
オキシクリーンでできる“オキシ漬け”風呂床掃除|赤カビ・黒ずみを落とす正しいやり方
水のトラブル
更新日 : 2025年12月03日

富士水道センター編集部
忙しい日々のなかで「気づけばお風呂の床がざらつき、黒ずみや赤カビが目立ってきた……」という方は多いはずです。
そんなときに頼りになるのが、酸素系漂白剤のオキシクリーン。
つけ置きと軽いこすり洗いで、床の黒ずみや皮脂汚れ、石鹸カスをまとめて落とせる心強い味方です。
この記事では、風呂床にオキシクリーンを使うときの基本から、汚れ別のコツ、失敗例と対処法まで順番に解説していきます。
目次
オキシクリーンで掃除できる風呂汚れと、向かない汚れ・素材

オキシクリーンは高い効果を期待できるアイテムですが、すべての汚れに対応できるわけではありません。
まずは、オキシクリーンがどのような汚れに対応しているのか見ていきましょう。
オキシクリーンで落としやすい汚れの種類
オキシクリーンは「酸素の力」で汚れを分解する酸素系漂白剤です。
アルカリ性の洗浄成分も含まれているため、風呂床では次のような汚れに効果を発揮します。
- 皮脂汚れや汗が積み重なった黒ずみ
- 赤カビ・ピンク汚れ
- 石鹸カスやボディソープの残り
- 黄ばみ・茶色っぽい汚れ
とくに、床一面にうっすら広がった黒ずみや、白い床にうねうねと広がる灰色の汚れは、皮脂と石鹸カスが混ざって固まったものです。
こうした汚れはこすり洗いだけでは落ちにくく、オキシクリーンでつけ置きしてからブラシで軽くこするとスルッと落ちやすくなります。
赤カビやピンク汚れも、表面についた段階であればオキシクリーンで十分対処可能。
排水口まわりや床のすみ、シャンプーボトルの底など、赤いヌルヌル汚れが気になる部分にも活用しやすい洗剤です。
オキシクリーンでは落ちにくい・残りやすい汚れ
一方で、オキシクリーンだけでは落としきれない汚れもあります。
- 目地の奥まで入り込んだ黒カビ
- 長年放置して真っ黒になったゴムパッキン
- 表面がボロボロになっている劣化した床材
床の目地やコーキングに根を張った黒カビは、酸素系よりも塩素系漂白剤のほうが得意分野です。
オキシクリーンでうっすらした汚れを落とし、どうしても残る黒い点だけ塩素系でポイント使用するといった「使い分け」を意識したほうが、仕上がりに差が出ます。
また、すでに床の表面が削れ、模様が消えかけているような状態では、どんな洗剤を使っても新品同様の白さまでは戻りません。
オキシクリーンを何度も濃いめの液で試すより、床そのものの交換や専門業者によるコーティングも視野に入れたほうが現実的です。
風呂床の素材別・オキシクリーンとの相性
風呂床に使われている素材は、大きく分けると次のようなタイプがあります。
- FRP(繊維強化プラスチック)
- 樹脂系シート材
- タイル
- 石材風・木目風などのデザイン床(多くは樹脂+コーティング)
FRPや一般的な樹脂床は、適切な濃度と時間を守ればオキシクリーンを使いやすい素材です。
つけ置き前後にさっとシャワーで流し、ブラシでこすりすぎないようにすれば、床の模様や凹凸を傷つけにくくなります。
一方で、次のような床は慎重に扱ったほうが安心です。
- 黒やネイビーなどの濃色床
- 光沢のあるコーティング床
- 石材そのものを使っている浴室
アルカリ性の洗剤を長時間使うと、コーティングのツヤが落ちたり、色ムラが出たりすることがあります。
まずは目立たないすみで試し、問題なさそうであれば短時間からスタートするのがおすすめです。
「風呂床が痛む」と言われる理由

「オキシクリーンで風呂床が痛む」「ザラザラになった」といった声の多くは、次のような使い方が原因です。
