フィルター詰まり、浄水器の目詰まり |
| シャワーだけ水圧が弱い | 浴室のシャワー | シャワーヘッドの詰まり、給湯器の不具合 |
| お湯だけ水圧が弱い | 蛇口全般(お湯側) | 給湯器のフィルター詰まり、給湯器の故障・容量不足 |
| 朝夕だけ水圧が弱い | 家全体 | 使用量の集中、地域の水道圧変動 |
| 水道代が急に高くなった | 特定なし | 配管の水漏れ・破損 |
水圧が低い主な原因を詳しく解説

症状の場所が絞れたら、次は原因を一つひとつ確認していきましょう。
ここでは頻度の高い原因を中心に、仕組みと影響をわかりやすく解説します。
給水管の老朽化によるサビの詰まり
築年数の古い住宅では鉄製の給水管(鉄管)が使われていることがあります。
鉄管は経年劣化でサビが発生しやすく、サビが成長すると水の通り道を物理的に狭めてしまいます。
ひどい場合には給水管の口径の多くをサビが塞いでしまうこともあり、水量が著しく低下します。
築20年以上の戸建てやマンションにお住まいで、家全体の水圧が低い場合はこの原因を疑う価値があります。
配管内部は目視できないため、専門業者による点検・配管交換が必要になるケースがほとんどです。
メーターバルブ・止水栓が半開きになっている
家全体の水圧が弱い場合、水道メーター横のメーターバルブ(元栓)が全開になっていない可能性があります。
直近で水道修理を行った場合は特に要確認です。
一方、キッチンや洗面所など特定の場所だけ弱い場合は、その箇所に取り付けられている止水栓が半開きになっていることが多いです。
止水栓はシンク下や洗面ボウル下、壁付水栓なら偏心管部分に設置されており、マイナスドライバーで回して調整できます。
反時計回りに回して全開になっているかを確認し、半開きであれば止まるまで開けば水圧が回復することがあります。
ストレーナー(フィルター)の目詰まり
蛇口、シャワーヘッド、トイレタンクなどにはストレーナーと呼ばれるゴミ受けの目皿が取り付けられています。
水の中に含まれるサビや小さな異物がここに溜まると、水の通り道が狭くなって水圧が弱くなります。
給水管が塩ビ管であっても、止水栓や接続管など所々に金属部品が使われているため、年数が経つとサビが発生してストレーナーに溜まることがあります。
清掃方法は古い歯ブラシでこすり洗いするだけでよく、自分でできる対処法の中でも最も効果が期待できる方法の一つです。
なおストレーナーの位置は機器によって異なるため、下の表を参考にしてください。
| 場所・水栓タイプ | ストレーナーの位置 |
|---|---|
| キッチン(台付混合水栓) | 吐水口、給水・給湯管との接続部 |
| キッチン(壁付混合水栓) | 吐水口、偏心管 |
| 浴室(壁付混合水栓) | 吐水口、偏心管、シャワーヘッドの接続部 |
| 洗面所(台付混合水栓) | 吐水口、給水・給湯管との接続部 |
| トイレ | ボールタップと給水接続管の接続部、タンク内ダイヤフラム下 |
給湯器の容量不足・内部部品の故障
お湯の水圧だけが弱い場合は、給湯器が原因である可能性が高いです。
給湯器には「号数」という容量の単位があり、16号・20号・24号などがあります。
号数は「1分間に水温+25℃のお湯を出せる湯量(リットル)」を表しており、家族が多い世帯に対して号数が小さい給湯器を使っていると、同時使用時に水圧が落ちます。
また、給湯器の内部部品(減圧弁・圧力調整弁・水量サーボなど)が経年劣化や故障によって正常に動作しなくなると、水圧が不安定になったり急に弱くなったりします。
給湯器の設置から10年以上が経過している場合は、修理よりも本体交換が推奨されることが多いです。
マンションの給水ポンプの不具合
マンションなど集合住宅に住んでいて家全体の水圧が低い場合は、建物の給水ポンプに問題が生じている可能性があります。
マンションの給水方式には揚水ポンプ、加圧ポンプ、増圧ポンプ(ブースターポンプ)の3種類があります。
加圧ポンプや増圧ポンプを採用しているマンションでは、ポンプに不具合が起きると水圧の低下に直結します。
また、朝夕の混雑時間帯に多くの住戸が同時に水を使うと、使用量が供給量を一時的に超えて水圧が下がることもあります。
マンション居住者がこうした症状を感じた場合は、自分では対処できないため、管理組合または管理会社に速やかに連絡することが必要です。
近隣・自治体の水道工事による一時的な低下
周辺地域で水道工事が行われているときも、一時的に水圧が低くなることがあります。
この場合は工事が終われば自然に回復するため、すぐに業者を呼ぶ必要はありません。
まず自治体のホームページや水道局の公式サイトで断水・減圧の予定を確認し、しばらく様子を見ることが賢明です。
数日経っても改善しない場合は、他の原因を疑って調査を進めましょう。
エコキュートと水圧が低い問題——仕組みと最新事情

