水まわりのお役立ち情報

トイレの流れが悪いときの原因は?対処法と業者に修理依頼すべき基準
トイレ
更新日 : 2025年11月19日

富士水道センター編集部
いつもより勢いが弱い、水量が足りないなど、トイレを流したときに違和感がある場合は、タンクや排水管などにトラブルが生じているかもしれません。
放置すると便器から水があふれたり、汚水が逆流したりする恐れがあるため、原因に合わせて適切に対処することが大切です。
本記事では、トイレの流れが悪いときの原因や対処法を詳しく解説します。
業者に相談すべきケースも紹介しているので、修理を依頼するときの参考にしてみてください。
目次
トイレの流れが悪くなる前兆・詰まっているサインとは?

- 水まわりで「コポコポ」や「ゴボゴボ」と音がする
- トイレから悪臭がする
- 水を流したあと水位が下がらない
水まわりで「コポコポ」や「ゴボゴボ」と音がする
排水管が詰まりかけているときは、「コポコポ」や「ゴボゴボ」などの異音が発生します。トイレだけでなく、キッチンや洗面台など水まわりのさまざまな箇所で聞こえることも。
排水管の詰まりを放置すると、汚水の逆流につながる恐れがあります。
トイレの床が汚水まみれにならないよう、早めに業者に点検してもらいましょう。
トイレから悪臭がする
トイレから悪臭がする場合は、便器の排水口が詰まっており、封水が少なくなっていると考えられます。封水とは便器内に常にたまっている水のことで、下水の臭いや害虫の侵入を防ぐものです。
排水口が詰まっているとトイレの流れが悪くなるだけでなく、封水が減ってしまうため、悪臭の原因となるのです。
封水の水位が普段通りなのに悪臭がする場合は、排泄物が便器や排水管に残っているからかもしれません。
排水管の汚れや詰まりにより、排泄物が流れにくくなっていると考えられるでしょう。
水を流したあと水位が下がらない
トイレの水を流しても便器内の水位が下がらない場合は、すでにトイレが詰まっていると考えられます。水が通れる隙間があるうちは少しずつ水位が下がっていきますが、完全に詰まって隙間がなくなると、水がまったく流れなくなってしまいます。
放置すると便器から水があふれてしまうので、トイレの使用を中止し、早めに業者に修理を依頼しましょう。
トイレの流れが悪い原因4つ

- 水圧が足りない
- タンクの水が少ない
- 排水管が詰まっている
- 排水管の構造上仕方がない
水圧が足りない
水圧が低いと排泄物を流す力が足りず、水の流れが悪くなってしまいます。高台や2階以上の建物はとくに水圧が弱い傾向にあり、トイレットペーパーや排泄物が何度も詰まってしまうこともあります。
また、水洗レバーの「小」は水の量だけでなく圧力も少なくなってしまうので、いつも「小」を使うのではなく、排泄物の量に応じて適切な使い分けが必要です。
タンクの水が少ない
給水弁(給水バルブ)の部品の劣化や節水用品によりトイレタンクの水が少ないと、水の流れが悪くなってしまいます。給水弁とは、トイレタンクへの水の供給をコントロールしている部品です。
給水弁の開け閉めをする部品である浮き球が劣化していると、タンクへの水の供給が不安定になり、タンクの水が不足する原因になります。
また、タンク内に入れて使う節水用品も便器に流れる水の量を少なくしてしまいます。
トイレの詰まりに発展する恐れがあるので、節水用品は基本的に使わないようにしましょう。
排水管が詰まっている
トイレットペーパーや排泄物、その他固形物などが排水管に詰まっていると、トイレの水が流れにくくなります。排水管の詰まりを防ぐため、トイレットペーパーは一度に大量に流さず、多く使ったときは数回に分けて流すようにしましょう。
一度に流せるトイレットペーパーの目安は、「小」で2m、「大」で流す場合で5mほどです。
また、おもちゃやスマホ、アクセサリーなど、誤ってトイレに落としやすいものはトイレに持ち込まないようにしましょう。
排水管の構造上仕方がない
トイレの排水管には構造上詰まりやすくなっている部分があり、頻繁に詰まりが発生して水の流れを悪くしてしまうことがあります。トイレの排水管は、下水からの逆流や悪臭などを防ぐためにカーブ状になっています。
とくに、排水口の近くにある「せき」は急カーブになっているため、流す水の量や勢いが足りないと排泄物が通過できません。
通過できなかった排泄物が固まったり、蓄積されたりすると詰まりの原因になってしまいます。
また、集合住宅の場合は共有の排水管が上から下に通っており、階下で詰まりが発生すると上の階のトイレの水が流れにくくなることがあります。
【自分でできる】トイレの流れが悪いときの対処法6つ