- 規定量よりかなり多めに粉を入れてしまった
- 何時間も放置してしまった
- お湯の温度を高くしすぎた
- コーティング床に頻繁に使用した
アルカリ性の洗浄液に長時間さらされると、床表面のコーティングが少しずつ溶け、白っぽくくもることがあります。
また、熱いお湯は洗浄力を高める一方で、床材への負担も大きくなりがちです。
記事の後半で「標準的な濃度と時間」を詳しく説明しますが、まずは「入れすぎ・長時間はNG」と留意しておいてください。
オキシクリーンを使う前のチェックリスト

オキシクリーンを使う準備をしていきましょう。
これらをチェックしておくと、スムーズに使えます。
床の素材とコーティングの有無を確認する
オキシクリーンを風呂床に使う前に、必ず押さえておきたいのが「床の素材」と「コーティングの有無」です。
取扱説明書や住宅の資料に、浴室の仕様が記載されていることが多いので、一度目を通しておきましょう。
- 新しめのユニットバス:樹脂床+防滑コーティングが一般的
- 高級グレードの浴室:つやつやとした特殊コーティングが施されている場合あり
- 昔ながらの浴室:タイル床・モルタル床などもまだ存在
コーティングが強い床ほど見た目はピカピカに見えますが、薬剤との相性には注意が必要です。
メーカーが「酸性・アルカリ性洗剤の長時間使用は避けてください」としている場合は、オキシクリーンも短時間で切り上げたほうが安心です。
メーカーの注意書きを確認しておく
浴室の説明書だけでなく、オキシクリーン本体の注意書きにも目を通しておきましょう。
「使えない素材」や「注意が必要な場所」が細かく書かれているため、安全に使うためのヒントになります。
たとえば、次のような注意書きが多く見られます。
- アルミ・真ちゅうなどの金属部分
- ゴムパッキンや木部
- ウールなど動物性の繊維
風呂床そのものに直接関係がなくても、排水口の金属部品や、ドア枠の金属に長時間触れると変色するおそれがあります。
浴室全体をオキシ漬けする場合は、こうしたパーツに液が当たりすぎないよう、量や高さを調整してください。
安全のために準備しておきたい道具
オキシクリーンで風呂掃除をするときは、次のような道具を用意しておくと作業がスムーズになります。
- ゴム手袋
- バケツまたは洗面器
- 計量スプーン(付属スプーンがあればそれを使用)
- デッキブラシや浴室用ブラシ
- スポンジ
- 排水口をふさぐための栓やラッ
オキシクリーンは素手で触ると、肌が乾燥したり、ピリピリしたりすることがあります。
必ずゴム手袋を装着し、必要に応じてマスクもつけて作業しましょう。
排水口の栓がない浴室では、ラップとビニールテープで即席のフタを作る方法もあります。
床にためる水の量が安定し、オキシクリーン液が行き渡りやすくなるため、事前に準備しておくと安心です。
オキシクリーン風呂掃除の基本|標準的な量と時間

オキシクリーンせ同時をするときの基本をまとめていきます。
つけ置きの時間や量を見ていきましょう。
液の濃度の目安
オキシクリーンの量は、薄すぎると汚れ落ちが物足りず、濃すぎると床を痛める原因になります。
風呂床をつけ置きする場合は、おおよそ次のような濃度を目安にするとバランスが取りやすくなります。
- ぬるま湯4リットルに対して、付属スプーン1杯前後
- 浴室全体で20〜30リットルほど溜める場合、スプーン5〜7杯程度
あくまで一般的な目安なので、床の素材や汚れ具合を見ながら調整してください。
初めて使うときはやや薄めに作り、効果を見てから次回少し濃くするほうが安全です。
お湯の温度と「溶かし方」のコツ
オキシクリーンは、40〜60℃程度のぬるま湯でよく溶けます。
