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エコキュートの寿命をプロが解説|10年・15年・20年いつ交換すべきか

給湯器

富士水道センター編集部

エコキュートの寿命がどれくらいなのか、いつ交換すべきか悩んでいませんか。

急にお湯が出なくなると、生活への影響も出やすく不安を覚えるものです。

本記事では、エコキュートの寿命の目安や実際の使用年数、寿命が近づいたときの故障サイン、修理と交換の判断基準、費用相場、長持ちさせるためのメンテナンス方法までを一通り整理しました。

自宅のエコキュートが「そろそろ限界かも」と感じたときの判断材料として役立ててください。

エコキュートの寿命は何年?実際の耐用年数

エコキュートの寿命は何年?実際の耐用年数

エコキュートの寿命は「10〜15年」が一般的といわれますが、実際には使い方や環境によって大きく変わります。

ここでは、メーカーが示す耐用年数だけでなく、20年近く使われた例や、寿命を縮めてしまう要因についても整理します。

交換判断の基準をつかみたい人は、この章から確認してみてください。

エコキュートの一般的な寿命は10〜15年

多くのメーカーは、エコキュートの耐用年数を「約10年」としています。

これは、電気温水器の基盤となるヒートポンプやタンク内部の部品が、10年を過ぎると劣化しやすくなるためです。

ただし、10年を超えるとすぐに使えなくなるわけではありません。

実際には、10〜15年程度で交換を検討する家庭がもっとも多い傾向にあります。

エコキュートは24時間稼働しているため、内部の基板・センサー・ヒートポンプが常に負荷を受けているものです。

10年を過ぎたあたりからエラーコードが増えたり、湯張りに時間がかかるなど、劣化のサインが少しずつ表れはじめます。

「急に壊れた」というトラブルで相談が多いのも、ちょうど10年前後のタイミングです。

20年使える?実際の長寿命ケース

サジェストにもあるように「20年使えるの?」と気にする人は多いものです。

結論からいえば、エコキュートが20年動き続けるケースは存在しますが、あくまで例外です。

長寿命で使用できている家庭には、次のような特徴があります。

  • 使用量が少ない(単身・夫婦のみなど)
  • 1回の点検やタンク清掃を欠かさない
  • 設置環境が良い(塩害地域でない・直射日光が少ない)

ただし、10年を超えるとメーカーの部品供給が終了していることが多く、「故障=交換」となるパターンが増えます。

20年使用に成功している家庭もありますが、一般的にはおすすめできないラインです。

壊れると真冬にお湯が出なくなるリスクがあるため、10年前後で交換を検討するほうが現実的といえます。

寿命に影響する要素(設置環境・使用頻度・メンテ有無)