エコキュートを使っているご家庭では、水圧の低さが特に気になるという声がよく聞かれます。
ここではエコキュート特有の水圧問題の仕組みと、近年の技術的な改善について詳しく説明します。
なぜエコキュートは水圧が低いのか
エコキュートは「貯湯式」という給湯方式を採用しており、1日に使う分のお湯を貯湯タンクに溜めておく仕組みです。
この貯湯タンクは高い水圧に耐えられる構造ではないため、タンクの破損を防ぐために「減圧弁」という安全装置が取り付けられています。
この減圧弁によって水道からの水圧が大幅に下げられ、エコキュートから出るお湯の水圧はおよそ170〜190kPa程度になります。
一方、水道直圧式のガス給湯器は水道管の圧力をそのまま利用するため、約500kPaという高い水圧を維持できます。
この仕組みの違いが「エコキュートは水圧が弱い」というイメージの根本的な原因です。
最新エコキュートは水圧タイプで選べる時代に
かつては水圧の弱さがエコキュートの弱点とされていましたが、技術の進歩によって現在は複数の水圧タイプが選べるようになっています。
| タイプ | 水圧の目安 | おすすめの環境 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 高圧タイプ(標準) | 170〜190kPa | 2階建て住宅 | 節水性・コスト優先、肌に優しい水流 |
| パワフル高圧タイプ | 280〜320kPa | 3階建て住宅・大家族 | 同時使用でも水圧が落ちにくい |
| 水道直圧タイプ(日立ナイアガラ出湯) | 550kPa | 3階以上・水圧重視 | 業界最強水圧、飲用可能、ガス給湯器と同等以上 |
特に水圧を重視したい場合は「パワフル高圧タイプ」以上を選ぶと、ガス給湯器に近い使用感が得られます。
また、日立の「ナイアガラ出湯」は貯湯式でありながら給湯部分は水道圧をそのまま利用する独自技術を採用しており、500kPaという業界トップクラスの水圧を実現しています。
既存のエコキュートで今すぐ水圧を上げる7つの方法
買い替えを検討する前に、現在使っているエコキュートで試せる改善策があります。
以下の方法を順番に試してみてください。
- 給湯設定温度を50〜60℃に上げる(混合水栓の場合、水道圧が加わって体感水圧が増す)
- 低水圧用シャワーヘッドに交換する
- 止水栓が全開になっているか確認する
- シャワーヘッド・蛇口先端のフィルターを掃除する
- 家族でお湯の同時使用を避けるよう調整する
- 給湯加圧ポンプを専門業者に設置してもらう
- 10年以上使用している場合は高圧タイプへの交換を検討する
低水圧用シャワーヘッドは市販品で1,000円台から購入でき、取り付けも簡単なため、最も手軽に試せる改善策として多くの方に選ばれています。
設定温度を上げる方法は水道代・電気代がわずかに増える可能性があるため、効果を確認しながら調整してください。
自分でできる水圧改善のチェック手順

水圧が低いと感じたとき、どの順番で確認すればよいかを整理します。
以下の手順に沿って確認することで、原因の特定と自己解決が効率よく進みます。
ステップ1:水圧が弱い場所を特定する
まず「家全体で水圧が弱いのか」「特定の場所だけか」「お湯だけか水も弱いか」を確認します。
家全体で弱い場合は元栓・給水ポンプ・配管が、特定の場所だけの場合は止水栓・ストレーナー・器具の故障が原因候補となります。
お湯だけ弱い場合は給湯器側のトラブルを疑います。
この絞り込みだけで、無駄な確認作業をかなり省くことができます。
ステップ2:メーターバルブと止水栓を確認する
家全体で水圧が低い場合は、まず水道メーター横のメーターバルブを確認してください。
反時計回りに回してみて1回転以上動く場合は半開きの可能性があります。
止まるまで回して全開にした後、水を出して水圧が戻るかを確認しましょう。
特定の場所だけ水圧が低い場合は、その器具近くの止水栓を同様の手順で確認します。
新居への引越し直後や設備工事の直後はこの半開き状態になりがちなため、特に注意が必要です。
ステップ3:ストレーナーを取り出して清掃する
元栓・止水栓に問題がなければ、次はストレーナーの詰まりを確認しましょう。
シャワーヘッド、蛇口の吐水口、偏心管などにあるストレーナーを取り外し、古い歯ブラシでサビやゴミを除去します。
清掃の際は洗面台などで水を流しながら作業すると目皿を排水口に落とす危険があるため、バケツの中で行うことをお勧めします。
掃除後に水圧が改善した場合は、定期的な清掃を習慣にするとよいでしょう。
ステップ4:自分で解決できない場合は専門業者へ
上記のステップをすべて試しても改善しない場合は、配管の老朽化や給湯器の内部故障など、専門的な対応が必要な原因が考えられます。
特に築20年以上の住宅、マンション全体での水圧低下、水漏れの形跡(水道代の急増・壁や床の湿気など)がある場合は、早めに業者へ相談することが大切です。
放置すると配管トラブルや設備故障が拡大し、修理費用がさらに増えるリスクがあります。
修理・交換が必要な場合の費用の目安