冷たい水だと粉が底に沈みやすく、洗浄力も十分に発揮されません。
まずバケツや洗面器にお湯を入れ、そこへ少しずつオキシクリーンを加えながらよくかき混ぜます。
しっかり溶かしてから床に流すと、粉残りを防ぎやすくなります。
直接床の上に粉をまき、その上からお湯をかける方法は、あまり効果を発揮できません。
浸け置き時間の目安と、短くすべきケース
風呂床のつけ置き時間は、20〜30分ほどがひとつの目安です。
皮脂汚れや石鹸カスがメインなら、20分前後でも十分に柔らかくなり、ブラシで軽くこするだけできれいに落ちるようになります。
ただし、次のような床では時間を短めに設定してください。
- 黒やダークグレーなど濃い色の床
- ツヤのあるコーティング床
- メーカーが「強い洗剤の長時間使用は避けるように」としている浴室
こうした場合は、最初は5〜10分ほどで一度流してみると安心です。
汚れの落ち具合を確認しながら、問題なければ次回少しだけ時間を延ばす、といったステップで調整していきましょう。
風呂床を「オキシ漬け」する基本の手順

オキシクリーンの量や温度の目安を把握したら、実際に床をオキシ漬けしていきます。
排水口をふさぐところから、乾燥までの流れを一度確認しておくと作業がスムーズです。
- 排水口をふさいでお湯を張る
- オキシクリーン液を作り、床全体に行き渡らせる
- 浸け置き中についでに一緒に掃除したいアイテム
- ブラシでこする・十分に流す・乾かす
それぞれ、詳しく解説していきます。
1.排水口をふさいでお湯を張る
まずは、風呂床にオキシクリーン液をためるため、排水口をしっかりふさぎます。
栓がある浴室なら、そのまま利用できるので簡単です。
栓がない場合は次の方法が使えます。
- ラップを広めに敷いてビニールテープで固定する
- テゴムボールやシリコン栓を押し込む
- 市販の排水口キャップを使う
ふさいだら、少し水をためて漏れないかチェックします。
問題がなければ、床の凹凸が隠れる程度までぬるま湯を張ってください。
2.オキシクリーン液を作り、床全体に行き渡らせる
次に、バケツなどでオキシクリーン液を溶かします。
40〜60℃程度のぬるま湯に、目安量のオキシクリーンを少しずつ入れてよく混ぜ、粉が残らない状態にします。
溶けた液を床にためたお湯へ流し入れ、手やブラシで軽くかき回して全体に行き渡らせてください。
床のすみや凹凸にも液が届くように軽くゆらしておきましょう。
水位が高すぎると浴槽の金具やドア枠に液が触れやすくなります。
金属部分への長時間接触は変色を招くため、必要に応じて水位を調整してください。
3.浸け置き中についでに一緒に掃除したいアイテム
つけ置きのあいだに、風呂イスや洗面器などの浴室小物も同時に入れておくと効率的です。
底面のヌルヌル汚れや赤カビが一緒にゆるみ、まとめてきれいにできます。
つけ置き時間の目安は床と同じく20〜30分ほど。
ただし、金属パーツの多いグッズや色柄が強いおもちゃは、変色リスクがあるため短時間にするか別洗いがおすすめです。
4.ブラシでこする・十分に流す・乾かす
つけ置き時間が過ぎたら、水を抜く前に床を軽くこすります。
デッキブラシで目地に沿って優しく動かすと、浮いた汚れがすっと落ちやすくなります。
その後、排水口の栓を外し、オキシクリーン液を流しましょう。
シャワーで床全体をしっかりすすぎ、粉や泡が残らない状態になるまで何度も流してください。
最後に、スクイージーやタオルで水気を切り、換気して乾燥させます。
しっかり乾かすことで、赤カビや黒カビの再発スピードを抑えられます。
汚れ別・お悩み別のオキシクリーン活用法

汚れの種類によって、手順を少し変えるだけで落としやすさが大きく変わります。
ここでは、悩み別に「最短で効果を出すための4ステップ」をまとめました。
風呂床の黒ずみ・黒い床のくすみを落としたい
黒ずみは皮脂と石鹸カスが固まった汚れです。
まずは床全体をつけ置きできる環境を作り、汚れをふやかすことが最優先になります。
- 排水口をふさぎ、40〜60℃のぬるま湯を床に張る
- 標準濃度のオキシクリーン液を作り、全体に行き渡らせる
- 20〜20分つけ置きし、デッキブラシで軽くこする
- シャワーでしっかりすすぎ、乾燥させる
黒い床の場合はつけ置き時間を短め(10分前後)から始めると安心です。
赤カビ・ピンク汚れをすっきり落としたい
赤カビ・ピンク汚れは、表面のヌルヌルを浮かせて落とすのがコツです。
オキシクリーンはこのタイプの汚れと相性が良く、短時間でも変化を感じやすくなります。
- 排水口付近にやや深めにお湯をためる
- オキシクリーン液を加え、床すみまで液を行き渡らせる
- 20〜30分つけ置きしてヌルヌルを浮かせる
- ブラシで軽くこすり、シャワーで流す
カビの色素が残る箇所は、後日に塩素系でポイント処理すると仕上がりが整いやすくなります。
白い汚れ・黄ばみ・茶色汚れをどうにかしたい
白い輪じみや茶色い筋は、水垢・湯垢・皮脂が混ざった複合汚れです。
まずはオキシクリーンで皮脂・石鹸カス部分を落としてから、残った輪じみを別洗剤で落とすのがおすすめ。
- 床にぬるま湯を張り、オキシクリーン液を入れてつけ置きする
- 20分ほど放置し、皮脂・石鹸カスをふやかす
- ブラシで軽くこすり、シャワーですすぐ
- それでも残る白い輪じみは、別日にクエン酸でポイント処理
「白い汚れの正体=水垢」の部分は酸性洗剤が担当なので、併用する日を分けることが大切です。
石鹸カス・湯垢がこびりついて落ちにくい
石鹸カスはアルカリ性洗剤と相性がよく、オキシクリーンでふやかすと落としやすくなります。
床のざらつきが全体に広がっている場合は、まとめてオキシ漬けがおすすめです。
- 排水口をふさぎ、床にぬるま湯を張る
- オキシクリーン液を全体に入れてつけ置く
- 15〜20分後、円を描くようにブラシでこする
- しっかりすすいで乾燥する
積み重ねた石鹸カスは一度で完璧に落ちないこともあるため、数回に分けてオキシ漬けを行うと透明感が戻りやすくなります。
排水口まわり・排水口カバーをまとめてきれいにしたい
排水口まわりは髪の毛・皮脂・石鹸カスが最も溜まりやすい場所です。
ヌルヌルや赤カビがつきやすいため、つけ置きで一度にリセットすると手間がぐっと減ります。
- ヘアキャッチャーと排水口カバーを外し、ゴミを取り除く
- バケツに40〜60℃のお湯を入れ、オキシクリーン液を作る
- 10〜20分つけ置きし、溝をブラシでこする
- シャワーでしっかりすすぎ、乾燥させる
排水口本体の奥は、オキシクリーンよりパイプクリーナーの担当エリアです。
つけ置き後にニオイが残るときは、別日にパイプクリーナーを併用してみてください。
お風呂場全体をまとめてオキシ漬けしたい
風呂イス・洗面器・ボトルの底など、床以外にも汚れが気になる場合は、まとめてオキシ漬けすると効率的です。
一度のつけ置きで風呂場の「生活汚れ」を広く落とせます。
- 排水口をふさぎ、床にぬるま湯を張る
- オキシクリーン液を入れ、イス・洗面器などの小物も液に沈める
- 15〜30分つけ置きし、小物は個別にブラシでこすり洗い
- すべてをよくすすぎ、タオルやスクイージーで水気を切る
金属パーツの多いラックや、色柄の強いバスマットは変色する可能性があります。
心配なアイテムは別洗いにするか、短時間だけ浸けて様子を見ると安心です。
オキシクリーン以外との組み合わせ方

オキシクリーンだけで解決できる汚れもありますが、組み合わせを間違えると危険なパターンもあります。
この章では、一緒に使いやすい洗剤と、絶対に避けるべき組み合わせを整理しておきます。
食器用洗剤と組み合わせるときのポイント
皮脂汚れやベタつきが強いときは、先に食器用洗剤で軽く洗っておくと、オキシクリーンが働きやすい状態になります。
油分をある程度落としてからオキシ漬けすると、つけ置き時間が短くても効果を実感しやすくなるのでおすすめです。
同時に混ぜて使う必要はありません。
「先に食器用洗剤でざっと洗う」→「オキシクリーンでつけ置き」という順番を意識してみてください。
塩素系漂白剤・酸性洗剤と絶対に混ぜない
オキシクリーンは酸素系漂白剤ですが、塩素系漂白剤や酸性洗剤と混ざると有害なガスが発生する危険があります。
とくに、カビ取り用の塩素系スプレーや、トイレ用の強い酸性洗剤とは絶対に同時使用しないでください。
すでに塩素系や酸性洗剤を使ったあとにオキシクリーンを使う場合は、浴室をよくすすぎ、十分に換気してから時間をあけることが大切です。
気になる場合は、その日は片方だけにして、別の日にもう一方を使いましょう。
市販の風呂用洗剤との使い分けの考え方
普段の掃除は、市販の中性の風呂用洗剤だけでも十分きれいな状態を保てます。
オキシクリーンは、黒ずみや赤カビが目立ってきたときの「リセット用」という位置づけにすると、床への負担を抑えやすくなるのでおすすめです。
たとえば、日々の入浴後にさっと中性洗剤でこすり洗いし、月に一度~数か月に一度、オキシ漬けで徹底的に汚れを落としてみてください。
こうしたメリハリをつけると、手間をかけすぎずに清潔な浴室を保ちやすくなります。
失敗しやすいケースとリカバリー方法

オキシクリーンは便利な洗剤ですが、使い方を誤ると「落ちない」「床が白っぽくなった」といったトラブルも起こります。
ここでは、よくある失敗例と、その後のリカバリー方法をまとめます。
「落ちない」「黒ずみが残る」と感じたとき
一度オキシ漬けしただけで、長年の黒ずみが完全に消えるとは限りません。
落ちないと感じたときは、次の点を振り返ってみてください。
- 濃度が薄すぎなかったか
- つけ置き時間が短すぎなかったか
- 事前に大きな汚れを落としていたか
少しずつ条件を変えながら、数回に分けてオキシ漬けを行うほうが、床への負担も少なくなります。
それでも変化が乏しい場合は、汚れではなく床材そのものの劣化が進んでいる可能性もあります。
床が白くなった・くもったように見えるとき
オキシクリーンの濃度が高すぎたり、長時間放置したりすると、床のコーティングが傷み、白くくもったように見えることがあります。
完全に元どおりに戻すのは難しいものの、次のような対処で目立ちにくくすることは可能です。
- 今後はオキシクリーンの使用頻度を下げる
- 中性洗剤と柔らかいスポンジで丁寧に洗い、粉残りや石鹸カスを取り除く
- どうしても気になる場合は、専門業者のコーティング施工を検討する
新しい浴室や高級グレードの床ほど、コーティングの影響が見えやすい傾向があります。
以降の掃除では薄めの濃度と短い時間を意識してください。
粉が残ってザラザラ・ぬるぬるする場合
掃除のあとに床がザラザラする、足裏がぬるっとする場合は、オキシクリーンのすすぎ不足が考えられます。
粉や洗浄成分が残っている状態なので、必ず再度しっかり流しておきましょう。
シャワーだけで不安なときは、いったん水をためてから再度流すと、細かい粉も一緒に押し流せます。
それでも気になる場合は、中性洗剤で一度床を洗い直し、十分にすすいでから乾燥させてください。
コーティング床での変色・ツヤ落ちが心配なとき