- タンクの水量を増やす
- 止水栓をしっかり開ける
- バケツで勢いよく水を流す
- ラバーカップで吸引する
- ワイヤー式トイレクリーナーで詰まりの原因を取り出す
- お湯やパイプクリーナーで詰まりの原因を溶かす
タンクの水量を増やす
タンクの水量を増やすには、給水弁に付いている水位調節リンクを回すか、浮き球を新しいものに交換しましょう。水位調節リングを反時計回りに回すと水量を増やせます。
水位調節リングがないトイレの場合は、浮き球の交換が必要です。
浮き球の交換は難しい作業ではありませんが、サイズを間違えたり、誤ってタンク内のほかの部品を傷つけたりしやすいので、業者に依頼することを推奨します。
止水栓をしっかり開ける
止水栓を反時計回りに回し、完全に開けるようにしましょう。止水栓は便器周辺の壁や床にあり、給水管からトイレに供給する水をコントロールしています。
止水栓が完全に開いていないと、十分な水量や水圧で排泄物などを流せません。
止水栓には、蛇口のように回せるタイプと、マイナスドライバーや硬貨で回すタイプがあります。
どちらの場合も反時計回りで開くので、一度しっかり回してみましょう。
バケツで勢いよく水を流す
トイレットペーパーや排泄物など、本来流せるはずのものが詰まっているときは、まず次の手順を試してみましょう。- バケツで勢いよく水を流す
- より高い位置から水を流し込む
- 便器内の水位が下がらない場合、この作業を数回繰り返す 最後に水洗レバーを回して、水の流れが改善したかを確認
水位が高いまま無理に流すと、逆流やあふれの原因になるため注意しましょう。 数回繰り返したら、水洗レバーを回して水の流れが改善したか確かめてみましょう。
ラバーカップで吸引する

- 水が飛び散るおそれがあるため、事前に床にビニールシートや新聞紙を敷いておく
- ラバーカップを排水口にしっかり密着させる
- ゆっくり押し込み、限界まで押し込んだら一気に引き上げる
ラバーカップがうまく使えない場合は、真空式パイプクリーナーも有効です。
真空式パイプクリーナーはハンドル操作で簡単に吸引でき、ラバーカップの代わりとして使用できます。
すっぽん(ラバーカップ)はトイレの水が流れないときの救世主!正しい使い方と注意点まとめ
ワイヤー式トイレクリーナーで詰まりの原因を取り出す
ワイヤー式トイレクリーナー(ワイヤーブラシ)も詰まりの解消に役立ちます。水に溶けるものが詰まっている場合は、ワイヤー式トイレクリーナーで詰まりの原因を砕くように押し引きしてみましょう。
固形物が詰まっている際は、ワイヤー式トイレクリーナーに引っかけて取り出せないか試してみてください。
ただし、無理やり押し込むと排水管を傷つけてしまう可能性があるので、なかなか詰まりが解消できないときは別の方法に切り替えましょう。
お湯やパイプクリーナーで詰まりの原因を溶かす
50℃程度のお湯や、市販の液体パイプクリーナーで詰まりを溶かせることもあります。熱湯だと便器にひびが入ってしまう恐れがあるので、沸騰したお湯ではなく、蛇口から50℃程度のお湯を出しましょう。
数回流し込み、1時間程度放置してください。
パイプクリーナーは商品によって使い方が異なるので、商品に記載されている説明に沿って使いましょう。
パイプクリーナーのほか、重曹と酢を混ぜて発生する炭酸ガスで詰まりを溶かす方法もあります。
重曹は50cc程度、酢は100cc程度を便器に入れて、泡が出てきたら1時間ほど放置してください。
トイレの流れが悪いときにやってはいけないNG対処法
トイレの流れが悪いとき、つい焦って自己流の対処をしてしまう方は多いものです。
しかし、やり方を間違えると詰まりが悪化したり、便器や排水管を傷めたりするおそれがあります。特に、
- 熱湯を流す
- 薬剤を混ぜるト
- 何度も水を流す
熱湯を流してはいけない!便器や排水管を傷める原因に
トイレの流れが悪いときに「お湯で溶かそう」と考える方は多いですが、熱湯を流すのは絶対にNGです。便器の多くは陶器または樹脂でできており、急激な温度差でひび割れや変形を起こすおそれがあります。
また、排水管が樹脂製の場合、熱で変形し水漏れの原因になることも。
つまりの原因が油脂や紙であっても、熱湯では完全に溶かせません。
使用するのは「50℃程度のぬるま湯」でゆっくり流しましょう。
ハイターとサンポールを混ぜるのは危険!有毒ガスが発生するおそれ
「薬剤で溶かせば早い」と思って、塩素系(ハイターなど)と酸性(サンポールなど)を混ぜるのは絶対に避けましょう。この2つを混ぜると、咳や呼吸困難などの中毒症状を起こす塩素ガスが発生します。
また、強力な薬剤を繰り返し使うと、便器のコーティングが剥がれて変色・劣化を早めてしまうことも。
薬剤を使うときは、必ず単独で使用し、換気を十分に行いましょう。
何度もレバーを引く・水を足すのは逆効果!あふれるリスクも
「詰まったかも?」と思ったときにレバーを何度も引く、またはバケツで水を足すのは危険です。流れが悪い状態で水を大量に流すと、排水が処理しきれず、便器から水があふれるおそれがあります。
一度でも水位が上がったら、それ以上は流さずに水が下がるのを待つのが鉄則です。
無理に押し流すのではなく、ラバーカップ(スッポン)や真空式パイプクリーナーなど適切な道具を使うことが大切です。
トイレの流れが悪いときに業者を呼ぶ基準は?