自分での対処が難しいと判断した場合、どの程度の費用がかかるかを把握しておくと業者への相談もスムーズになります。
| 対応内容 | 自分で行う場合 | 業者に依頼する場合 |
|---|---|---|
| シャワーヘッドの交換 | 1,000〜30,000円 | 12,000〜40,000円 |
| 混合水栓の交換 | 10,000〜40,000円 | 35,000〜70,000円 |
| 水栓部品の交換 | 2,000〜5,000円 | 15,000〜30,000円 |
| 給湯器フィルター清掃・点検 | — | 8,000〜15,000円 |
| 給湯器の減圧弁・水比例弁交換 | — | 20,000〜40,000円 |
| ガス給湯器(追焚きあり)の交換 | — | 15〜25万円 |
| エコキュート(標準モデル)の交換 | — | 35〜55万円 |
| エコキュート(高圧パワー給湯モデル)の交換 | — | 40〜65万円 |
給湯器やエコキュートの交換は高額になりますが、省エネ性能の高い機器に交換することで国や自治体の補助金が利用できるケースもあります。
交換を検討する際は補助金制度の有無も合わせて確認することをお勧めします。
まとめ
水圧が低いと感じたら、まず「家全体なのか特定の場所だけなのか」「お湯だけなのか」を確認することが重要です。
元栓・止水栓の半開き、ストレーナーの詰まりは自分で解消できるケースが多く、低水圧用シャワーヘッドへの交換も手軽で効果的な対策です。
マンションの給水ポンプの不具合や配管の老朽化、給湯器の故障は専門業者への相談が必要です。
エコキュートの水圧の低さは仕組み上の特性ですが、最新モデルではパワフル高圧タイプや水道直圧タイプも選べるようになっています。
自分でできる確認を一通り試し、それでも改善しない場合は早めに専門業者へ相談して、快適な水回り環境を取り戻しましょう。
よくある質問

家全体の水圧が急に弱くなりました。最初に確認すべきことは何ですか?
まず水道メーター横にあるメーターバルブ(元栓)が全開になっているかを確認してください。
反時計回りに回して止まるまで回しきれれば全開です。
直近で水道修理を行った場合は、作業後にバルブが絞られたままになっていることがあります。
元栓に問題がない場合は、配管の老朽化や地域の水道工事が原因の可能性があります。
キッチンの蛇口だけ水圧が低い場合、どこを確認すればよいですか?
下に設置されている止水栓が半開きになっていないかを確認してください。
また、蛇口の吐水口や給水管との接続部にあるストレーナー(ゴミ受け目皿)が詰まっている場合も水圧が低下します。
止水栓を全開にして、ストレーナーを歯ブラシで清掃するだけで改善するケースが多いです。
エコキュートのシャワーの水圧を上げるために、今すぐできる方法はありますか?
最も手軽なのは「低水圧用シャワーヘッド」への交換です。
水の出口を絞ることで少ない水量でも勢いが増し、1,000円台から購入できます。
また、給湯設定温度を50〜60℃に上げると混合時の水道圧が加わり、体感的な勢いが増すことがあります。
止水栓の開き具合とストレーナーの汚れも合わせて確認してみてください。
マンションに住んでいますが、朝夕だけ水圧が弱くなります。故障でしょうか?
必ずしも故障とは限りません。
マンションで加圧ポンプや増圧ポンプを使っている場合、多くの住戸が同時に水を使う時間帯は使用量が供給量を一時的に超えて水圧が下がることがあります。
一時的な現象であれば様子見で構いませんが、それ以外の時間帯でも水圧が戻らない場合は管理組合や管理会社に連絡してください。
給湯器の寿命と水圧の低下は関係がありますか?
関係があります。
給湯器内部の減圧弁や水量サーボ(バルブ)などの部品は10年前後で摩耗・硬化し、正常に機能しなくなることがあります。
その結果、水圧が弱くなったり不安定になったりします。
設置から10年以上経過した給湯器で水圧の低下が見られる場合は、故障の前触れである可能性が高く、専門業者への点検・交換の相談をお勧めします。
記事の監修者

島尻 博富士水道センター
水道工事や各種水回りの修理に従事して35年間。大規模修繕工事の計画~実施までの対応も可能。保有国家資格(給水装置工事主任技術者、一級管工事施工管理技士、一級建築配管技能士)。2023年1月25日放送 テレ朝スーパーJチャンネルで強烈寒波の報道に出演。