「なんとなくツヤが落ちた気がする」「光の当たり方によってムラが見える」と感じたら、いったんオキシクリーンの使用をお休みする判断も大切です。
それ以上アルカリ性の洗剤を重ねると、コーティングの摩耗が進むおそれがあります。
以降は、中性洗剤+スポンジによる日常的な掃除をメインにし、どうしても落ちない汚れだけスポット的に強い洗剤を使う方法がおすすめです。
床材そのものが傷んでいると感じる場合は、メーカーや専門業者へ相談すると現状に合った提案が受けやすくなります。
コストコ版オキシクリーン・EXなど種類による違い

一口にオキシクリーンといっても、国内版、コストコで売られている大容量タイプ、EX表記のあるものなど、いくつかバリエーションがあります。
風呂床に使うときは、それぞれの特徴をざっくり押さえておくと安心です。
国内版とコストコ版の違いのイメージ
国内向けに販売されているオキシクリーンは、日本の家庭向けに成分や表示が調整されています。
パッケージの裏に用途や使える素材が細かく書かれているため、最初に触れるなら国内版のほうが取り扱いやすいと感じる方が多いでしょう。
一方、コストコの大容量タイプは、たっぷり使いたい人に向いた仕様です。
洗濯やキッチンなど、風呂以外の場所にも惜しみなく使いたい場合に便利な選択肢といえます。
どちらを選ぶにしても、基本的な扱い方は大きく変わりません。
パッケージに書かれている「使えない素材」や注意事項だけは、必ず確認してから使い始めてください。
EXタイプ・液体タイプを風呂に使うときの考え方
粉末のオキシクリーン以外に、「EX」と記載されたものや液体タイプの酸素系漂白剤も出回っています。
これらは泡立ちや洗浄力のバランスが商品ごとに少しずつ異なるため、風呂床への使い方も微調整が必要です。
基本的には、パッケージに記載されている「水○リットルに対してキャップ何杯」といった目安に合わせてお湯に溶かします。
標準の使い方で様子を見てから、少しずつ条件を調整していきましょう。
特にEXタイプは洗浄力を高めているものも多いため、いきなり長時間のつけ置きは避けたほうが安全です。
濃度や時間は控えめスタートを心がけましょう。
黒い床・デザイン床に使うときの注意点
黒やネイビーなど濃い色の床や、木目・石目調のデザイン床は、ちょっとした色ムラも目立ちやすい素材です。
オキシクリーンの種類にかかわらず、長時間・高濃度でのつけ置きは避けましょう。
目立たない隅のほうで、一度だけ短時間テストしてみると、床との相性をつかみやすいです。
問題がなさそうであれば、本番も短時間から始め、少しずつ調整してください。
オキシクリーン風呂掃除を安全に行うための注意点

便利なオキシクリーンですが、洗剤であることには変わりません。
風呂場は閉め切りがちな場所なので、安全面に気を配りながら作業したいところです。
必ず換気する・ゴム手袋をつける
つけ置き掃除をするときは、浴室の窓を開けるか換気扇を回し、空気がこもらない状態を保ちます。
洗剤のにおいや湯気を長時間吸い続ける環境は、体調を崩す原因になりかねません。
また、オキシクリーンはアルカリ性の洗剤なので、素手で長く触れると肌がカサつくことがあります。
ゴム手袋を着用し、肌が弱い方はマスクも併用すると安心です。
金属・ゴムパッキン・木部への付着に注意する
風呂場には、床以外にもさまざまな素材が使われています。
とくに次の部分には、オキシクリーン液を長時間つけっぱなしにしないようにしましょう。
- 排水口やドア枠などの金属部分
- ドアのゴムパッキン
- 木製のドアや造作部分
こうした場所に液がたまっていると、変色や劣化の原因になりかねません。
つけ置き後のすすぎのときは、床だけでなく周囲のパーツにもシャワーをしっかりかけて洗い流してください。
子どもやペットの手の届かない場所で保管する
オキシクリーンの粉末は、誤飲すると危険なものです。
小さな子どもやペットがいる家庭では、手の届かない高い場所や戸棚の中に保管しましょう。
掃除の最中も、開封したまま放置しないほうが安全です。
使い終わったら、その都度フタを閉める習慣をつけておくと、思わぬトラブルを防ぎやすくなります。
残り液の扱いに気をつける
つけ置きに使ったオキシクリーン液は、そのまま放置せず捨てましょう。
複数の日にまたがって使い回すようなことは避けてください。
排水の際は、浴室の排水口へ少しずつ流し、シャワーで十分に薄めながら流していきます。
バケツに取った液を外へまくと、植物や土に影響が出る可能性もあるので控えましょう。
オキシクリーン以外の方法と使い分け

お風呂の汚れは、オキシクリーンだけですべてに対応できるわけではありません。
ほかの洗剤とも上手に役割分担をしたほうが、結果として床や設備を長持ちさせやすくなります。
重曹・クエン酸との違いと役割
重曹もアルカリ性で、皮脂や油汚れに強い性質があります。
ただし、オキシクリーンほど漂白や分解の力は強くないので、日常的な「軽い汚れ向け」と考えると整理しやすいでしょう。
クエン酸は酸性で、水垢やカルキ汚れに向いた洗剤です。
湯垢と水垢が混ざった汚れには、先にオキシクリーンで皮脂や石鹸カスを落とし、そのあと残った白い輪じみだけクエン酸で落とすやり方も有効です。
市販の風呂用洗剤との役割分担
毎日の入浴後は、市販の中性風呂用洗剤を使った軽い掃除で十分きれいな状態を保てます。
オキシクリーンは、黒ずみや赤カビが目立ち始めたタイミングで「リセット掃除」に使うと、床への負担が少なくなります。
例えば、
- 日々のケア → 中性洗剤+スポンジでサッとこすり洗い
- 月一〜数か月に一度 → オキシ漬けで徹底掃除
といった使い分けを意識すると、清潔さと手間のバランスが取りやすいでしょう。
プロに相談したほうがよいケース
どんな洗剤を使っても落ちない黒ずみや、床材そのものがボロボロになっている場合は、汚れではなく経年劣化が進んでいる可能性があります。
無理に強い洗剤や固いブラシでこすり続けると、かえって傷を広げてしまうかもしれません。
床のひび割れや、コーティングの剥がれが目立つときは、一度専門業者に相談する選択肢も検討してください。
掃除ではなく、補修やリフォームで解決したほうが結果として安心なケースもあります。
富士水道センターでもお風呂のリフォームを承っています。
「汚れがどうしても落ちない」「排水溝の流れが悪い」といったお悩みがある方は、ぜひご相談ください。
まとめ
オキシクリーンは、風呂床の黒ずみや赤カビ、石鹸カスをまとめて落としやすい頼もしい洗剤です。
つけ置きと軽いブラッシングを組み合わせることで、床全体のざらつきやくすみをリセットしやすくなります。
一方で、濃度や時間を守らないと、床のコーティングを痛めたり、白くくもったように見えたりすることもあります。
とくに黒い床やデザイン床、光沢の強いコーティング床では、短時間・薄めの濃度から始める意識が大切です。
日常の掃除は中性洗剤で行い、汚れが気になってきたタイミングでオキシクリーンを取り入れると、負担を分散できます。
どうしても落ちない汚れや床の傷みが不安なときは、無理に自分だけで抱え込まず、水まわりに詳しい業者へ相談する方法も視野に入れてください。
オキシクリーン×風呂掃除のよくある質問(FAQ)

最後に、オキシクリーンのお風呂掃除についてよくある質問をまとめました。
参考にしてみてください。
Q1. オキシクリーンで風呂床を掃除する頻度はどれくらいが目安ですか?
A1. 毎日の入浴後に軽く洗っている場合は、月に一度程度でも十分です。
皮脂汚れがたまりやすい家庭や、ざらつきが早く気になる場合は、2〜3週間に一度のペースを目安にしてみてください。
あまり頻繁に高濃度で使うと床への負担が増えるため、「日常は中性洗剤」「ときどきオキシ漬け」というバランスがおすすめです。
Q2. 黒い床や柄付きの床にオキシクリーンを使っても大丈夫でしょうか?
A2. 使えないわけではありませんが、色ムラやツヤ落ちが目立ちやすい素材です。
最初は目立たない隅で短時間テストし、問題がなければ全体へ広げていきましょう。
いきなり長時間のつけ置きは避け、10分前後から様子を見ると安心です。
Q3. うちの浴室がコーティング床かどうか、見分ける方法はありますか?
A3. 浴室の取扱説明書や住宅の仕様書に「防滑コーティング」「特殊コーティング」などの記載がある場合、表面に何らかの加工が施されていると考えられます。
また、新しめのユニットバスでツヤが強く、少しだけ滑らかな感触がある床もコーティング床のことが多いです。
不明なときは、メーカー名と品番で公式サイトを確認したり、施工会社に問い合わせたりすると、より確かな情報が得られます。
Q4. オキシクリーンを入れすぎたり、つけ置き時間が長くなりすぎたときはどうすればいいですか?
A4. 濃度や時間がオーバーしたと感じた場合は、すぐに排水してシャワーでしっかりすすぎます。
そのあとは中性洗剤と柔らかいスポンジで床を優しく洗い、再度よく流してください。
以降の掃除では濃度を控えめにし、つけ置き時間も短めから始めるよう意識しましょう。
Q5. 赤カビ・黒カビがどうしても取り切れません。オキシクリーン以外に何を使えばよいですか?
A5. 床の表面に付着した赤カビ・ピンク汚れはオキシクリーンで十分対処しやすいですが、目地の奥まで根を張った黒カビは塩素系漂白剤のほうが得意分野です。
まずオキシクリーンで全体の汚れやヌルヌルを落とし、そのあと残った黒い点だけを塩素系カビ取り剤でピンポイントに処理すると、負担を抑えながらきれいにしやすくなります。
塩素系とオキシクリーンは同時に使わず、必ず日を分けて使用してください。
Q6. 排水口まわりだけオキシ漬けしたいとき、どうすればよいでしょうか?
A6. 洗面器やバケツにオキシクリーン液を作り、排水口カバーやヘアキャッチャーを丸ごとつけ置きする方法がおすすめです。
排水口本体は、髪の毛などのゴミを取り除いてから、液を直接注ぎ、数分置いてブラシでこすります。
ニオイや流れの悪さが気になる場合は、別途パイプクリーナーも併用し、役割分担するとよいでしょう。
Q7. コストコの大容量オキシクリーンを風呂掃除に使うときのポイントはありますか?
A7. 基本の扱い方は国内版と同じですが、量を多く入れすぎないよう注意が必要です。
パッケージの目安量を守り、最初はやや薄めの濃度からスタートすると安心できます。
一度に大量の粉を出しすぎないよう、小さな容器に移し替えて使う方法もおすすめです。
Q8. 子どもがいる家庭でも、オキシクリーンで風呂掃除をして大丈夫でしょうか?
A8. 正しく使えば問題なく扱えますが、作業中と保管時の安全対策が大切です。
掃除のあいだは浴室のドアを閉め、子どもが入ってこないよう配慮してください。
使用後は床をよくすすぎ、粉末や溶液は手の届かない場所にしまうことを習慣にすると安心です。
記事の監修者

島尻 博富士水道センター
水道工事や各種水回りの修理に従事して35年間。大規模修繕工事の計画~実施までの対応も可能。保有国家資格(給水装置工事主任技術者、一級管工事施工管理技士、一級建築配管技能士)。2023年1月25日放送 テレ朝スーパーJチャンネルで強烈寒波の報道に出演。












