
マンションでトイレがつまったら?原因から自分で直す方法・業者依頼の注意点まで解説
トイレ
更新日 : 2026年01月19日

富士水道センター編集部
マンションでトイレのつまりが起きると、「自分で直せるのか」「管理会社に連絡すべきか」と判断に迷う場面が多くあります。
戸建てとは異なり、マンションは排水管が共用されているため、原因や対処を誤ると被害が拡大する可能性があるので注意が必要です。
ここでは、マンション特有のトイレつまりの原因について、構造面と使用状況の両面から詳しく解説します。
目次
マンションでトイレつまりが起こる原因とは?

マンションでトイレつまりが起きる理由はいくつかあります。
それぞれ見ていきましょう。
トイレットペーパーの過剰使用
トイレットペーパーは水に溶ける前提で作られていますが、溶けるまでには時間がかかるものです。
そのため、一度に多量に流すと排水路の途中で紙が固まり、汚物と絡んで塊になりやすくなります。
特に節水型トイレは、流す水量が少ない分だけ押し流す力が弱く、紙の量が多いと途中で滞留する確率が高まるので注意しましょう。
「いつもと同じ量の紙なのに詰まった」と感じる場合でも、体調や便の硬さ、紙の厚み、流す回数の違いが重なると詰まる可能性がアップ。
軽度の詰まりでは水位が少し上がってゆっくり引く程度で済みますが、放置すると紙がさらに膨らみ、次の使用で一気に悪化することがあります。
水に溶けない異物の流入
マンションのトイレつまりで特に危険なのが、水に溶けない物を流してしまうケースです。
代表例はティッシュペーパー、掃除用シート、ペット用トイレ砂、生理用品、オムツ、綿棒など。
異物が引っ掛かると、その箇所にトイレットペーパーや汚れが絡み、短時間で頑固な詰まりへ進行します。
「少量なら大丈夫」と判断されがちですが、排水管の曲がり部分や継ぎ目で止まれば少量でも詰まりは発生するものです。
また、ラバーカップで無理に押し込むと、異物が奥へ移動して除去が難しくなる場合があり、結果として修理費用が増える原因にもなります。
排水管の構造や勾配の問題
マンションでは、便器から横引き管を通り、縦方向の排水立て管に合流する構造が一般的です。
この配管経路には曲がりや継ぎ目があり、流す物の量や水勢が弱いと途中で滞留が起こりやすくなります。
さらに、勾配が緩い、横引き管が長い、配管径が細いなどの条件が重なると、戸建てよりも詰まりやすい傾向です。
構造要因の場合、同じ住戸で詰まりを繰り返す特徴が出やすく、使い方を見直しても改善しないことがあります。
このタイプは、表面的には軽い詰まりに見えても、配管内の滞留が慢性化している可能性があるため、早めに管理会社へ相談して状況を共有することが重要です。
築年数による配管内部の劣化
築年数が経過したマンションでは、排水管の内側に汚れが層状に付着し、流れが悪くなっていることがあります。
特に尿石は硬く付着し、配管の内径を狭めるため、以前は問題がなかった使用量でも詰まりが発生しやすくなる原因に。
また、古い配管では継ぎ目の段差や腐食、サビによる凹凸が生じ、そこに紙や汚れが引っ掛かりやすくなります。
「流れが以前より弱い」「詰まり未満だがゴボゴボ音が出る」などの兆候がある場合、配管の汚れ蓄積が進んでいるサインとして捉えましょう。
この段階で高圧洗浄や点検を検討できると、緊急トラブルを回避しやすくなります。
共用排水管の詰まり
マンション特有の注意点が、共用排水管の影響です。
自室で異物を流していなくても、共用部で詰まりが起きると、排水が戻ったり、流れが極端に悪くなったりすることがあります。
例えば「自室のトイレが急に流れにくくなった」「同じタイミングで浴室や洗面の排水音が変わった」などは、共用系統の異常かもしれません。
共用排水管が原因の場合、個人でラバーカップを使っても改善しないことが多く、無理に水を流すと逆流や溢れにつながるリスクが高まります。
このケースでは、速やかに管理会社へ連絡し、同フロアや上下階で同様の症状がないか確認してもらうことが適切です。
自分で確認できるトイレつまりの症状には何がある?