エコキュートの寿命は「年数」だけで判断されるわけではありません。

次のような要因によって、寿命が短くなる・長くなるケースがはっきり分かれます。

設置環境

潮風が当たる場所、直射日光が強い場所、寒冷地などは故障リスクが高まります。

外気の影響を受けやすいヒートポンプが劣化しやすいからです。

使用頻度

家族人数が多い家庭ほどタンクのサイクルが増え、負荷が蓄積します。

とくに、毎日大量のお湯を使う家庭は寿命が10年前後になることもあります。

メンテナンス状況

フィルター掃除やタンクの排水を行わないと、内部に汚れが蓄積し、部品の劣化が早まります。

逆に、定期的にメンテナンスしている家庭では、12〜15年と長持ちすることが珍しくありません。

落雷・停電の多さ

落雷による基板破損も寿命を縮める原因のひとつです。

これらの要素を総合すると、「10〜15年」がもっとも現実的な寿命といえる一方で、環境次第で寿命は前後5年ほど変動することがあります。

メーカー別:エコキュートの寿命と特徴

メーカー別:エコキュートの寿命と特徴

エコキュートはメーカーによって構造や部品の耐久性が異なり、寿命にもわずかな差があります。

とくに検索でも注目されやすい「三菱」「パナソニック」の2社は、長期使用例が多いメーカーとして知られています。

この章では、メーカーごとの寿命の傾向や特徴を整理し、自宅のエコキュートがどれくらい使えるのか判断できるようにまとめました。

三菱エコキュートの寿命の傾向

三菱は、ヒートポンプの耐久性が高いことで評価されています。

寒冷地での使用実績も多く、外気温が下がる冬場でも安定した運転を続けます。

ヒートポンプの性能が落ちにくい構造で、基板まわりの故障発生率も比較的低めです。

パナソニックの寿命の傾向

パナソニックのエコキュートは、省エネ性能の高さと静音性が特徴です。

寿命に関しては三菱と同様に10〜15年が目安ですが、基板とセンサー類の安定性が高いといわれており、故障の出方が穏やかです。

ただし、タンクの腐食やヒートポンプの摩耗は避けられないため、10年を過ぎたら交換を検討するのが一般的。

パナソニックの場合、エラーコードが比較的分かりやすく、寿命サインに気づきやすい点も安心材料といえます。

日立・ダイキンなど他メーカーとの比較

日立やダイキンにも高い評価がありますが、メーカー特性に次のような違いがあります。

メーカー 特徴
日立 ・タンクの保温技術が高く、冬でも湯切れしにくい
・基板まわりのトラブルが少ない傾向
ダイキン ・空調技術を活かしたヒートポンプに強みがある
・静音性に優れている

どのメーカーも基本的には「10〜15年」の範囲に収まりますが、三菱・パナソニックはとくに長持ちしやすいという口コミが多いため、寿命面で人気が高い傾向がです。

メーカーによる耐久性の差はあまり大きくありませんが、修理パーツの供給状況や、地域・設置環境との相性が寿命に影響します。

メーカーでも使用条件次第で寿命が前後する点は理解しておくと安心です。

エコキュートが寿命を迎えるときの症状

エコキュートが寿命を迎えるときの症状

エコキュートは、いきなり完全に壊れるというよりも、少しずつ「いつもと違うサイン」を出しながら寿命に近づいていきます。

お湯の温度や出方、リモコン表示、タンクまわりの様子などに変化が出てきたら要注意です。

ここでは、交換や修理を検討すべき代表的な症状をまとめて紹介します。

お湯がぬるい・温度が安定しない

もっとも分かりやすいサインが、お湯の温度トラブルです。

設定温度どおりにお湯が出なかったり、シャワー中に急にぬるくなったり熱くなったりする場合、ヒートポンプやセンサーの劣化が疑われます。

最初は「たまたまかな」と感じる程度でも、回数が増えていくと寿命に近い可能性が高い状態です。

給湯量が足りないだけなのか、本体側に問題があるのか、一度リモコンの表示やタンクの状態を確認すると安心できます。

本体やタンク周辺から異音がする

運転中のエコキュートから、これまで聞こえなかった大きなモーター音や金属音がする場合も要注意です。

ヒートポンプ内のコンプレッサーやファンが摩耗しているケースが多く、放置すると突然の停止につながります。

  • ブーンといううなりが以前より大きい
  • ガラガラ、カンカンといった打撃音が混じる

こうした音が続く場合、寿命に近づいているサインと考えて早めに業者へ相談したほうが安全です。

お湯が出るまで時間がかかる

蛇口をひねってからお湯が出るまでの時間が、以前より明らかに長くなった場合も、劣化の兆候としてよく見られます。

配管内部の汚れやタンク内の状態悪化によって循環効率が落ちていると、お湯が届くまでの時間が延びてしまいます。

とくに、同じ時間帯・同じ使用条件でも「最近だけ遅い」と感じるようなら、内部のどこかで性能低下が進んでいると考えられます。

リモコンにエラーコードが頻繁に表示される

エコキュートのリモコンにエラーコードが出る回数が増えてきたら、寿命にかなり近づいている可能性があります。

一時的なエラーで復旧することもありますが、同じコードが何度も表示される状態は、内部部品の限界が近いサインです。

メーカーごとに「給湯温度異常」「ヒートポンプ異常」「通信エラー」などのコードが用意されているため、取扱説明書やメーカーサイトで内容を確認しておくと状況を把握しやすくなります。

10年前後のエコキュートでエラーが頻発する場合、修理か交換かの検討段階に入ったと考えてよいでしょう。

タンク・配管まわりの水漏れが見つかる

タンクやその足元、配管の接続部に水たまりや湿り気が出ている場合も、寿命を疑うべき症状です。

パッキンの劣化や配管の亀裂など、部分的な修理で済むこともありますが、タンク本体の腐食が進行しているケースでは交換が避けられません。

水漏れを放置すると、周囲の建材や土台まで傷めてしまうおそれがあります。

少量だからといって様子見にせず、早めに専門業者に点検を依頼したほうが結果的に安く済むケースが多いです。

寿命がきたエコキュートは修理すべき?交換すべき?

寿命がきたエコキュートは修理すべき?交換すべき?

エコキュートに不調が出てくると、「まだ修理で使えるのか」「思い切って交換した方がいいのか」で迷いやすくなります。

寿命が近い機器に高額な修理費をかけると、数年後にまた大きな出費が発生するおそれもあります。

この章では、修理で延命できるケースと交換を選んだ方がいいケース、その判断目安を整理していきます。

修理で対応できるケース

まずは、修理でまだ十分使えるパターンです。

代表的なのは次のようなケースになります。

  • 使用年数がおおむね10年未満
  • 故障箇所が一部分に限られている
  • メーカーから部品供給が続いている

たとえば、基板やセンサーの不具合、ヒートポンプ内部の一部パーツ交換などであれば、修理費は数万円〜十数万円ほどで収まることが多く、残りの寿命もある程度期待できます。

とくに7〜8年目くらいで初めて不調が出た場合は、修理によって数年間は問題なく使い続けられるかもしれません。

また、設置環境が良く、普段からメンテナンスを行っている家庭では、本体自体の状態が健全なことも多いため、修理のメリットが大きくなります。

交換を検討した方がいいケース

一方で、次のような条件がそろうと、修理より交換を優先した方が結果的に負担を抑えやすくなります。

  • 使用年数が10〜15年に達している
  • 故障箇所が複数に及んでいる
  • タンク本体の腐食や水漏れがある
  • メーカーの部品供給が終了している

とくにタンクの腐食や水漏れは、家屋への二次被害につながるリスクがあります。

タンク丸ごと交換が必要になるケースも多く、その場合は修理費と交換費用に大きな差がありません。

また、10年以上使ったエコキュートで一ヶ所を修理しても、別の部品が連鎖的に故障することがあります。

そのたびに数万円単位の出費が発生すると、数年のあいだにトータルで交換と同じくらいの費用を支払うことになりかねません。

修理と交換、どちらが得か見極めるポイント

修理と交換を比べるときは、「あと何年使いたいか」と「今回の修理費」をセットで考えると判断しやすくなります。

目安としては、

  • 使用10年未満で、修理費が10万円前後まで → 修理を優先
  • 使用10年以上で、修理費が15万円前後〜それ以上 → 交換を検討する段階

と捉えておくと選びやすくなります。

また、最新のエコキュートは省エネ性能が向上しており、光熱費が下がるケースもあります。

「数年間、だましだまし使い続ける」のか、「このタイミングで交換して、長期的なランニングコストも見直す」のか、自宅の使い方に合わせて考えることが大切です。

エコキュートが故障したら修理と交換どちらがいい?原因や費用相場を解説

エコキュート交換の費用相場

エコキュート交換の費用相場

エコキュートを交換しようと考えたとき、いちばん気になるのが「総額でいくらかかるのか」という点ではないでしょうか。

エコキュートの費用は、本体価格だけでなく、設置工事費や既存機器の撤去費、場合によっては追加工事費まで含めて考える必要があります。

この章では、本体・工事・総額・補助金という4つの視点から、費用の目安を整理していきます。

本体価格の目安(370L・460Lなどの容量別)

エコキュート本体の価格は、タンク容量やグレードによって大きく変わります。

おおよその目安としては、20~60万円。

同じ容量でも、ベーシックモデルと高機能モデルでは10万〜20万円ほど差が出ることがあります。

「家族人数」「お湯の使用量」「将来の家族構成」などを踏まえて、無理のない容量とグレードを選ぶことがポイントです。

交換工事にかかる費用

本体とは別に、交換工事費も必要です。

代表的な内訳は次のとおりです。

  • エコキュート本体の据え付け工事
  • 既存エコキュート(または電気温水器など)の撤去・処分
  • 配管・配線の接続、必要に応じて基礎工事や電気工事

標準的な設置条件であれば、工事費の目安は10万〜20万円前後のケースが多く見られます。

ただし、設置場所が狭い、クレーン搬入が必要、既存配管の劣化が激しいといった条件が重なると、追加費用が発生することも。

見積もりを取る際は、「標準工事に含まれる範囲」と「追加料金が発生する条件」を必ず確認しておくと安心です。

本体+工事を含めた総額の目安

本体価格と工事費を合計したときの交換総額は、一般的に次のレンジに収まることが多いです。

  • 370Lクラス(3〜4人家族向け):30万〜50万円前後
  • 460Lクラス(4〜5人家族向け):40万〜60万円前後

同じ容量・同じグレードでも、

  • メーカーの違い
  • 仕入れ価格
  • 販売キャンペーンの有無
  • 工事条件

といった要素で総額が変わります。

そのため、1社だけの見積もりで即決せず、複数社の見積もりを比較することが費用を抑える近道です。

エコキュート導入で使える補助金や自治体の助成金

エコキュートは省エネ性能が高い給湯機器のため、国や自治体の補助金・助成金制度が利用できる場合があります。

年度によって制度内容や金額が変わるため、最新情報の確認が欠かせません。

  • 国の省エネ関連補助金
  • 県・市区町村の独自助成
  • オール電化推進キャンペーン など

補助金をうまく活用できれば、実質負担額を数万〜十数万円ほど抑えられることもあります。

エコキュートの交換を検討するときは、見積もり依頼とあわせて、自治体の公式サイトや電力会社の案内ページもチェックしておくとお得です。

なお、補助金には定員があることがあるので、はやめに申し込みしてください

エコキュートの寿命を伸ばす方法

エコキュートの寿命を伸ばす方法

エコキュートは一度設置すると、できるだけ長く使いたい設備です。

実は、ちょっとしたお手入れや使い方の工夫によって、故障リスクを減らし、寿命を少しでも伸ばすことができます。

この章では、難しい専門作業ではなく、家庭で無理なく続けられるメンテナンス方法を中心に紹介します。

浴槽フィルターを定期的に掃除する

エコキュートの寿命を左右する大きなポイントが、浴槽フィルターの汚れです。

浴槽のお湯をくみ上げて循環させるためのフィルターに、髪の毛や湯アカ、入浴剤の成分が詰まると、ポンプに負担がかかり続けます。

週に1回程度を目安に、フィルターを外してシャワーで洗い流し、汚れがひどいときは中性洗剤でやさしくこすり落とすと安心です。

家族の人数が多い家庭や、毎日追い焚きを使う家庭ほど汚れやすいため、こまめなチェックを意識するとトラブルを防ぎやすくなります。

年1回はタンクの排水・洗浄を行う

タンク内部には、水道水由来のカルキや細かなゴミが少しずつたまっていきます。

これを放置すると、センサーや配管への負担が増え、結果的に寿命が縮む原因につながります。

取扱説明書には、年1回程度の「タンクの排水・洗浄手順」が記載されています。

基本的には、

  1. 電源を切る
  2. 指定の排水栓を開けてタンクの水を抜く
  3. 再度給水して運転を再開する

といった流れが多いです。

最初は戸惑うかもしれませんが、一度やり方を覚えてしまえば難しい作業ではありません。

定期的に内部の水を入れ替えることで、タンクや配管の負担を軽くできます。

凍結防止のために冬場の対策を徹底する

寒冷地や、冬場の冷え込みが厳しい地域では、配管の凍結対策が寿命の延命に直結します。

凍結と解凍を繰り返すうちに、配管やバルブにダメージが蓄積するためです。

具体的には、

  • 露出配管には保温材や凍結防止ヒーターを巻く
  • 氷点下が続く予報の日は、取扱説明書に沿って凍結防止運転を設定する
  • 長期不在でも電源を落とさず、凍結防止機能を活かす

といった対策が有効です。

凍結で一度配管が破損すると、修理だけでなく周囲の建物にも被害が及ぶおそれがあるため、事前の対策を習慣にしておくと安心感が高まります。

こまめな電源オン・オフを避けて安定運転を心がける

電気料金を節約したい気持ちから、こまめにブレーカーを落としたり、電源を切ったりする家庭もありますが、エコキュートにとっては負担が大きくなりやすい使い方です。

頻繁な通電と遮断を繰り返すと、基板やコンプレッサーなどの電気部品にストレスがかかり、故障を招きやすくなります。

長期不在でなければ、基本的には電源を入れたまま、タイマーや節電モードを活用した方が機器にやさしい運転ができます。

電気代の節約と機器の寿命を両立させるには、「安定して動かしつつ、設定温度や湯量で調整する」という発想が大切です。

追い焚き配管の洗浄を定期的に行う

追い焚き配管は、皮脂や入浴剤などの汚れがたまりやすい箇所です。

この汚れが蓄積すると、雑菌の繁殖だけでなく、循環効率の低下やポンプの負担増につながり、結果としてエコキュート全体の寿命を縮める要因になります。

市販の追い焚き配管洗浄剤を使い、数ヶ月に一度のペースで配管をクリーンに保つと、ポンプへの負荷を軽減しやすくなります。

また、入浴剤の種類によっては追い焚き不可のものもあるため、説明書の注意書きを確認しておくと安心です。

エコキュートの寿命を早めるNG行為

エコキュートの寿命を早めるNG行為

せっかく高額なエコキュートを導入しても、日常の何気ない使い方が原因で寿命を縮めてしまうことがあります。

とくに、追い焚き配管の汚れ放置や、冬場の誤った節電対策は、故障リスクを大きく高めてしまうポイントです。

  • 追い焚き配管やフィルターの汚れを放置する
  • 冬場にブレーカーを落としてしまう
  • 残り湯を長時間溜めたままにする
  • 外観の劣化や水漏れを放置する

このポイントに注意しましょう。

それぞれ、詳しく解説していきます。

追い焚き配管やフィルターの汚れを放置する

追い焚き配管や浴槽フィルターに汚れがたまったまま放置すると、循環ポンプに過剰な負荷がかかります。

配管内部の汚れは目に見えないため、つい後回しにしがちです。

しかし、皮脂や入浴剤の成分、湯アカなどが蓄積すると、ポンプの動きが重くなり、モーターや基板の故障につながるおそれがあります。

定期的なフィルター掃除や配管洗浄を行わない状態が続くほど、エコキュートの内部に負担が積み重なってくので注意が必要です。

「まだ動いているから大丈夫」と考えず、汚れをためないことを意識すると、結果的に寿命を守りやすくなります。

冬場にブレーカーを落としてしまう

電気代を節約しようとして、冬の間にこまめにブレーカーを落とす使い方は、エコキュートにとって大きなストレスになります。

頻繁な電源オン・オフは、基板やコンプレッサーなどの電装部品に負担をかけるうえ、凍結防止機能が働かず配管トラブルを招きやすくなるので注意しましょう。

とくに、氷点下近くまで冷え込む地域では、電源を切った状態が続くと配管内の水が凍結し、膨張によって破損する危険があります。

短期の旅行程度であれば、ブレーカーを切らずに、機器が備えている凍結防止機能やタイマー運転を活用した方が安全です。

残り湯を長時間溜めたままにする

浴槽の残り湯を何日も溜めたままにしておく習慣も、エコキュートの寿命を縮める要因のひとつです。

ぬるくなった湯には雑菌が増えやすく、追い焚きのたびに汚れや菌を配管内部へ送り込むことになります。

結果として、配管内にぬめりや汚れが蓄積し、循環効率の低下やポンプへの負荷増加を引き起こします。

「翌日もお風呂に入るから」と残り湯を活用する場合でも、数日にわたって同じ湯を使い回すのは避けた方が無難です。

外観の劣化や水漏れを放置をする

屋外に設置されているエコキュートは、風雨や直射日光の影響を受け続けます。

タンクの脚元にサビが出ていたり、配管まわりにうっすら水がにじんでいたりする状態を放置すると、やがて大きなトラブルへ発展しかねません。

小さな水漏れが続くと、内部の金属が腐食し、タンクや配管の交換が必要になるケースが増えます。

また、サビやひび割れを放置すればするほど、家屋の土台や周囲のコンクリートにも悪影響が及ぶ可能性があるので、放置は望ましくありません。

「少し気になる程度だから」と油断せず、早い段階で業者に点検を依頼することで、結果的に修理費も寿命へのダメージも抑えやすくなります。

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エコキュート交換を業者に依頼するときの注意点

エコキュート交換を業者に依頼するときの注意点

寿命を迎えたエコキュートを交換するときは、どの機種を選ぶかだけでなく、「どの業者に、どんな内容で」依頼するかが重要です。

容量選びを間違えると使い勝手が悪くなり、見積もりの確認を怠ると、後から思わぬ追加費用が発生する場合もあります。

この章では、交換をスムーズかつ安心して進めるために、依頼前に押さえておきたいポイントを整理しました。

家族人数と生活スタイルに合った容量・型番を選ぶ

エコキュート選びでまず考えたいのが、タンク容量とグレードです。

目安としては、次のようなイメージで検討できます。

  • 2〜3人家族:370L前後
  • 4人前後の家族:370〜460L
  • 5人以上の家族:460L以上

ただし、同じ人数でも「シャワー中心か」「浴槽にじっくり浸かるか」「追い焚きをよく使うか」で、適した容量が変わります。

たとえば、共働きで夜にまとめて入浴する家庭や、浴槽をたっぷり使う家庭では、ワンランク上の容量を選んだ方が安心です。

また、床暖房連動タイプや、高効率なプレミアムモデルもありますが、すべての家庭に必要とは限りません。

  • 将来の家族構成
  • ランニングコスト
  • 初期費用とのバランス

このあたりを業者に相談しながら、「今」と「これから」の両方を見据えた型番選びを意識すると失敗しづらくなります。

極端に安い・即決を迫る業者には注意する

エコキュートの交換費用は決して安くないため、「他社より○十万円安い」といった宣伝に目が行きがちです。

もちろん企業努力で価格を抑えている業者もいますが、なかには次のような危険なパターンも含まれます。

  • 現地をほとんど見ずに口頭だけで見積もる
  • 見積書が大まかで、内訳がほとんど書かれていない
  • 「今日契約すればこの価格」と強く即決を迫る
  • 工事の保証内容をはっきり説明しない

このような業者に依頼すると、着工後に「想定外の追加工事」が次々と出てきて、結果的に高額になるケースがあります。

また、施工の質が低いと、数年以内に水漏れや故障が発生し、余計な修理費を払う羽目になりかねません。

価格だけでなく説明の丁寧さや質問への対応もチェックすることが、悪質業者を避けるうえで大きな判断材料になります。

見積もりで必ず確認したい項目をチェックする

エコキュートの見積もりを受け取ったら、次のポイントを一つずつ確認すると安心です。

  • 本体のメーカー名・型番・容量
  • 撤去費用や処分費が含まれているか
  • 電気工事・基礎工事など、標準工事に含まれる範囲
  • 配管の交換や補修が必要な場合の費用
  • 出張費・諸経費が別途発生しないか
  • 工事保証と本体保証の年数と内容

これらがあいまいな見積もりは、後からトラブルになりやすいといえます。

気になる点があれば、その場で遠慮なく質問し、回答をメモに残しておくとよい判断材料になります。

また、「総額いくらかかるのか」だけでなく、「その金額に何が含まれているのか」を把握しておくと、別の業者との比較もしやすくなります。

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エコキュートの寿命に関するよくある質問(FAQ)

エコキュートの寿命に関するよくある質問(FAQ)

ここまで読んでも、「うちのエコキュートはどう判断すればいいのか」「もう少し細かいところを知りたい」と感じる人も多いかもしれません。

最後に、エコキュートの寿命や交換タイミングについて、よく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。気になる項目だけ拾い読みして、判断の参考にしてみてください。

Q. エコキュートの寿命は何年くらい?

A. 一般的な目安は10〜15年前後です。

メーカーは「設計標準使用期間」をおおむね10年としていますが、実際の現場では、10年を過ぎたあたりから故障や不具合が増えやすくなり、13〜15年ほどで交換する家庭が多い印象です。