- 水に流せるものの詰まりがなかなか解消できないとき
- 固形物の詰まりが原因のとき
- 流れが悪い原因がわからないとき
水に流せるものの詰まりがなかなか解消できないとき
トイレットペーパーや排泄物など、水に流せるものが詰まっている場合は、通常自然に溶けて詰まりが解消されます。しかし、お湯や液体パイプクリーナーなどを使っても詰まりが改善しないときは、排水管に異常があるかもしれません。
排水管にひびや変形があると水漏れや逆流などに発展してしまう可能性があるので、早めに業者に点検してもらいましょう。
固形物の詰まりが原因のとき
詰まりの原因が固形物の場合、個人で取り出すのは困難です。排水口の近くに詰まっているときはラバーカップで取り出せることもありますが、奥に入ってしまった場合、専用の道具がないと基本的に取り出せません。
便器の取り外しが必要なときもあります。
詰まりの解消が難しいほど修理費用も高くなる傾向があるので、奥に入り込んでしまわないうちに業者に連絡しましょう。
流れが悪い原因がわからないとき
なぜトイレの流れが悪いのか不明なときは、業者に相談するのがおすすめです。流れが悪い原因がわからず、どのような対処法を試せばいいのかもわからない場合でも、プロが点検すればすぐに解決する可能性があります。
とくに排水枡(ます)や排水管などの異常は、プロでないと気づきにくい部分です。
便器の水が流れていかない、水位が下がらないなどのトラブルがあるときは、まずはトイレの点検を依頼してみましょう。
トイレの流れが悪いときの水道修理業者の選び方
水道局から注意喚起されているように、水道業者のなかには悪質業者があります。トイレの流れが悪いときは、以下の基準に沿って修理を依頼する業者を選びましょう。
- 見積料や出張料は無料か
- 水道局指定工事店か
- アフターフォローはあるか
- 説明は丁寧か
見積料や出張料は無料か
見積料や出張料が無料の業者を選びましょう。作業自体の金額が安い場合でも、見積料や出張料があると合計が高くなってしまいます。
簡単な点検だけで済んだにもかかわらず、高額な出張料を請求されてしまうかもしれません。
とくに深夜や早朝は出張料が高くなることがあるため、よく確認が必要です。
作業自体の金額だけなく、見積料や出張料もチェックしてから依頼しましょう。
水道局指定工事店か
信頼できる業者に依頼するには、水道局指定工事店を選びましょう。水道局指定工事店とは、各自治体の水道局が指定する基準をクリアし、十分な技術力を持って正当に営業していると認められた業者です。
水道局指定工事店であれば、トイレの修理に関する技術力や知識がある程度保証されています。
各水道修理業者のホームページや、自治体が公開している指定業者の一覧を確認してみましょう。
アフターフォローはあるか
アフターフォローの有無や内容も確認しましょう。アフターフォローがしっかりしている業者であれば、修理後に異常が出た場合、無料で再施工してくれます。
説明は丁寧か
業者に見積もりをしてもらうときは、金額だけでなく説明が丁寧かどうかもチェックしましょう。あえて複雑に説明をして料金をごまかしたり、不要な作業を見積もりに入れたりする業者もいます。
作業内容の説明や見積もりについて不明な点があれば、遠慮なく質問してみてください。
説明に納得のいかない部分があれば、見積もりのみで終了しても構いません。
あらためて別の業者に見積もりを依頼してみましょう。
【要注意】悪質な水道業者一覧はどこ?急増する高額請求トラブルと信頼できる業者の選び方
トイレの流れが悪いときの対処法に関するよくある質問