マンションのトイレつまりは、完全に流れなくなる前に前兆が現れることが多くあります。
初期症状の段階で異変に気づければ、被害の拡大や高額な修理を防ぎやすくなります。
ここでは、専門知識がなくても判断しやすい代表的な症状について整理して解説します。
水位が上昇してゆっくり引く状態
水を流した際に便器内の水位が一度大きく上がり、時間をかけて少しずつ下がる場合は、軽度のつまりが発生している可能性があります。
排水自体は行われているものの、トイレットペーパーや汚れが配管内で引っ掛かり、水の流れを妨げている状態です。
この段階では「自然に直った」と感じやすいですが、内部には異物や紙が残っていることが多く、再発しやすい特徴があります。
繰り返し同じ症状が出る場合は、早めに対処しないと完全な詰まりへ進行するかもしれません。
水を流すとゴボゴボ音がする
トイレを流した際に、排水口や便器内部からゴボゴボという音が聞こえる場合、空気の逃げ場が塞がれている可能性があります。
これは排水管内で水と空気の流れが乱れ、つまりが発生しているサインとしてよく見られる症状です。
特に、以前は音がしなかったのに突然発生した場合は注意しましょう。
音だけで水位に変化がない場合でも、内部では汚れの蓄積が進行しているケースがあります。
一度流すと溢れそうになる
レバーを回した直後に水位が急激に上がり、今にも便器から溢れそうになる状態は、つまりがかなり進行している状態です。
この状態で再度水を流すと、汚水が床に溢れ出し、衛生面だけでなく建物への被害にもつながります。
一時的に水位が下がっても、内部の閉塞が解消されていない場合がほとんどです。
この症状が出た場合は、無理な使用を中止し、慎重な対応が求められます。
他の排水口から異音が出る
トイレを流した際に、洗面所や浴室の排水口から音がする場合は、排水系統全体に影響が出ている可能性があります。
マンションでは排水管が途中で合流するため、一か所のつまりが別の排水口に影響を及ぼすのです。
この症状は、共用排水管や縦管に問題が生じているサインとしても知られています。
自室だけの問題と判断せず、管理会社への連絡を視野に入れることが重要です。
マンションのトイレつまりを自分で対処する方法は?

マンションのトイレつまりは、症状が軽い段階であれば自分で対処できる場合があります。
ただし、方法を誤るとつまりを悪化させたり、共用排水管へ影響を及ぼしたりする危険もあります。
ここでは、比較的安全に行える対処法と、実施時の判断基準を整理して解説します。
ラバーカップ(すっぽん)を使った基本的な解消方法
ラバーカップは、軽度から中程度のつまりに有効な基本的な道具です。
使用する際は、便器内の水位がカップのゴム部分にかぶる程度に調整し、密着させた状態で押し引きを行います。
強く押すのではなく、引く動作を意識すると、排水管内で詰まっている紙や汚れを手前に動かしやすくなります。
数回繰り返しても改善しない場合は、無理に続けず、別の対応を検討することが重要です。
少量の水で様子を見る判断基準
水位がやや高い程度で時間をかけて引いていく場合は、軽いつまりの可能性があります。
この状態で大量の水を流すと、一気に水位が上昇し、溢れにつながるので注意してください。
様子を見る場合は、バケツなどで少量ずつ水を注ぎ、流れが改善するかを確認します。
流れが変わらない場合は、早めに作業を中止する判断が安全です。
お湯を使う際の注意点
トイレットペーパーが原因と考えられる場合、40〜50度程度のお湯を使うことで紙がほぐれやすくなることがあります。
ただし、熱湯を使用すると便器が割れたり、排水管を傷めたりする恐れがあるため避けましょう。
お湯を注いだ後は、しばらく時間を置き、自然に流れるかを確認します。
改善が見られない場合は、追加で流さず次の対応を検討してください。
管理会社や大家へ連絡すべきケースとは?

マンションのトイレつまりは、自分で対処できる範囲を超えると、管理会社や大家への連絡が必要になります。
判断を誤ると被害拡大や責任問題に発展するため、連絡すべき具体的な状況を把握しておくことが重要です。
自室以外にも影響が出ている場合
トイレを流した際に、洗面所や浴室の排水口から水音や逆流が見られる場合は注意が必要です。
この症状は、排水管の合流部や縦管に問題が起きている可能性を示します。
自室だけでなく、建物全体の排水に影響する恐れがあるため、個人対応は避けるべきです。
早めに管理会社へ連絡することで、被害の拡大を防ぎやすくなります。
共用排水管が原因と考えられる場合
異物を流した覚えがないにもかかわらず、急にトイレの流れが悪くなった場合は共用排水管の詰まりかもしれません。
特に、同じ階や上下階でも同様の症状が出ている場合は、共用部の可能性が高まります。
共用排水管は個人で触れない設備に該当するため、必ず管理会社を通して対応しましょう。
無断で業者を呼ぶと、費用負担や責任の所在でトラブルになることがあります。
賃貸マンションでの責任区分
賃貸マンションでは、つまりの原因によって費用負担が異なります。
入居者の使用方法が原因であれば、原則として入居者負担になります。
一方で、設備の劣化や共用部分が原因の場合は、大家や管理組合の負担となるケースが一般的です。
判断が難しい場合は、自己判断せず、まず管理会社へ状況を報告することが安全です。
連絡時に伝えるべき情報
管理会社へ連絡する際は、症状を具体的に伝えることで対応がスムーズになります。
水位の変化、異音の有無、他の排水口への影響、発生した時刻などを整理して伝えましょう。
あわせて、異物を流した可能性の有無も正確に共有することが重要です。
情報が不足すると、現地確認までに時間がかかる場合があります。
修理業者に依頼する場合の注意点は?

自分での対処や管理会社対応で改善しない場合は、修理業者への依頼が必要になります。
マンションでは戸建てと異なる注意点が多く、業者選びや依頼方法を誤ると不要な費用やトラブルにつながります。
マンション対応の実績がある業者選び
トイレつまりの修理は、マンション特有の配管構造を理解している業者でなければ適切な対応ができません。
共用排水管や縦管への影響を考慮せず作業すると、一時的に直っても再発する可能性があります。
過去の施工実績や、マンション対応を明記している業者を選ぶことで、失敗のリスクを下げられます。
管理規約の確認が必要な理由
マンションには、設備工事に関する管理規約が定められている場合があります。
指定業者以外の作業を禁止していたり、事前申請が必要だったりするケースも少なくありません。
規約を無視して修理を行うと、後から原状回復や費用負担を求められる恐れがあります。
業者手配前に、必ず管理会社へ確認することが重要です。
高額請求を避けるための確認事項
緊急性の高いトラブルほど、相場より高額な請求が発生しやすくなります。
作業内容が不明確なまま依頼すると、不要な作業を追加される可能性もあるので注意しましょう。
料金体系、出張費や追加費用の有無を事前に確認することで、トラブルを防ぎやすくなります。
即決を迫る業者には、慎重な姿勢が必要です。
参考:東京都水道局『トイレの詰まりをきっかけとした高額な修理契約に注意!』
作業前に見積もりを取る重要性
修理を依頼する際は、作業前に必ず見積もりを提示してもらいます。
口頭説明だけで作業を開始すると、後から想定外の費用を請求される可能性があります。
見積もり内容に不明点があれば、その場で確認し、納得したうえで依頼することが大切です。
書面での提示がある業者は、信頼性の判断材料になります。
トイレつまりを防ぐための日常的な対策は?

マンションのトイレつまりは、日常の使い方を見直すことで予防できるケースが多くあります。
一度大きなトラブルが起きると、費用や時間の負担が大きくなるため、予防意識が重要です。
ここでは、日常的に意識したい具体的な対策を整理します。
流してよい物と悪い物の判断基準
トイレに流してよいのは、基本的に排泄物とトイレットペーパーのみです。
水に溶けると表記された製品でも、配管条件によっては詰まりの原因になります。
ティッシュや掃除用シートは、見た目が似ていても性質が異なるため流さない判断が必要です。
迷った場合は、ゴミとして処分する方が安全です。
節水型トイレ使用時の注意点
節水型トイレは水量が少ないため、一度に多くの物を流す使い方には向いていません。
紙の使用量が多い場合は、複数回に分けて流すことで詰まりを防ぎやすくなります。
節水を意識しすぎて流す回数を減らすと、かえってトラブルの原因に。
適切な使用が、結果的に修理費用の削減につながります。

なお、自宅のトイレが通常のトイレか節水トイレかは、水の流れ方によってわかります。
洋式トイレはまっすぐに排水口に向かって流れていくのに対し、節水トイレは渦を描くように流れていくのが特徴です。
定期的な清掃と点検の重要性
便器内部だけでなく、排水口周辺や見えない部分の汚れも詰まりの原因です。
定期的な清掃を行うことで、汚れの蓄積を抑え、流れの悪化を防げます。
流れが弱くなった、音が変わったなどの変化を見逃さないことが重要です。
早期対応が、大きなトラブルを未然に防ぎます。
異変を感じた際の早期対応
少し流れが悪い程度でも、違和感を感じた段階で対応することが重要です。
放置すると、軽度のつまりが短期間で重度化することがあります。
早い段階でラバーカップを使う、管理会社へ相談するなどの対応がおすすめです。
無理に使用を続けない判断が、結果的に安全につながります。
よくある質問

マンションのトイレつまりは自己負担になりますか?
トイレつまりの費用負担は原因によって異なります。
トイレットペーパーの流しすぎや異物混入など、使用方法が原因の場合は入居者負担になるのが一般的です。
一方で、共用排水管や設備劣化が原因の場合は、管理組合や大家負担となるケースが多く見られます。
ラバーカップで直らない場合はどうすればよいですか?
ラバーカップで改善しない場合は、無理な作業を続けない判断が重要です。
繰り返し使用すると、つまりが奥へ移動し、修理が困難になる可能性があります。
早めに管理会社や専門業者へ相談することで、被害拡大を防ぎやすくなります。
トイレつまりで階下に水漏れすることはありますか?
重度のつまりや排水管の閉塞があると、汚水が逆流し、階下へ漏水する恐れがあります。
特にマンションでは被害が広がりやすく、損害賠償問題に発展する例もあります。
異常を感じた段階で使用を中止することが重要です。
業者を勝手に呼んでも問題ありませんか?
マンションによっては、管理規約で指定業者が決められている場合があります。
無断で業者を手配すると、費用が自己負担になったり、原状回復を求められたりする可能性があります。
事前に管理会社へ連絡する対応が安全です。
つまりが頻発する場合の対策はありますか?
つまりが繰り返し起こる場合は、配管内部の汚れ蓄積や構造的問題が疑われます。
一時的な対処では改善せず、再発を招きやすくなります。
管理会社へ相談し、点検や高圧洗浄を検討することが有効です。
まとめ
マンションのトイレつまりは、原因の見極めと対応判断が非常に重要です。
軽度であれば自分で対処できる場合もありますが、無理な作業は被害拡大につながります。
共用排水管や設備が関係する可能性を考慮し、状況に応じて管理会社や専門業者へ相談することが、安全かつ確実な解決につながります。
記事の監修者
島尻 博富士水道センター
水道工事や各種水回りの修理に従事して35年間。大規模修繕工事の計画~実施までの対応も可能。保有国家資格(給水装置工事主任技術者、一級管工事施工管理技士、一級建築配管技能士)。2023年1月25日放送 テレ朝スーパーJチャンネルで強烈寒波の報道に出演。