Q. 20年近く使っていても問題ない?

A. 動き続けていれば使えないわけではありませんが、安全面とリスクを考える必要があります。

20年近く使っている機種は、部品供給が終わっていることが多く、ひとたび大きな故障が起きると修理ができません。

真冬に突然止まる可能性もあるため、15年前後を過ぎたら、いつ交換してもいいように資金計画を考えておくと安心です。

Q. メーカーによって寿命は違う?三菱とパナソニックはどちらが長持ち?

A. どのメーカーでも大きく見れば「10〜15年」の範囲に収まります。

そのなかで、三菱とパナソニックは、ヒートポンプや基板の信頼性が高く、長期使用の事例が多いメーカーとしてよく名前が挙がります。

とはいえ、設置環境や使い方の影響も大きいため、「どのメーカーなら絶対に長持ちする」と言い切ることはできません。

寿命の差はメーカーよりも、メンテナンス状況や設置条件に左右されやすいと考えておくと、バランスがとりやすくなります。

Q. エラーコードがよく出るのは寿命のサイン?

A. 同じエラーコードが繰り返し表示される場合、寿命が近づいている可能性が高まります。

一度だけ表示され、その後まったく出ないようであれば一時的な不具合のケースもありますが、何度も出るようであれば、内部部品の劣化が進行していると考えた方がよい状態です。

取扱説明書やメーカーサイトでエラー内容を確認し、使用年数が10年前後を超えているなら、修理か交換かを業者に相談する段階だと捉えておくと判断しやすくなります。

Q. 修理と交換はどちらが得?

A. 使用年数と修理費のバランスで考えると分かりやすくなります。

  1. 使用10年未満で、修理費が10万円前後まで→ 修理で延命する選択にメリットがあるケースが多い
  2. 使用10年以上で、修理費が15万円前後以上→ 交換を視野に入れた方が、長期的な負担を抑えやすい

今後数年のあいだに、別の部品が続けて壊れる可能性も踏まえ、「あと何年使いたいか」という視点で検討すると、結論が出やすくなります。

Q. 寿命を少しでも伸ばすにはどうすればいい?

A. 特別な作業よりも、日常的なひと手間が効いてきます。

  • フィルターを定期的に洗う
  • 年1回のタンク排水を行う
  • 追い焚き配管の洗浄を数ヶ月に一度行う
  • 冬場にブレーカーを落とさず、凍結防止機能を活かす

こうした積み重ねで、故障リスクを抑えやすくなります。

完璧を目指す必要はありませんが、「思い出したときに一つやる」くらいの感覚で続けると、結果として寿命に良い影響が出やすくなります。

Q. 寿命前なのに故障が多いのはなぜ?

A. 使用年数が10年未満でも、次のような条件がそろうと故障が増えることがあります。

  • 塩害地域や強風・直射日光にさらされる環境
  • 家族人数が多く、お湯の使用量が非常に多い
  • フィルターや配管のメンテナンスをほとんどしていない
  • 落雷や停電の影響を何度も受けている

こうした条件が重なると、設計上の寿命より早く不具合が出る場合があります。

逆に、環境が穏やかで、こまめなお手入れを続けている家庭では、設計年数を超えても安定して動き続けることがあります。

エコキュートの寿命と交換タイミングのまとめ

エコキュートの寿命は、目安として10〜15年。

10年を過ぎると、エラーコードやお湯の温度トラブル、水漏れといった不具合が増えやすくなり、13〜15年あたりで交換を選ぶ家庭が多い状況です。

交換タイミングを考えるときは、次の三つをチェックしてみてください。

  • 使用年数:10年を超えたら「修理か交換か」の検討ライン
  • 症状:エラー頻発・水漏れ・タンク腐食は交換候補
  • 費用バランス:10年以上使用+高額修理なら交換を優先

一方で、フィルター掃除、タンク排水、追い焚き配管洗浄、凍結対策といった日常のひと手間で、故障リスクを下げることも期待できます。

「今何年目か」「どんな症状が出ているか」「交換費用の目安」を把握し、少しでも不安を感じたら早めに業者へ相談しましょう。

記事の監修者

島尻 博富士水道センター

水道工事や各種水回りの修理に従事して35年間。大規模修繕工事の計画~実施までの対応も可能。保有国家資格(給水装置工事主任技術者、一級管工事施工管理技士、一級建築配管技能士)。2023年1月25日放送 テレ朝スーパーJチャンネルで強烈寒波の報道に出演。

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