最後に、トイレの流れが悪いときの対処法について、よくある質問をまとめました。- トイレの水が流れにくいのは、詰まり以外の原因もありますか?
- トイレの流れが悪いとき、自分でできる応急処置はありますか?
- 流れが悪いまま使い続けるとどうなりますか?
- 業者に修理を依頼するタイミングの目安は?
Q:トイレの水が流れにくいのは、詰まり以外の原因もありますか?
はい、詰まり以外にもいくつかの原因が考えられます。たとえば、タンク内の水量不足や、給水弁・フロートバルブの劣化により水圧が十分にかからないケースです。
また、排水管が老朽化して勾配が変わっていたり、内部に尿石や汚れがこびりついて水の通り道が狭くなっている場合もあります。
さらに、節水型トイレでは水流が弱いため、使用方法や水量設定によって流れが悪く感じられることも。
詰まりが見当たらないときは、こうした構造的な不具合や部品の劣化を疑い、専門業者に点検を依頼するのが安心です。
Q:トイレの流れが悪いとき、自分でできる応急処置はありますか?
軽度の詰まりや流れの悪さであれば、次の方法で応急処置を試すことができます。- ラバーカップ(スッポン)を使う:排水口に密着させ、ゆっくり押してから勢いよく引き上げる。数回繰り返すことで軽い詰まりなら解消します。
- ぬるま湯を流す:50℃程度のお湯をバケツで静かに流し、紙や油分の固着をゆるめます。熱湯は便器を傷めるためNGです。
- 真空式パイプクリーナーを使う:吸引力で詰まりを引き抜く道具。ラバーカップより強力です。
Q:流れが悪いまま使い続けるとどうなりますか?
トイレの流れが悪い状態を放置すると、詰まりが進行し、次のようなトラブルにつながるおそれがあります。- 排水が逆流する:水や汚物が便器からあふれ、床や壁に汚水が漏れる危険があります。
- 悪臭が発生する:排水管の中で汚れが腐敗し、嫌なニオイがトイレ全体に充満します。
- 配管や便器の破損:内部で圧力がかかり、ひび割れや漏水を引き起こすことがあります。
Q:業者に修理を依頼するタイミングの目安は?
自分でラバーカップやぬるま湯を使っても改善しない場合や、水を流すたびに水位が上がる場合は、早めに専門業者へ依頼しましょう。何度もレバーを引いたり水を足したりすると、便器からあふれる危険があるため注意しましょう。
また、悪臭が強くなってきたり、流すたびに「ゴボゴボ」と音がする場合は、排水管の奥で詰まりが進行しているサインです。
集合住宅の場合、下の階への漏水トラブルにつながることもあります。
自己判断での対処に限界を感じたら、無理をせず24時間対応の水道修理業者へ相談するのが安全です。
トイレの流れが悪いときは水圧やタンクの水をチェックしてみよう

- 水圧が足りない
- タンクの水が少ない
- 排水管が詰まっている
- 排水管の構造上仕方がない
しかし、原因がわからなかったり、自分では対処できなかったりした場合は、すみやかに業者に依頼しましょう。
トイレつまりのお悩みは、富士水道センターにお任せください。
富士水道センターは水道局指定工事店。
安心安全のサービスを提供いたします。
見積り・出張費は無料なので、お気軽にご相談ください。
記事の監修者
島尻 博富士水道センター
水道工事や各種水回りの修理に従事して35年間。大規模修繕工事の計画~実施までの対応も可能。保有国家資格(給水装置工事主任技術者、一級管工事施工管理技士、一級建築配管技能士)。2023年1月25日放送 テレ朝スーパーJチャンネルで強烈寒波の報道に出演。






タグ:






